土手道にいたのは「ミドリガメかも」と指摘してくれた洲澤育範さんは、山口県でシーカヤックやパドルのワークショップを開催しているのですが、文章も書く人なんですね。
かつてカヌーの専門誌で編集をしていたころ、洲澤さんの原稿を担当していたのが私でした。考え方や生き方が好きですね。彼の仕事の公式ウエブサイト「EL COYOTE」は、ブックマークに掲載させて頂いています。
で、その洲澤さんが昔のよしみで、「クサガメを喰った話」を私のブログ用に(すっご~い!)寄せてくれたので全文掲載します。
すっぽんも食べたことはありませんが、見聞きするに肉は美味しいかも…。ただ、さばくのが難儀なのではないかと…。
それも洲澤さんの寄稿「カメを噛め」で、明らかになりまする。
ナスの苗は2株植えられているのですが、花はちらほら、実はこれ1本。ちょっと淋しいけれど、これからを期待しつつ、久々に自宅作業のこの週末に、あれこれ庭の手入れをしようと思っています。
そういえば、見事な庭づくりで知られたアメリカの絵本作家、ターシャ・テューダーさんが6月中旬に92歳で亡くなりましたね。庭いじりをするときもいつも裸足だったターシャさん。思いのほか大きくしっかりとした足でした。足の裏でいつも大地の精霊を感じていたんだろうなぁ。
自然を大切にしていたターシャさんのことだから、チューブや医療器具になどにつながれることなく、静かにひっそりと召されたのではないかと想像しています。
シーカヤックビルダーにしてカヤックインストラクター、ライター、講師などなど、ありきたりの肩書きでは収まらぬ知人の洲澤さんが、こっそり教えてくれました。「顔横の赤い模様、前足の筋模様、下の甲羅の内側のダイダイ色…、あのカメは巨大化したミドリガメですよ」と。
えええっ! 私が小学生のとき、可愛がっていたミドリガメは手のひらサイズの小さな生き物だったのに、と思って調べてみたら、やっぱりどうも成長したミドリガメのようで…。ミドリガメがこんなに大きくなるとは…。
「ミドリガメはミシシッピアカミミガメの幼体で、北アメリカ南部の河川や池沼が原産地ですが、ペット用として日本にも大量に持ち込まれ、各地で野生化しています。在来のクサガメやニホンイシガメを駆逐しているといわれ、問題になっています。『赤耳』の名の通り、耳の周囲が鮮やかな赤色をしているのが特徴。成長すると甲羅の大きさは30㎝近くなります」だって。
そのうえ「不用意に飼うべきではない、そして一度飼ったら絶対に池や川へ放してはいけない動物の筆頭といえます」とも書いてある! 不用意に飼ってはいけないって? 私、安易に飼ってました。大きくなる前に死んでしまったけど…。
ミドリガメといえば、「ペットのカメが持っていたとみられるサルモネラ菌に、千葉県内の6歳と1歳の女児が今年相次いで感染し、髄膜炎や敗血症を起こして入院していたことがわかった」などというニュース報道があったことも思い出されたのでした。
ワンコたちに呑気に挨拶させている場合じゃなかったみたい。
ちなみに、洲澤さん曰く「冬眠前のクサガメは美味いです」。そうなんだぁ…。洲澤さん、どうやって食べたのだろう。やっぱり鍋かなぁ…。
迷惑そうなカメちゃん
なんと今朝もクサガメが土手道に。昨日、会った場所からは離れているような、いないような…。ケガをしているようには見えないけど、産卵? よく分らん。この辺はカラスも多いから、危ないよ、カメちゃん。
哲学するカメちゃん
クサガメの生態を調べていたら、面白いことが書いてありました。「主に水中で採食を行い、陸上では獲物を飲みこむことができる個体とできない個体がいる」
どうして、こういった差異が生じるのだろう。土手道で会ったカメちゃんは、陸上で獲物を飲み込めるのかなぁ。
「交尾後、水辺から離れた地面を掘り、日本では6~8月に、1回に4~13個の卵を1~3回に分けて産む。卵は2カ月程で孵化する。幼体は夏季から初秋にかけて地表に現れるか、孵化後もそのまま地中で越冬し、翌年の春季に地表へ現れる」 もしかしたら、本当に産卵のために、水辺から離れてやって来たのかも。時期的には産卵の時期のようだし…。
「座敷ガメとして部屋に放し飼いにするような飼育法がされることもあるが、水分不足による脱水症状、脱皮不良やそれに伴う奇形、体組織の壊死、腎機能不全等の疾患を引き起こす可能性があるため薦められない。大型化する(特に日本産)ため一般家庭で無計画に飼育を薦められる種ではない。病気の伝播や遺伝子汚染の可能性があるため、在来の個体群がいるからといって遺棄してはならない」
座敷ガメという書き方には、思わず笑っちゃいました。いいなぁ、座敷ガメ。さしずめうちには、大きな座敷犬がいるってことですね。ふふふ。
小学生のとき、クサガメやミドリガメを飼っていたことを思い出しました。少ないおこづかいをやりくりし、エサになる糸ミミズを学校帰りによく買いに行ったものです。ある日、ランドセルから飛び出している物差しに、糸ミミズが入ったビニール袋をくくりつけて走り出したら、勢いよく転び、糸ミミズがランドセルの中にまでぶちまけられたこともありました。しばらくランドセルが臭かった…。
と、思い出に浸っている私を尻目に、3頭はクサガメ特有の匂いにすっかり魅了されたのか、興味津津。クサガメは「草ガメ」と書きそうですが、本当は「臭ガメ」なんだそうです。手足の付け根から独特の匂いを出すのがその名の由来だそうで、犬たちも呼べども呼べども知らん顔で、クサガメをクンクンし尽くしておりました。
あのカメ、あれからどこに行くつもりだったんだろう。