アメリカの景気動向をうらなう先行指数としてISM製造業指数とISM非製造業指数がある。
これはISM社がアメリカ主要企業の購買担当者などを対象に、販売(出荷)、雇用、新規受注などが先月からどの程度変化したかをアンケート調査して算出するもの。
この数値が50だと企業の経済活動がこれまでと同じ水準にあることをしめし、50をこえると拡大、50未満だと縮小しているという意味になる。
ところで今週、この数値に警告サインがともった。
ISM社は2019年10月1日(火)、9月のISM製造業指数が47.8%となり、2か月連続で50を下回ったと発表した。
ちなみにISM製造業指数とGDP成長率には相関関係があり、ISM社は9月の指数から想定されるGDP成長率を1.5%としている(この指数が42.9%以下になるとマイナス成長になるとされる)。
ただしアメリカではGDPに占める製造業の割合が11%程度まで低下しており、サービス業などの重要性が高まっている。
その動向をはかるのがISM非製造業指数である。
ISM社は2019年10月3日(木)、9月のISM非製造業指数が先月より3.8%も減少して52.6%になったと発表した。
まだ50は上回っているが、市場予測(55%)を大きく下回る結果となった。
ちなみにこの数値もGDP成長率と相関関係があり、ISM社はここから想定されるGDP成長率を1.4%としている(この指数が48.6%以下になるとマイナス成長になるとされる)。
こうした発表をうけアメリカでは利下げ期待が一気に高まっている。
今日の夜に発表がある米雇用統計の結果に対する市場の反応が注目される。