文明化重視から文化再生へ、日本の文化の根源を支える、生業(なりわい)。その再構築にIT技術の導入を

ふゆみずたんぼで生態系保全農業。商工業はIT生産技術。出版はXMLフオーマット、フルバッチ制作で再構築を.

2番目に若い女性の減少率が高いとされた多古町では

2014-07-28 17:55:18 | 地域創生-人口減を喰いとめる総合論
 香取郡多古町は、千葉県では第2位とのことでした。こちらは成田から南の続く総武山地の中にあって、低い山々が貫き、俗にいう里山が、この町だけで100ヶ所以上あるとされています。
 その一角の里山4haが、大規模な産業廃棄物センターにされる恐れがあるということで、その反対運動に参画をして、いろいろと支援した経過があります。

 10年ほど前からですが、市道や県道から外れると、千葉県の典型的な里山です。山の天辺から見下ろすと谷筋は水田となって下流域につながり、延々と段々畑となっていて、見事でした。でも里山に入るとどこまで行ってもhじとっこ一人に出合いません。人がいませんでした。
 でもその時でも、ご案内をいただいた、すでに亡くなられていますが、Aさんからは、農業経営に関して2つの深刻な話を聞かされています。

 一つが農業用水のことで、Aさんのところは日本で唯一と言っていましたが水源を自分で管理できているとの話しでしたが
地域の方々は、用水を巨大なポンプで上げたものの水を買わされているとのことでした。

 その負担金が各農家の実収入を超えるために、地域の責任者の息子が、責任上もあってサラリーマンの収入から相当額を補てんしていると、それだけでなく耕作を放棄して離村した村内の農家の土地をまとめてボランテアとして耕作を引き受けて頑張って、国へ支払っているとのことでした。

 はじめは話が信じがたいことでしたが、さらに現場に案内されて愕然としました。
 2月の最も水の乏しい時期にかかわらず、里山からの絞り水がとうとうと流れているではありませんか。水に乏しいということもなく、県や国が推し進めて利根川の水を導水して、かつ販売するために工事と導水を押し付けられた結果だとのこと。

 工事のミスか何かで当初予算の数倍に工事コストが跳ね上がり。その義務的な負担金がのしかかってきているとのことでした。何ともならない話として今でも気になっています。

 さらに2つ目の話として、集落内での犯罪にかかわる話を、ここでも栄町でも、そのほかの村落でも親しくなると聞かされて往生しました。
 これは、昼間に野良仕事で家を空けなければならない生活であることで生じる空き巣に話です。
家に侵入されて、荒らされた話が多いのですが、10年前の話でも、その誰が犯人かは皆わかっているらしい。しかし、警察は民事不介入、そして現行犯逮捕が原則であるために、うっかり名指しして訴えたりすると、逆に脅されてしまって、ひどい場合は村八分とされる恐れがあるとのこと。最近は農業用のトラッタが丸ごと盗まれてしまうので2重3重に鍵を買って、納屋の奥に隠してあるという話などなど。

 地域での生活がいかに非条理な世界になってしまっているのかを垣間見てしまった気分です。そしてこのような場所に若い女性が愛着心をもって、地元で結婚していこうとするか。はなはだ疑問を感じていました。

 最後に産業廃棄センターができかけて、最終的には計画を中止に追い込めましたが、それは集落の中の一軒の農家の跡取りが
町を出ていくときに、さっさと所有していたかっての入会地を業者に金で売却して立ち去ったことが原因であったとのことです。
 
 

荒尾のフイールド調査は、千葉県内の里山。ここを中心に話を進めます。

2014-07-28 17:07:44 | 地域創生-人口減を喰いとめる総合論
 千葉県印旛郡栄町。日本創世会議の報告書で、千葉県内で最も若い女性の減少率がトップの街です。
現状から70%減だとされました。
 この町の専業農家の方ととても親しくしていますが、最近あった時に、この話を中心に
意見を交わしました
 本人もすでに、この意見書の内容は良く知っていて、あまり驚いた様子もなく、当然のことと理解している模様でした。

 まず、数年前に平成の大合併という機会があって、隣の本埜村も合併して消滅しています。栄町だけは隣の成田市との合併の話があったらしいのですが、大規模住宅団地やもろもろの公共工事にかかわりすぎて莫大な借金を抱え込んでしまっていて、そのためもあって、せっかくの大合併による相手にも断られたということのようです。

 水田耕作の農家が主な産業で、印旛沼の干拓で払い下げを受けた地所が、考えられないほどの高騰によって、 田んぼ1反歩が億の単位にまで値上がりをして、それでも買い手が後を絶たずだれもかれもが舞い上がってしまって、本業を放り出して不動産屋になってしまったという話でした。

 その後、バブル崩壊によって現在は一反歩50万円もいかないと。しかそのうちからも30万円ほどは自動的に印旛沼土地改良区に渡さなければならない義務があるとのことです。土地を利用して水田耕作した結果の米代金の収益からいえば、この数字が現状では本来の価格だろうということです。

 その方も400年以上も歴史のある旧家に婿入りしたことで、今までが頑張ってきたが、やはり巻き込まれて手痛い目にあったとのこと。

 さらに土地改良との関係性をいろいろとつぶさに聞かせていただきましたが、なかでも土地改良区が裁判権をもっていて、管理費等の支払いに関して村落単位で疑義を申請したが、いうことを聞き取らずに結果として却下されてしまった。との話しなど
都会と違って数百年という年月の中で培わされてきた自律的な農家の組織が、ことごとくと言っていいほど壊されてしまって、農家のかたがたは沈黙を余儀なくされているという現実でした。

地域創生-戦後70年、壮大な勘違いがはびこっていました。

2014-07-28 15:07:28 | 地域創生-人口減を喰いとめる総合論
地域創生という言葉は、戦後では最も重いしかも方向性を固めるには最適な言葉です。
一言でわかりやすい。キャッチフレーズはもっとシンプル。
何せ50年後に日本人の人口が大幅に減る。
しかもその現象は市長村レベルで、地域ごとにこれだけ違うよというを報告された。

若い女性の減少率が70%以上がいくつも。1/2以上とされた地方公共団体が多数とあって、それを読んだ地域の責任者の方々も大いに驚き、うろたえもしたようです。

 その後開催っされた全国知事会議でも、さっそく中心議題とされて、地域にとっての「死に至る病」として、改めて認知され
改めて国と一緒になって「地域創生」に取り組むそうです。

 国としても、日本国の全人口が1億人以上をしっかりと確保していきたいという明確な目標が描けるようになって、一気に地方を活性化させようという意気込みをもって、阿部内閣の重点施策にとして取り組まれることになったということ

 そのため現状で2040年換算で、子供を産める若い女性が人口比どのくらい地域ごとに生活をしてくれているのかを統計的に出してみたという話が多く、今回の試算づくりの切っ掛けになったということです。

 今まで数年間も、このblogでもカテゴリーでいえば14カテゴリでも全く足りないような多面的な意見を営々と掲載してきましたが、考えてみたら地域創生とは、若い女性が地区別に何人くらい定着してくれているかという話で、お金よりももっと大事な全てを乗り越えた価値観だと思えてなりません。
 カテゴリーを一つにまとめてみるのも、なりわい(生業)という観点と、生産に参加するというをセットすれば大事なことと考えています。
 
 戦後の日本、特に農村地域においては最も大きな出来事は農地解放であったと思っています。大地主が所有していた農地を、小作の方々に無償で引き渡されたという土地の所有権の移転の問題です。

 で、結果として現在はどうかといいますと
 江戸時代は国民の90%近くが農業関連に関わってきていました。10%とは武士、僧侶などなどとされます。90%の方々がなりわい(生業)として農業関連にかかわってきたわけです。
 それが戦前でも60%まで、昭和30年代後半からの高度経済成長前で40%以上ありました。私たちの世代は平均して2人に一人は農業の現場で、親の背中を見ながらモノ作りに携わる両親から、親の背中を見ながら、仕事の仕組みなどを原体験しながら育ってきたのだと思っています。
 ちなみに私の妻も、岩手県花巻市の農家の出です。
 でも、気が付いたら、農家は現在はたった4%を切り、さらに農業に従事する方々の平均年齢も70歳近くまでに届いてしまいました。なりわい(生業)によって何にでもモノづくりが取り組めたのが、お百姓さん。生きていくために100もの仕事を技術としてマスターしなければ一人前になれなかった農家のありよう。農業では田圃を分ける(田分け)ができないため、長男を残して自三男は都会に嫌でも出て行って、商業や工業に従事する仕組みとなっていたのが戦前までの日本のありようだと思います。
 そのなりわい(生業)の源泉であった農業技術が、国が決めた慣行農法の普及とともに実質消滅し、そこから長男までも都会に出かけてしまう仕組みが組み込まれたとも言われています。

 その過程があっての現在です。
 地方では、子供たちがほぼ全部に近く都会に出て就職を行い、しかも定年後も田舎に帰るという話もほとんど聞いたことがありません。
 地域に残った両親は、いつかは地域に戻って、後をついでくれるものと固く信じていたようですが、これこそ大いなる勘違いでした。
 そして、地域に残された方々も、今となって特に身の回りで、子供の数が決定的に少ない。
 ということは若い女性が少ないということに気が付いていますが、どうしようもないということが本当のところでしょう。

 

地域創生-若い女性が子供を育てて地域に定着できるのか?という単純明快な話から

2014-07-28 14:15:57 | 地域創生-人口減を喰いとめる総合論
 日本政府は50年後に1億人を維持することを数値目標として掲げて、
 その策として「地方創世本部」を設置することになった。
名称を「まち・ひと・しごと創世本部」とした。専任の大臣を置いて本格的に取り組んでいこうとしています

 政府としては、このような人口を数値データとして掲げていくということは画期的なことだとされています。
多分阿部総理を取り囲むブレーンが起案して、阿部総理の承諾のもと一気呵成に話を展開したものと思います。
としたら、トップダウンによる意思決定の見本みたいな話にもなります。

 そこで、このBLOGではいままで多数のカテゴリにわけて、掲載をしていましたが、これではBLOG上での起債が内容的にばらばらとなってしまって整理がつかないくらいになってしまって居ましたこともあって、自分でBlog運営を仕事として取り組んでみようと考えたのが当初。


 今回地域創生 そのためには人口減が生じないで地域創生につながるべき話に絞って、たった一つの新しいblogにて書き連ねていこうと思います。

 まず、総合的な環境を生成していくために、以下の3つの分野に話を絞ります
  1 環境政策 環境・農業・市民活動を、①農林・建築土木 ②医療・福祉 に次いで番目の環境・農業・市民活動による   「地域創生公共事業」として成立させる。

  2 農業政策としては、地域創生公共活動の一環として。
   中山間での生物多様性オフセットの具体化構想として、
   地域自立のための地産地消公共事業として、地域の方々が一緒に参画できるる工法などの導入
   冬期湛水・不耕起移植栽培農法など、の大規模な導入など

  3 地域創生を支援できる
   規制改革
   新たな雇用創生や、景観保全と、付加価値のアップなどの公共工事など
   不在地主に関すること、耕作放棄水田や里山・谷津田などの法体系の整備による資源化

 などなど
 でも、最大の課題は、若い女性が地域に定着して、安心して子供を産み育てられる地域を創世していくこと。

 話を整理するために、この10年間千葉県の里山の再生運動に参画をしてきていました。
 「里山に託す私たちの未来」というキャッチフレーズですが
 今回、この創生会議での報告書に千葉県内の深く付き合った市町村が多数掲載をされていて、内容的には納得できる部分が多く、これから連載をする、この「地域創生-人口減を喰いとめる総合論」では実際に原体験のある千葉県での里山再生の話を基盤として申し述べていきたいと思っています。


 間違いなく、今後の時間経過とともに千葉県の里山は人がいなくなり、外来種が主体で野生鳥獣がはびこる、「もののけ姫」の世界になると思っています。
 結果として、土地の価値は限りなくゼロとなり、所有権にこだわってきた農家の方々は、ある面で土地の所有権という魔物に取りつかれて、何もかもなくしてしまう結果に陥ってしまうことにならざるを得ないのかもしれません。
 とんでもない思い違いをしてきたことによって、自分だけでなく地域全体をも巻き込んでしまっているのだと実感します。
 とてもうら淋しい思いがしております。