歌人・辰巳泰子の公式ブログ

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負けないで

2012-05-22 17:44:23 | 日常
大津、中2いじめ自殺の裁判。

子供を預けるうえは、親は、学校を信頼するしかありません。

公立学校の、親の目の届かないところで、いじめがあって、生徒が、加害生徒の自宅へ、これから死にますと電話をかけたうえで、自殺したら、常識に照らして、生徒の自殺はやはり、いじめが原因ではないでしょうか。

それに、この市の首長は、公務のなかで、当該生徒の自殺が、いじめ原因であったことを認めるパフォーマンスを取っています。
いじめをなくす約束もしています。
卒業式に訓辞を垂れるという形で、子供たちの前で、泣きながら、誓っているのです。

その市が、「いじめがあったことは認めるけれど、いじめが、自殺の原因と断定できないし、教員がいじめを見逃した証拠もないから、自殺の責任は取りません」って……。

誰がいつどのように見逃したのか指摘ができないなら、いじめの事実があっても、責任はないとの言い分。

遺族にとり、目の届かないところの証拠を、どうやって、集められるというのでしょう。
他の生徒さんの個人情報などが、壁になるに決まっています。

第一、学校が、いじめに気づかなかったことに、問題があるのです。
いじめられている子のほとんどが、大人の世間へ気配りして、「大丈夫」というでしょう。
それを、大人が、言質にとっていいことでしょうか。

いじめがあったことを認めるなら、公的機関の取るべき態度は、全力を挙げて検証に乗り出すことなのに……。
検証は、少しでも、なされたのでしょうか。
こんなふうに、被害者遺族と争う姿勢になってしまったら、それは、できないことになってしまいます。

市としては、検証を円滑におこなうために、被害者遺族に示談を申し入れるとか、そういうふうには、考えられなかったのでしょうか。
いじめをなくすつもりなら、市が、裁判に勝つように努力すべきなのではなく、検証が円滑におこなわれるために、努力すべきなのでは。

いずれにせよ、大津、中2いじめ自殺の裁判は、被害者遺族が、真相究明のために、広く支援を受けていいことに思います。



負けないで……。

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