小さな栗の木の下で

保護犬のミニチュア・ダックスを引き取り、
小型犬との暮らしは初めて!という生活の中で、感じたことを徒然に…。

老齢性突発性前庭症候群・その2

2008-05-12 | 犬&猫との暮らし

 「老齢性突発性前庭症候群」の資料として、清美さんが送ってくれたのは、読売新聞が購読者に配布している(希望しないと届けてもらえないようです)『よみうりペット』というA4判の小冊子の記事でした。
 「犬の健康大事典」という連載ページに、「首がねじれる-末梢性と中枢性がある『捻転斜頸』」のタイトルで、ノエルの症状が解説されていました。

 「捻転斜頸」は、ある日突然、犬の首が左右どちらかの方向に傾き、ねじれていく症状で、首のねじれだけでなく、ひどくなると立っていることができず、横転したり、回転したりする。また、吐き気が激しくなると食べられなくなり、眼球が左右や上下、あるいは振り子のように揺れてしまう「眼振(眼球振盪)」という症状も現れることがある。
 「捻転斜頸」は、内耳の三半規管と蝸牛の間の「前庭部」が障害された場合に見られる症状だ。この前庭障害には、内耳の前庭部が障害されて発症する「末梢性前庭障害」と、脳幹が障害されて発症する「中枢性前庭障害」がある。

 という病状の説明があり、原因やメカニズムも解説されています。
 「末梢性前庭障害」は老齢期の犬に多いということから、13歳のノエルも「老齢性突発性前庭症候群」と診断されたのでしょう。原因は不明ですが、外耳炎や内耳炎から発症することがあり、または小さな決選が脳内の血管を詰まらせるからではないか、という説もあるそうです。
 末梢性の場合は、捻転斜頸、眼振、吐き気などの症状が突然出るのだけど、1週間から10日ぐらいで症状が治まり、回復していくことが多いといいます。ただ、首のねじれが治るのに時間がかかる場合もあるし、完全に元には戻らないこともあるそうです。

 老齢性末梢性前庭障害の場合は、命にかかわることはないようなので(まあ、高齢犬が発症するので、「ない」とは言い切れませんけど)、ひと安心。

 ですが、中枢性の場合は、何らかの脳炎が原因することが多いとされ、生命維持に不可欠な脳幹が障害されるので、命にかかわることもあるようです。
 なので、末梢性か中枢性かの診断が極めて重要ですね。眼振の動き方で障害部位を判断できる場合もあるそうだし、中枢性の場合は、MRIや脳脊髄液検査などが有効だそうです。

 治療については、末梢性前庭障害は原因不明なので、有効な治療薬はないとのこと。吐き気がひどければ制吐剤と同時に、栄養と水分補給の点滴を行うほか、横転への対処としてゲージに入れて安静にさせるなど、対処療法を中心に行うしかありません。

 老齢性突発性となれば予防は難しいけれど、可能性の軽減はできます。トチとクリは、外耳炎になりやすいので、もっとこまめに洗浄してもらうようにしなくちゃ。
 今回、清美さんに教えてもらったおかげで、もし、うちの犬たちに突発的にこういった症状が出ても、慌てずにすみそうです。「あれかも?」という余裕が持てるのと、そうでないのとでは、ずい分違うもの。今後もうちの犬たちの変化を逐一報告することにします。

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老齢性突発性前庭症候群・その1

2008-05-12 | 犬&猫との暮らし

 GWも中休みの頃、ブナの姉妹犬・ほたるの飼い主である清美さんから、メールが届きました。高齢犬の飼い主さんには、知っておくと「いざ、そのとき」に慌てずにすむ情報なので、清美さんに了解を取り、抜粋して記載します。

 【11時頃、夫と遅い夕食をとっていた時、ノエルの後ろ足が震えて、「あれ?おかしい」って思ったんです。その後、全身がブルブル震えて見るからに変でした。寝ることも出来ず、一晩中立ってるか座っている体勢で震えていました。
 ノエルは一睡も出来なかったようです。朝になって病院に電話し、開院前に連れて行きました。この時点では立つのもやっとで、すぐによろけてしまう状態。お散歩に行けると思ってか、歩こうとしてるのに、足がもつれてまっすぐ歩けませんでした。

 何とか車に乗せて病院に着くと、先生が待っていてくれて、ノエルを車から降ろすと、先生の方にヨロヨロと歩き、それを見た先生は「前庭障害」だとすぐに分かったようです。
 先生は、グルグルと右回りに歩いていると言うのです。私には闇雲にただヨタヨタ歩いているように見えたのですが、言われてみるとその通りでした。私も相当気が動転していて、半泣き状態でしたから、冷静に観察できなかったんですね。
 その時、病名も聞いて、先生の医学書も見せてもらいましたが、頭に全く入らず、後で調べて分かったのですが、「老齢性突発性前庭症候群」といい、脳の前庭部の障害で、老犬の場合は原因不明のため、有効な治療法はなく、例えば吐き気が激しければ吐き気を抑える薬を投与するといった対処療法しかないそうです。
 通常は一週間から十日で戻るそうですが、何せもう13歳だから戻らないかもしれないし、覚悟もして欲しいと言われ、もう目の前が真っ暗になりました。

 その日の夕方、先生の予告通り「捻転斜頚」と「眼振」の症状が出ました。ビクターの犬のように首が捻じれて、眼球が左右に小刻みに動く状態です。
 ほんの昨日まで健康そのもので、元気すぎて困るほどだったのに、本当に急で(この病気の特徴でもありますが)、私の頭はただただ混乱し、姿を見ているだけで涙が止まらず、「何で?」と思うばかりでした。

 次の日、ほたるを散歩に連れて行こうとしたら、ノエルが必死で立ち上がって、ヨロヨロというか、もうめちゃくちゃに歩いて玄関の方に向かったので、前日からトイレもしてないし(足に力が入らないのでトイレに連れて行っても、ただフラフラと立っているのがやっとで、出ませんでした)抱っこして外に出してやりました。
 左側の脚側歩行だから、右回りに歩いても人間の足がガードして、思ったより歩けましたし、ウンチオシッコもできて、一安心でした。】

 今、ノエルはときどきよろけるようですが、以前のように、ほたると一緒にお散歩に行っているそうです。そして、その報告とともに、「突発性前庭症候群」の資料が送られてきました。

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