気になる写真!

このブログはその時々の好奇心で、気になった被写体を切り取り、・・・チョットだけ考えてみようと

ポンペイ ギリシャ文明が色濃く

2022-02-13 | アート・文化

ポンペイ・・・1997年に文化遺産として登録され、正式名称は「ポンペイ・エルコラーノ及びトッレ・アヌンツィアータの遺跡地域」

近くのエルコラーノ(旧地名ヘルクラネウム)が1738年に発掘され、10年後、1748年にここポンペイが発掘されています。

ポンペイの訪問は2010年で、当時のガイドブックを参考に・・・、

ところがそれ以降、大きな発見がありました。

以前、国際共同制作のTV番組がNHKから放映されていましたので、その画像も参考に。(2019年)

ここポンペイは1950年以降、膨大な費用を要する発掘は行われていませんでした。

このTV放映では、ポンペイの遺構の劣化が進み、EUとイタリア政府が1億5000万€を拠出しポンペイを救うプロジェクトでした。

イタリア・ナポリの南東にあるこの地で、2018年から未調査部分2000㎡の木々や表土を除去することから始まりました。

TV画像から推測すると土砂を運び出したのは上の画像の右上、中心部から北東になる地域と思われます。

この木々が生い茂っている部分から北側の荒れ地を重機を入れて屋根の高さくらいまで土砂を排出。

こんな状況ですから時間と費用は・・・大変な作業です。

一部の住居を発掘、残りは2kmに渡って排水などの処理をし、勾配を付けた土手を造成します。

表層の土砂を排出し建屋を発掘するには、・・・大半の屋根が潰されているようですが・・・、

石壁は崩れていないので、パイプなどで転倒防止・補強をしながら進みます・・・トンネル工事のようでしょうか。

下に掘り進むので、仮設の階段を設置し、なるほど、今回は2区画の住居だけに発掘調査を絞り込まれるのも納得です。

発掘には専門の調査員も動員されます、・・・調査期間は9か月間とのこと。

通路は石塀が続き、これも全て転倒防止が必要で、・・・土建の話は・・・このくらいにして、

1件の住居から、すぐにフレスコ画が発見されます。

ホースを持った作業員の右ひざ、・・・ザクッ と、大量の軽石に埋まります。

ポンペイの悲劇は、この大量の軽石が1時間15cmのペースでバラバラ・・・と降り注いでこのような状態に。

このフレスコ画は、ギリシャ神話のアドニス(美少年)とTVでは説明されていました。

ゼウスも好んだ美少年は、ギリシャ神話に数多く登場しますが、アドニスと判定された根拠は何でしょう?

アドニスは出生から謎、他国の王とその娘との間に・・・ギリシャ神話らしい話ですが、女神も奪い合う美少年とのこと。

一方こちらは、絵画の技量の素晴らしさよりも題材が、当時の風習を表わしているイケニエ、

このような恐怖・不安・現実を壁面に描写して、家族や来客との話題になり得たのでしょうか

こちらは一部の人々にとっては娯楽・・・剣闘士の描写です。ガイドブックによれば

・・・このポンペイには東の外れに円形競技場があり、通常20組の剣闘士が参加し、このイベントは圧倒的な市民の支持を得ていた。

上のイラストはガイドブックに掲載のポンペイ市内西暦79年の西半分、

左の海岸方面から坂道を登り①はヴィーナス神殿(遺跡には青銅のヴィーナス像がありました)

②アポロ神殿、⑤はジュピター神殿・・・大きな広場がありました。

イラストには、右下に半円状の大劇場があり、その下側が ㉜ 剣闘士の宿舎(広い中庭があります)

続いて東側のイラストを見てみましょう。

東の外れにある円形闘技場で、残虐なイベントを終えた剣闘士たちは東西に走るメイン道路を

凱旋パレード(ピンクのライン)・・・市民の歓迎を受け㉜剣闘士の宿舎に引き揚げたという。

この様な武具が・・・既に工芸品のレベルまで達しています・・・2000年前の技術に驚きです。

ローマ帝国の支配下のポンペイ、・・・貴族・平民の間では豊かな文化に包まれていたようです。

この肖像画も今回発見されましたが、邸宅の女主人です。ヘアスタイル、ピアス、衣装・・・素敵です。

邸宅は中庭や通路、多くの部屋、装飾品はギリシャ彫刻(複製品)が人気があり、壁には壁画が・・・。

この大作、ギリシャ神話「ポセイドン」のフレスコ画も発見されました。

ここでも大量の軽石に埋ずもれて、・・・一種の乾燥剤の中に埋もれたような状態だったようです。

他にも表土を削り、排水管を埋めた土手の工事でも、好色なゼウスのギリシャ神話が描かれていました。

スパルタ王の妻・レダと白鳥

これは、右側がまだ埋もれている状況です。

この様なフレスコ画以外に、モザイク画も数多く発見されています。

床に描かれたモザイク画です。これは従来から現地で公開されています。

ファウヌスの家という紀元前に建てられた邸宅のモザイク画は、今回日本でも紹介されていますが

現場では結構大きくて、ロープ規制がありまして、斜めの画像となっています。

左側に顔だけの騎馬に乗る武将が

そして右側は敵将、

・・・こちらの床のモザイク画は、複製で本物はナポリ国立考古学博物館で修復中です。

「アレクサンドロス大王とダリウスの戦い」非常に精緻な絵画のようなモザイク画です。

この左の武将がアレキサンダー大王の肖像として有名です。

紀元前333年にペルシャ軍を破り、シリア・エジプトを征服、さらに東方に・・・インダス川まで

伝説のギリシャの英雄は、この地ポンペイでも英雄、・・・貴族の館に素晴らしい大作がありました。


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