オオハクチョウは、鳥インフルの問題で全国的に餌付けが実質的に打ち切られ結果もあって、現在渡来数が明らかに減少傾向となり(荒尾の判断)、とても不安定な状況に落ち込んできていると理解しています。
その中で新たな越冬地の形成に成功しつつある個所として千葉県だけでなく、全国的にも貴重な事例となりつつあるのがここです。
戸神川防災調節池とは、もともとUR(都市機構)が40年以上前にニュータウンを大規模に開発した、その最も古くかつ中心地であります。周辺は高層マンションが林立しています。そのような個所ですが、2つの里山の間を堤防で仕切って間にある谷津田を調整池にした箇所です。当然里山側に(堤防の対極側)は浅瀬が広がっています。今回そこにこの年月の経過でマコモの大群落が自生を始めた次第です。オオハクチョウはそれが主食の白鳥ですので、エサ資源につられて野生のまま定着がはじまったと理解しています。
印西市には本埜地区にコハクチョウが主体でハクチョウ類のネグラが形成されていますコハクチョウの主体的なエサは水田の落穂ですので、エサ資源が異なります。その点では印西市は2ヶ所にハクチョウ類のねぐらが生じていると考えられれます
柴川第一調整池(3)
今回この箇所の調査にはいくつかの複合した目的があるが、しっかりとした市民活動団体による、自立した活動として、荒尾の個人的な意見としてはこの箇所及び埼玉県の大宮以北まで継続する見沼田んぼの全域を対象とした利根川・荒川下流域での水鳥の大規模越冬地形成プラン構築及び実施への願望がある。
ご存知のごとく、蕪栗沼周辺は、伊豆沼から化女沼まで連綿とした、かっての氾濫原を水田耕作地帯にするための干拓によって、辛うじて残った3湖沼を、市民活動の大きな流れが、現在のごとく3湖のラムサール条約登録湖沼として、絶滅危惧種のガン類で或るマガンやヒシクイ、カリガネ(100羽に達する群れが観察されている)を復活させ、一度絶滅してしまったシジュウガラガン(0から何と1,000羽)ハクガン(0から120羽)まで復活させる大きな力となっている。
しかし現在、マガンがかっての5,000羽程度から何と20万羽にまで回復し、亜種ヒシクイや亜種オオヒシクイ、そしてシジュウガラカンなど、有る面では過密な状況となりつつあり、また、鳥インフル等の集団蔓延などの危険性も指摘されだしている。
本来江戸時代から昭和30年代までは、利根川や荒川の下流域こそが日本で一番の
ガンカモの越冬地であったことは知られている。
具体的なイメージとしては
いままでも利根川下流域の印旛沼周辺域を中心にしてコツコツと環境形成を友人たちと連携して進めてきているが、すでにそれなりに印西市・佐倉市・栄町の一帯に本埜地区のコハクチョウ群の形成。しっかりとしたねぐらと餌場の確保、
そして印旛沼流域での亜種ヒシクイの個体群形成も含め、千葉ニュータウン中核地の戸神川防災調節池でのオオハクチョウ個体群の形成など、拠点形成が形を成しつつあり、あらたにコリドーとして、埼玉県の芝崎第一調整池・見沼田んぼの存在と地形学的な位置付けに注目していること。
何といっても柴川第一調整池+見沼田んぼ周辺域が、第2の越冬地形成として如何なものかを考え始めているところです。
先日、見沼自然公園周辺を調査し、今回芝崎第一調整池を調査に行った次第。
感覚的には、宮城県の蕪栗沼及びその周辺域水田の構造評価で、純農村地帯にある蕪栗沼と、まさに都心部に隣接した見沼田んぼという違いはあっても、十分に生態系復活のための諸環境としては、いける!という確信を持つことができた。
意図を明確に言えば、あくまでも市民活動をベースにして、こつこつと第2の大規模越冬地形成運動として、蕪栗沼での事例をモデルとしながら、
埼玉県芝崎第一調整池・見沼田んぼ周辺+印旛沼周辺を、伊豆沼+蕪栗沼+化女沼湖沼群と対比しながら取り組んでいくことにあります。
多様なハクチョウ類+ガン類+カモ類の越冬地形成を、地域を改めて創生していくシンボルとして。もちろん対極としての猛禽るの存在をも含めてです。
今回その活動を、組織形成をしっかりと開始する準備を始めていくこととします。