大野威研究室ブログ

おもにアメリカの自動車産業、雇用問題、労働問題、労使関係、経済状況について、最近気になったことを不定期で書いています。

GMのストライキ、終結か?

2019年10月16日 | 経済

 GMでのストライキは1か月を超えようとしているが、ウォールストリートジャーナルGMUAWの協議が合意に近づいていると報じた。

 ビッグ3(GM、フォード、FCA)では、リーマンショックのあと新規採用者に従来より大幅に低い賃金を適用することになった。

 この賃金は勤続とともにアップするが現在、従来の賃金水準に達するのに8年かかっている。

 この期間を短縮することが今回大きな焦点となっていたが、WSJはこの点で大きな進展があったとしている。

 同紙はほかに協約期間中(4年間)に、①基本賃金を3%引き上げる(2年間)、②賃金の4%に相当するボーナスを支給する(2年間)、ことなどがGMから提案されていると伝えている。

 UAWは10月17日(木)、支部長を本部(ソリダリティーハウス)に集め経過を説明する予定になっている。

 なおWSJは、ストによるこれまでの損失は15億ドル(1600億円:1ドル=110円)とするアナリストの推計を紹介している。

 

UAW、スト給付金を増額 2019/10/13

GM、医療保険の提供を中止 2019/9/20

UAW、GMでストライキに突入 2019/9/16

UAWの元GM担当役員が汚職で有罪認める 2019/9/10

UAW元役員、FCAからの不正な金品受け取りで懲役刑 2019/8/6 

カナダのGM工場のストライキが終結 2017/10/17

カナダのGM工場でストライキ 2017/9/21


寿海(千丸店)

2019年10月15日 | 日記

 久しぶりの寿海(千丸店)。

 天ぷらの盛り合わせ(340円)。

 

 おでんは1つ100円。

 京都はおでんが高いという印象があるが(あくまで個人的な感想です)、こちらはリーズナブル。

 

 この晩は少し冷えていたので熱燗を注文。

 ごちそうさまでした。


UAW、スト給付金を増額

2019年10月13日 | 経済

 2019年9月15日(日)からはじまったGMのストライキは1か月近くたっても終結の見通しが立っていない。

 こうしたなか、UAW(全米自動車労組)は2019年10月13日(日)からストライキ参加者へのストライキ給付金を週250ドル(2.7万円:1ドル=110円)から275ドル(3万円)に増額することを決定した。

 UAWのスト基金は7.5億ドル(820億円)。

 スト参加者は4.6万人なので、約60週間つまり14か月程度のストライキが可能。

 組合員の大幅減少(リストラ)が、スト財政についてはUAWに逆に有利に働いている。

 交渉は、UAWがGMの最新提案を「これまでより後退した」と批判する一方、GMはUAWが交渉を遅らせているとして、慣例をやぶって組合員に直接、会社の最新提案を提示するなど対立が深まっている。

 

GM、医療保険の提供を中止 2019/9/20

UAW、GMでストライキに突入 2019/9/16

UAWの元GM担当役員が汚職で有罪認める 2019/9/10

UAW元役員、FCAからの不正な金品受け取りで懲役刑 2019/8/6 

カナダのGM工場のストライキが終結 2017/10/17

カナダのGM工場でストライキ 2017/9/21


米中貿易協議、部分合意なるか?

2019年10月11日 | 経済

 ブルームバーグなど複数の米メディアは、現在おこなわれている米中貿易協議部分合意が成立する可能性があると報じている。

 現在ワシントンでは2019年10月10日(木)-11日(金)の予定で、劉鶴(リューホー)氏とライトハイザー氏、ミュニーシン氏による米中貿易協議が開催されている。

 ブルームバーグなどは、為替操作(元安誘導)の禁止、中国による農作物の購入とひきかえに、10月15日に予定されていた中国からの輸入2500億ドル(26兆円)に対する関税の25%から30%の引き上げを延期する可能性があると報じている。

 為替操作の禁止では、アメリカ・メキシコ・カナダ協定(USMCA)にある規定(チャプター33)の準用が考えられているようである

 合意の背景としては、景気が弱ぶくむなか、事前予想に反してトランプ大統領の弾劾手続きが大きな支持を受け始めていることなどが指摘されている。

  実際にどのような結果になるかは、トランプ大統領の気持ち次第。

 結果に注目したい。

PS:ブルームバーグによれば、中国は海運大手COSCOへの制裁解除も強く求めている。

2019/10/12追記

 2019年10月11日、米中貿易協議は概ね上記の内容で部分合意した。詳細は今後3-5週間かけてつめるとされている。

 

 

 

2019/08/02 米、対中関税第4弾を発表: 9月1日に33兆円分の輸入に10%の関税

2019/06/29  米中、追加関税の無期限延期などで合意

2019/06/28  中国、関税の全撤廃、ファーウェイへの規制撤廃を要求か

2019/06/19  米中首脳、G20会談で合意

2019/06/15 G20でトランプ氏と習氏の交渉なければ、25%関税発動のカウントダウンはじまる?

2019/06/05  アメリカの国別輸入額のトップはメキシコ: 6月10日から5%の関税適用

2019/05/10  アメリカ、対中関税の25%への引き上げ実施

2019/05/07  米中貿易協議で中国、先週末にこれまでの合意内容の見直しを要求

2019/05/06  中国、今週の米中協議をキャンセルか?

2019/05/06  トランプ大統領、今週金曜日に対中関税を25%に引き上げると宣言

2019/05/03   米中貿易協議、来週末までに大枠決定か?

2019/04/04 米中貿易協議、間もなく妥結か?  

2019/03/20 米中貿易協議、来週、北京で高官協議: 2つの課題 

2018/09/18 米政府、9月24日から中国からの輸入(22兆円)に10%の関税を発動 

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2018/03/03 トランプ大統領、鉄鋼の輸入に25%の関税: 日本への影響は中国より大きい 

2016/12/23 拡大するアメリカの対中貿易赤字とトランプ次期大統領 

 


米政府、ホワイトカラーエグゼンプションの収入要件を引き上げ

2019年10月10日 | 経済

 2019年9月24日、トランプ政権は2020年1月からホワイトカラーエグゼンプションを適用するのに必要な最低収入35,568ドル(375万円)に引き上げると発表した。

 アメリカの企業は、労働者が週40時間以上働いたとき通常より50%割増した賃金を払わなければならない(日本は週40時間あるいは一日8時間をこえた労働に対し25%の割増が必要。また月60時間をこえた分には50%の割増が必要)。

 労働時間にかかわらずこのような割増が不要になることをホワイトカラーエグゼンプションという(日本でも2019年4月から高度プロフェッショナル制度という名称で実施されている)。

 アメリカでは、ホワイトカラーエグゼンプションを適用するのに必要な条件が職種ごとに細かく定められている。

 たとえば管理者については、(1)二人以上の部下がいる、(2)部下の解雇権を持っている、ことなどが必要とされている

 それに加えすべての職種について最低限の賃金水準が定められている。

 この水準は2004年以来、年23,660ドル(250万円:1ドル=105円)に据え置かれてきたが、米政府はこれを2020年1月から35,568ドル(375万円)に引き上げることを決定した。

 ちなみに州によっては、独自にこれより高い収入要件を設けているところが増えている。

 たとえばカリフォルニア州はホワイトカラーエグゼンプションに必要な最低収入を49,920ドル(525万円)と定めている。

 ウォールストリートジャーナルによれば、同州はさらにこれを2023年に62,400ドル(655万円)に引き上げる予定になっている。

  

 

米政府、ホワイトカラー・エグゼンプションの収入要件を引き上げ (2016/5/18)

連邦地裁、ホワイトカラー・エグゼンプションの収入要件引き上げを差し止め (2016/11/25)