2013年10月07日
JR田沢湖線 田沢湖駅=>神代駅
今年の6月に東北本線を南下しながら歩いたが、その後はいろいろなことがあって歩くことをしていなかった。
昨年も暑かったが、今年はさらに暑い日が続き関東や関西では猛暑日の連続新記録だった。
四国では最高気温40度の日が連続することもあった。
9月末からそろそろ歩くようにしないと身体がなまってしまうと考えて近所を散歩していた。
10月に入り暑さもかなりやわらいだこともあり、田沢湖線を秋田駅方面へ歩くことにした。
予定の10月7日は岩手県の天気予報は雨、秋田県の角館町付近は曇りのち晴れ。
念のため傘やジャンパーなど雨の対策をして出かけることにした。
田沢湖駅から角館駅間は約20キロメートルで歩く旅にはちょうどよい距離だ。
線路と国道46号線はほぼ平行して走っているので道を間違える心配はない。
今回の出発駅の田沢湖駅までは車で行くことにした。
というのも田沢湖線の普通列車があまりにも本数が少ないのだ。
雫石駅発の下り田沢湖駅方面は午前5時38分、その次が午後2時50分である。
秋田新幹線こまち号は1時間に1本のペースで運転されているが、普通列車はあまりにも冷遇されているのだ。
ではバスで行こうかと、バス時刻表を見ると・・
盛岡から田沢湖へ行くバスは運行されていないのだ。
イヤでも新幹線を使えということなのだ。
というわけで車で田沢湖駅へと向かう。
天気予報どおり岩手県側は雨模様だったが、秋田県側に入ると雨は降っていなかった。
田沢湖駅に07:45到着。
駅前の駐車場に車を停めて歩き出す。
天候は曇りでいつ雨が落ちてきてもおかしくない空模様だ。
国道46号に沿って歩けばよいので道に迷う心配はない。
角館まで19キロの表示がある。
右手に田沢湖線が見えている。
しばらくいくと角館まで17Km、盛岡から45Kmの標識がある。
ほとんどの田んぼでは稲刈りが済んでいる。
道端には色鮮やかな花が咲いている。
線路はトンネルと鉄橋で国道46号線と交差し、こんどは線路が右手に見えてきた。
さいわい雨は降らず、ときおり薄日が差してきた。
気温は少し上がって21度になった。歩いていると汗ばむ。
左手に刺巻駅が見えてきた。
田沢湖駅から約5Kmだ。08:53に刺巻駅に到着。
この国道46号線は数え切れないほど通っている。だが列車で秋田へ行くことはなかった、いつも車で出かけていたのだ。
この駅は道路沿いにあるから、駅のあることは知ってはいたが立ち寄ったことはなかった。
山小屋風のこじんまりとした駅である。待合室も山小屋を思わせる雰囲気だ。
汗をかいたので着ていた長袖シャツをディパックにしまいこむ。
待合室のベンチに座って10分ほど休む。厚めの靴下を履いてきたため右足の小指の指先が当たって痛い。
この靴を買ったのは真夏だったので薄手の靴下で試し履きをしたのだったなと思い出す。
久しぶりに長距離を歩いたので足が悲鳴を上げている。
すこし歩くテンポを落としたほうがよいだろう。
次の神代駅までは8.5キロと少々距離があるのだ。
「水ばしょう群生地」の案内板がある。
ここは過去に何度も訪れたところだ。初めて来たのは40年近く前になる、当時は駐車場も整備されていなかったが、花好きの人たちの間ではよく知られた場所だった。
角館まで13Kmの表示を過ぎる。
製材工場がある。秋田県は有数の森林地帯で「秋田杉」は特に有名だ。
この工場では材木の皮を機械で剥ぎ取ってサイズ別に積み重ねていた。
建物の中に機械があるのだが、そこから皮を剥かれた材木が出てきて太さ別に分けられているようである。
少し進むと木材会社がある。
最近の建物はコンクリートや新建材が多いが、さすが材木会社の事務所だけあって木造である。
わたしはこのような建物が趣があるので好きだ。
さらに進むと「森の駅」というのがある。たぶん材木会社が経営する施設だろう。
みると食堂があって“岩魚の塩焼き”や“みそタンポ”などがある。
平日だし昼食時間でもないので客はいないのだがおいしそうな“みそタンポ”が炭火であぶられていた。
施設内には馬やヤギが飼われている。
現在では馬を使って山から材木を運び出すということはないだろうから観光用だと思う。
ポニーサイズの馬は見た目もかわいらしい。
写真を撮っていると「おじさん、なにしているの」という感じで近くによってくる。
あまり近づきすぎて鼻だけ写ってしまった。
暑くなってきたと思ったら陽が差してきた。
なんと温度計は25度を示している。
この時期としてはかなり暑い。
紫外線対策の用意をしてこなかったので首筋と腕が日焼けしてしまう。
新型のこまち号が歩いている脇を通り過ぎていく。
「新幹線」と名前はついているが線路幅が狭軌から標準軌に変わっただけで、カーブも踏み切りも以前のままだから走る速度は従来と同じようなもんである。
300Km近くものスピードを出せるこまち号がなんだかもったいないなあと思うのだ。
コスモス畑があったので写真を撮る。
コスモスとひまわりが整然と交互に植えられている。
神代駅前のバス停。
神代駅は国道からかなり奥まったところにあった。
ここも無人駅だがプラットホームが2面ある。乗降客の多い駅なのだろう。
駅構内では作業員が線路の点検をしていた。どうやら線路幅の点検作業のようだ。
つい最近JR北海道で線路幅の点検をしていなかったために事故が起こったばかりである。
神代駅前はこんな感じだ。人気がなくて静まり返っている。