田川市石炭・歴史博物館のブログ

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田川地域の発掘調査

2021年08月18日 | 日記

「山本作兵衛コレクション・ユネスコ「世界の記憶」登録10周年記念事業」の一環である交流キャラバン展は、現在、九州歴史資料館(福岡県立、所在地は小郡市)へ巡回しています。(10月3日までですが、現在は緊急事態宣言のため臨時閉館中です)。※HPはこちらから。

関連して、田川市石炭・歴史博物館では、九州歴史資料館の展示コーナーを設けています。展示では、福岡県が田川地域で発掘調査を実施した3つの遺跡をご紹介しています。

【浦松遺跡】(香春町)
 一般国道322号香春大任バイパスの建設に際して発掘調査が行われました。調査では、古墳時代の集落や飛鳥時代にかけて築造された8棟の掘立柱建物が確認されました。遺跡が古代官道(田河道)に近接することなどから、これらの掘立柱建物は役所的機能を持った「官衙(かんが)」の可能性が想定されています。


【宮原金山遺跡】(香春町)
 一般国道322号香春大任バイパスの建設に際して発掘調査が行われた遺跡で、香春岳の東側に所在します。平安時代から鎌倉時代にかけて鉄を生産していた場所で、10トンを超える膨大な製鉄関連遺物が出土しました。田川地域では、初めて発見された大規模な製鉄遺跡です。


【知恩寺跡】(添田町)
 一般県道英彦山添田線の改良工事に際して発掘調査が行われた遺跡です。知恩寺は、豊臣秀吉の九州平定の際、近隣で起きた岩石城の戦いでの犠牲者を弔うために創建されたと伝えられています。調査では、往時の知恩寺の痕跡は確認されませんでしたが、創建以前の鎌倉時代などの生活の痕跡が確認されました。

田川市石炭・歴史博物館の九州歴史資料館コーナーでは、これら3つの遺跡から出土した遺物の一部も展示していますので、ぜひ、ご鑑賞ください。

※展示は10月3日(日)までですが、新型コロナウイルス感染症拡大予防の観点から、予告なく展示期間を変更する場合があります。

※画像の無断使用を禁じます。