GWも中休みの頃、ブナの姉妹犬・ほたるの飼い主である清美さんから、メールが届きました。高齢犬の飼い主さんには、知っておくと「いざ、そのとき」に慌てずにすむ情報なので、清美さんに了解を取り、抜粋して記載します。
【11時頃、夫と遅い夕食をとっていた時、ノエルの後ろ足が震えて、「あれ?おかしい」って思ったんです。その後、全身がブルブル震えて見るからに変でした。寝ることも出来ず、一晩中立ってるか座っている体勢で震えていました。
ノエルは一睡も出来なかったようです。朝になって病院に電話し、開院前に連れて行きました。この時点では立つのもやっとで、すぐによろけてしまう状態。お散歩に行けると思ってか、歩こうとしてるのに、足がもつれてまっすぐ歩けませんでした。
何とか車に乗せて病院に着くと、先生が待っていてくれて、ノエルを車から降ろすと、先生の方にヨロヨロと歩き、それを見た先生は「前庭障害」だとすぐに分かったようです。
先生は、グルグルと右回りに歩いていると言うのです。私には闇雲にただヨタヨタ歩いているように見えたのですが、言われてみるとその通りでした。私も相当気が動転していて、半泣き状態でしたから、冷静に観察できなかったんですね。
その時、病名も聞いて、先生の医学書も見せてもらいましたが、頭に全く入らず、後で調べて分かったのですが、「老齢性突発性前庭症候群」といい、脳の前庭部の障害で、老犬の場合は原因不明のため、有効な治療法はなく、例えば吐き気が激しければ吐き気を抑える薬を投与するといった対処療法しかないそうです。
通常は一週間から十日で戻るそうですが、何せもう13歳だから戻らないかもしれないし、覚悟もして欲しいと言われ、もう目の前が真っ暗になりました。
その日の夕方、先生の予告通り「捻転斜頚」と「眼振」の症状が出ました。ビクターの犬のように首が捻じれて、眼球が左右に小刻みに動く状態です。
ほんの昨日まで健康そのもので、元気すぎて困るほどだったのに、本当に急で(この病気の特徴でもありますが)、私の頭はただただ混乱し、姿を見ているだけで涙が止まらず、「何で?」と思うばかりでした。
次の日、ほたるを散歩に連れて行こうとしたら、ノエルが必死で立ち上がって、ヨロヨロというか、もうめちゃくちゃに歩いて玄関の方に向かったので、前日からトイレもしてないし(足に力が入らないのでトイレに連れて行っても、ただフラフラと立っているのがやっとで、出ませんでした)抱っこして外に出してやりました。
左側の脚側歩行だから、右回りに歩いても人間の足がガードして、思ったより歩けましたし、ウンチオシッコもできて、一安心でした。】
今、ノエルはときどきよろけるようですが、以前のように、ほたると一緒にお散歩に行っているそうです。そして、その報告とともに、「突発性前庭症候群」の資料が送られてきました。