「読めない崩し字を読む方法」などと大げさなタイトルを付けたが、要するに文字以外のヒントを自分なりに見つけて解を得るということでしかない。
いつもここでやった手法が通じるとは限らない。たまたま答えが見つかることもあるということだ。
今回、試しに図像を検索してみたら、ヤフーオークションに同じような人形が出品されているのを確認した。
そして、そこでも「山」の次の文字は読めないと書いてあった。「庭の」に相当する最初の2文字については何も触れていないし、写真からどんなふうに書いてあるのかぼやけていて読み取れなかった。
とにかく大事なことは、その崩し字が、どのように崩されてしまった文字なのかどうかを探ることである。つまり、解を得た後に、その崩し方の痕跡を探ることである。
その崩し方が、標準的なものか、あまりに我流過ぎるものなのかどうかを見極めることである。
これなら読めなくて当然だと自分を納得させられれば、それでいいだろう。
ひえつき人形は、今も地元に行けば売られているのかどうか、それはわからないが、昭和30年代から40年代にかけては盛んに売られていたのではなかろうか。私の家に見捨てられてあった、このブログに掲げた写真の人形も昭和40年代くらいのものではなかろうかと思う。
今回、崩し字の勉強に使って、これが宮崎県のひえつき節に基づいて作られた図像を持つお土産人形だということが改めて分かった。
私が幼い耳で聞いた「庭のさんしゅうの〜」は、三橋美智也や美空ひばりの声なのかどうかどうかまでは覚えいない。ただ、その最初のフレーズとメロディは耳に残っている。
彼らが新鮮な勢いで活躍したのもそのころだろう。