西前頭7枚目の時津海(33=時津風)が9日、現役を引退し、16代目時津風親方となった。日本相撲協会に引退届を提出し、その後の持ち回り理事会で、時津風襲名および部屋継承が承認された。同日から6代目の師匠となり、部屋消滅に危機から脱出した。けいこ後に力士が急死した事件で、同協会は5日に理事会を開き、当時の時津風親方(元小結双津竜)を解雇し、9日まで師匠不在のまま部屋が存続する特例を認めていた。
一連の力士急死事件の責任問題の結論が出た。
相撲好きの自分は、先場所前の、朝青龍の仮病疑惑、今回の力士急死事件に関し、相撲協会の対応を一通り、見てコメントしようと思っていた。
朝青龍の行動について、彼に弁明の機会を与えなかった協会は、今回も、前時津風親方の弁明も受け入れなかった。
これが、今現在の相撲協会の実情である。相撲界という閉塞的な世界においては、いままでの功績を一切認めずに、ただ、トカゲの尻尾きりのごとく、問題のある、人物を切り捨てる。
朝青龍が、これまで、どれだけ、角界のために1人横綱として頑張っていたかを、まったく考慮していない。確かに、巡業を反故にして、病気を理由にモンゴルに帰国して、ああいう行動をとったことに関しては、問題はあるだろうが、一人横綱におんぶにだっこだった協会は、もっと横綱のことを考えてやるべきではなかったのだろうか?
また、大関をはじめとする、他の力士は、もっと精進して、横綱に向かって倒すぐらいの稽古をしていたのだろうか?
ハッキリ言って、現在の大関陣は、今の地位をキープすることが精一杯で、横綱など目指せる器の力士はいない。さらに、言うなら、現在、幕内力士の約3割は、外国人力士である。結局、日本人で上位を賑わせるような器の力士はいない。
これが、相撲人気の陰りと相撲離れの原因なのである。昔、力道山が、外国人レスラーに向かっていって勝っていたのと同じように、強い日本人力士を国民は期待しているのである。
その意に反して、どの部屋も、日本人力士よりも、体格も、ガッツ(ハングリー精神)もある、外国人力士に力を注いでいる。
結局、部屋も存続のためなら、背に腹は返られないから、関取を多く抱えるために、外国人に頼ってしまう。これが、現在の相撲界の実情なのである。
これでは、有能な日本人力士は育たない。そこに持ってきて、今回の事件。余計に、入門を希望する新弟子は減っていくのは、目に浮かぶ。
自分は、今回の、力士急死事件に関しても、朝青龍の問題にしても、現在の角界における親方の制度に関して問題があると思う。
親方になるには、「年寄り株」というものが必要となるが、これは一定の取得資格さえあえば、金をつめば、取得可能なのである。よって、横綱・大関クラスのキャリアが、なくても親方にはなれるのである。
番付上位の力士が、幅を利かせるこの世界で、親方だけは、過去の番付には囚われないってのは、オモシロイ話である。
確かに、野球や、サッカーでも、選手時代はで1流であっても、監督になったらイマイチであったり、選手としたら2流ではあったが、指導者になったら1流になる人間はたくさんいる。
しかし、相撲の指導者は、野球や、サッカーの指導者と違って、その立場になるためには、カネがいるのである。素晴らしい指導者としての才能があったとしても、カネがなければ、指導者にすらなれないのである。逆に、カネさえあれば、バカでも何でも出来るのが、この相撲界の親方制度の現実である。
この「政治とカネ」ならぬ、「相撲とカネ」の問題を根底から解決し、シッカリとした指導と、開けた協会運営を行わなければ、今後、相撲界の未来は、ありえないだろう。
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