ことしの冬の北陸・新潟平野では、夏のゲリラ豪雨に相似して、ゲリラ豪雪とも呼ぶべき、週刊単位の定期的な近い大雪に襲われているようです。今まで12月末から1月に生じていた豪雪が、12月初めから生じて、新潟平野の福島潟や瓢湖、そして阿賀野川下流域などで越冬していたコハクチョウの個体群が、すべてに近く海岸にある佐潟に1ヶ月以上早く集結しているそうです。その数20,000羽。最近10年ほど激増したハクチョウ類は餌付けが成されなくなったために、人が保証していた安心・安全から外れ、餌資源も自分で探すように変わってきています。
佐潟はこの地区で越冬する最後の安全網の一つです。昨日、今日の雪の量によっては、また来週の雪の量によっては、ほぼ10年ぶりの危機的な状況に陥りかねないと思っています。
千葉県下へのハクチョウ類の渡来情報 2014年12月22日正午段階の速報
(聞き取り情報)
千葉県庄和町夏目の堰 700羽を超しています(夏目の堰管理事務所)
千葉県いすみ市 100羽を超しました。(布留川さん聞き取り)
印西市本埜地区 900羽を超したようです。
上記3ヶ所でも年内にこの数字に達したのは初めてだと思います。
特に夏目の堰は、毎年1月に入ると急増する傾向にあり、本年度は1,000羽突破は時間の問題。印西市本埜地区も2005年度は最大1400羽を記録しています。その記録を突破する可能性があると思っています。
現在、この主要3ヶ所のハクチョウ類(主にコハクチョウ)は、昼間原則として1羽もいません。それぞれが餌場を求めて早朝から飛びたってしまい、午後遅く一斉に戻ってくる、つまりねぐらとなっています。餌付けには一切依存していません。その面で野生種です。特にいすみ市の個体のごとく広間の餌場では500m以内に近寄れません。警戒して飛び去ります。
現在、日本では70,000羽以上のハクチョウ類が毎年シベリア等から越冬のために飛来しています。昨今の夏のゲリラ豪雨に対して、今年の北陸・北海道での雪の降り方は波状的に又、ゲリラ豪雪のごとく急激に発生して雪を降らせる状況を見ていると、これ以上のハクチョウ類の個体数を維持していくことの困難さを感じます。
阿賀野川流域には毎年20,000羽以上が12月末ころまで滞留し、逐次南下をします。それが今年は12月初めに大豪雪で餌場を失って、主にこの幼鳥を伴う家族が関東地方に移動してくるものと考えています。
鳥インフルは菌をもって死亡したカモや鶴の事例がいくつか報告をされていますが、今年はそのような場所でも鳥類は健康な個体は何ともないようです。
問題は、幼鳥です。体力がないまま豪雪で餌が取れないと体力\が低下します。又この状態で鳥インフルに遭遇すると、それにやられる可能性があります。
新潟などから緊急避難的にやみくもに飛んできたハクチョウ類のフ幼鳥などが衰弱しきってそうならないような、体力を落とさないようにさせる方法を模索しています。
一つは餌付けではなく、この対策としての救餌だと思っています
かって、秋田県と青森県の境目で、相当数のオオハクチョウが鳥インフルでやられました。直観として、餌付け禁止の結果と思い、生息地の町を探り電話で確認しましたが、やはり鳥インフルを恐れてか、前年の11月から町内でのハクチョウ類への餌付けを実質的にやまさせたと分かりました。今まで冬に渡来して餌を貰うことが当たり前の個体群です。なぜ、餌が貰えないのか理解できないままじっと我慢して、何とか衰弱してふらふらしながら生き残ったオオハクチョウが、春の渡りで北帰してきた鴨から、鳥インフルをもらい、一気に発病したものと思います。また北海道の根室方面でも、4月に入ってオオハクチョウがやはり鳥インフルで死亡していました。ここまでたどり着いた個体もあったのだと思います。
しかし、これで北帰しても体力がなく、この秋田県境のある町の個体群は海没したと思っています。
同様なことで、本来自力では寒波や疎水の凍結などで自然のままでは越冬できない地域で、何十年も何世代にわたって餌付けによって支えられてきたオオハクチョウの個体群の多くが消滅したと思っています。
恐ろしく悲しいことでもあります。
埼玉県川口市の芝川第一調整池に2羽のコハクチョウが入りました。
昨年度も12羽が定着していたとのことです。
2011年の3,11前までは、例年20羽程度が安定的に渡来していたとのことです。地震に驚いて舞いあがり、そのまま姿を消してしまったとのこと。
2012年以降は半数に激減してしまったとのこと。
飛来しましたとの、現地を見続けておられる小野沢さまからの電話報告です。
また、千葉県香取市堀の内で、永年冬期湛水・不耕起移植栽培農法淡水を行われてきている藤崎さんの田んぼにも、改めて30羽が飛来したそうです。
今年は飛来直後から周辺でのカモの銃猟がいつになく激しく、一度飛び去ってしまいました。ここには相当数のタゲリやタシギが飛来しています。それ狙いも考えられます。
新年 開けましておめでとうございます。
なお本人はめげずに大型水鳥の保全策と、その活動と密着した関係性ある地域創生に関わる、いくつかの先端的な要素技術を整理して、普及活動に関わるつもりで事業主体を組み立てております。
まず、身近なハクチョウ類の現状をお知らせします。
現在日本には秋から春まで日本各地に飛来して越冬しているハクチョウ類(主体はオオハクチョウとコハクチョウ)だけで7万羽を超しています。
ここ10年の間に、その個体数の2/3以上の多くは「安心・安全・餌資源」を保証された餌付けから自発的か強制されてか、餌付けを脱して自立して越冬しています。
ところがこの冬は(2014-2015年)真夏のゲリラ豪雨に対比して「ゲリラ豪雪」とも呼ぶべき寒波が12月初旬から、北陸・特に新潟県の平野部が豪雪に襲われ、水田の雪、そして大寒波によって湖面が凍結して、夜間にねぐらがキツネやタヌキ等に襲われるなど、特に新潟県下のハクチョウ類が危機的状況です。いま、私は桜を守る「桜守」に類した、「白鳥守」の役割を担うつもりで頑張っていきます。
最近は特にライフワークとしての「利根川下流域に大規模な大型水鳥たちの越冬地形成」の具体化に邁進しています。
同時に1959-60年度、いまから55年前。オオハクチョウの大規模移動の調査にかかわり、20005-06年度の新潟豪雪では2回目の大移動が生じ、それから丁度10年目の今年は、夏のゲリラ豪雨についで12月初頭からゲリラ豪雪に遭遇したハクチョウ類の新潟県内から関東地方への大規模移動が発生しています。
ハクチョウ類の移動に伴て、特に幼鳥が衰弱して鳥インフルなどに冒されないよう、餌付けではなく救餌によって体力低下を防ぐなどの始末を付けられるように。
1 大型水鳥たちの現状は、危機的な状況です
現在日本には、ハクチョウ類だけで70,000羽以上が渡来越冬しています。この個体数を継続的に維持するための活動を行ってまいります。
宮城県と秋田県を加える地域では、現在マガンや亜種ヒシクイ,亜種オオヒシクイなどを加えると、最大20万羽を超える個体が渡来するまでに復活しています。
ガン類類では、日本への渡来する個体群が一度絶滅、ここ10年ほどで日本とロシアの市民活動家の活動によって、ハクガンは120羽、シジュウガラガンはこの冬とうとう4桁の1,000羽を超えました。またカリガネは100羽以上となって、初めて群れとしての行動が観察もされています。
草食性のハクチョウ類やガン類などでは現在の日本では餌資源確保は問題になっていません。課題はねぐらや夜間の照明や一部の心無い写真家などによる不注意行為の横行にあります。
「白鳥守」の立場から、第2回目のハクチョウ類の大移動警報を発令します。この12月から週間単位で波状的に続いている寒波は、2005-2006年を上回る影響を野生動物にも、特に新潟平野に定着しているハクチョウ類に危機的状況をもたらしています。
それは、白鳥の湖として知られる瓢湖周辺が最も厳しい。瓢湖周辺の個体数が激減している情報もあり、豪雪で餌場に田んぼが雪に覆われ、寒波で湖沼は凍結しキツネなど野獣に襲われる。ねぐらと餌場を同時に喪失する事態。体力のない幼鳥を伴う若夫婦がeサをねだる幼鳥たちの悲鳴に、一気にパニックになって、1家族単位でやみくもに移動を開始する。それが2005-2006年に生じたこと。今回はさらに厳しい。この年の学習経験で早々とすでに多くは関西方面に、関東方面に太平洋岸にと半々で移動を開始している。千葉県内でも記録破りの渡来数になっている。
例年これから15日までが移動が最も生じる時期。ハクチョウ類への餌付けは不可だが、体力をつけるための救餌はお互いのために必須と思う。特に関東地方では救餌を考えてほしい。特にハクチョウ類の幼鳥は皮下脂肪の薄い、3~4日の絶食で体力が致命的に低下する。ことしは鳥インフルが全国的に蔓延している。健康な渡り鳥は何ともないことが分かってきている。
今回の寒波による凍結で心配なことは、宮城県化女沼周辺に・越冬している新参のシジュウガラガンである。大豆という食材を得て順調に個体数を伸ばしてきているが、絶滅復活から日が浅く、危機対応策をマスターできているかは疑問。仮説であるが、今回化女沼周辺等の凍結で1,000羽以上のシジュウガラガンが移動する先として考えられるのは、新潟県新潟市阿賀野川河川敷が候補地の一つと思う。あるいは福島潟。先年100羽以上が越冬した箇所であるから。でも緊急避難先のレベル。しかもいずれも採餌地が雪に覆われしかも凍結している可能性が高く、定着が可能かは不明。
一説であるが多くの科学者が、今後地球は寒冷化すると発表している。地球温暖化と相反するのではなく、それが同時並行的に表現される時代。天候が極端から極端にぶれるという現象は大いにあり得る。
そろそろ宮城県伊豆沼・蕪栗沼・化女沼周辺域のガン類の今後を真剣に検討する時期に。マガンが超短時間で20万羽に達する現状から、一次関数で増加しているとしか考えられない。それこそ30万~50万羽への増加も時間の問題に。地域で支えられるには餌資源宇\や環境負荷、そして鳥インフルなどの危険性を考えると限界だと思う。
マガンは本来の日本の越冬地であった利根川下流域域に、この一部を移動分散させることも考慮すべき。シジュウガラガンで成功したがごとく、捕獲した幼鳥を選んで関東圏に運び放鳥することはいかが。候補地としては、ハクチョウ類の大量渡来越冬地である印西市の本埜地区から栄町四谷地区、九十九里方面では庄和町夏目の堰周辺、いすみ市周辺など。
餌資源は十分あり、問題はねぐらであるが、ハクチョウ類が大量渡来している箇所は、宮城県栗原市の伊豆沼もかって55年前に、全国的な白鳥調査では何も渡来していないという現地からのアンケート調査報告でした。私は福島県や北海道には複数会長さない行きましたが、宮城県にはどこにも行っていません。伊豆沼周辺では、その後ハクチョウ類の越冬個体増加とともに、その陰に隠れた形でマガンやヒシクイが増えだした事例があります。そこで利根川下流域でも伊豆沼同様にしてガン類も落ち着いて生活できるはずです。
幼鳥を選抜することは、渡りのルートを学習させること。越冬地として故郷とさせて親になったら子供を同行して飛来することを狙いとします。
日本国首相がアベノミクスと称する経済活動の活性化のアクショングラム「地方創生」の戦略目標の一つとして日本人の人口をⅠ億人死守するという国家戦略として打ち出しています。
今までにない画期的で挑戦的な戦略と評価します。しかし、日本でその目標達成には、今のままの視線では、その目標達成は限りなく困難なことと言わざるを得ません。
まず、間違っても戦前の「産めよ増やせよ」という国の兵隊欲しさの戦力強化というキャッチは通用しません。
あくまで、若い夫婦が社会に、地域に、自分たちの生活実感で、2人以上、3人以上の子供を自発的に産むという「安心、安全、そして豊かな生活」が何十年も継続していけるという背景があってこそ可能なことだと思います。
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