このブログでは雑誌のインタビューを要約したり
ピックアップしたりして(たまに全文掲載も)きたけど
これはー、、、と思って載せなかったインタビュー記事を
全文書いてみたいと思いまーす。
やさぐれ感がこれほど出てるのはあまりない、
たいがい、編集でどうにかされてると思うのだけれど
なんとなくこのインタビューは本物ぽいぞ、と。
ジュリーが最初の結婚したての頃。
「パリの哀愁」を撮ってたころです。
タイトルは
「人生すべて成り行きよ、あせらへん・・・」です。
___日本歌謡大賞、最初の投票では布施明くんと同票だったのに、決選投票でやぶれて、残念だったね。
J「オレの場合、一昨年もらってるし、この4年間ずっとノミネートされてるからね、まあ、
今度の「時のすぎゆくままに」は後半になってダークホース的に出てきて、久しぶりの
場外ホームランっていう感じだったんだけど、もちろんすごく惜しいとは思うよ。
でも、客観的に見て、オレのが本命にならないことはわかってたんだ。布施さんのほうが
総合的に言って、一馬身半くらいはリードしていたことは認めざるを得ないもの。
結果論になるけど、布施さんがいままで賞をとってなかったほうがおかしいんや。」
______それにしても、あれだけの接戦の末、負けたんだから悔しさもかなりのものだと思うけどね。
J「でもねえ、これがほかの人がもうひとり出てきて、三つ巴の血みどろの決選にでもなったんだったら、
もっといやだったやろね。見てるほうは面白いだろうけどさ。
だいたい賞なんていうのは、ひとりだけがだんぜんトップで走っていて、
対抗なし、穴馬なしでとるのが理想だと思うよ。その意味で、これまで文句なしに賞をとったのは
尾崎紀世彦さんの「また逢う日まで」くらいじゃないのかな。」
____ポップスは、賞の対象になりにくいということがあるんじゃない?
J「そういうことも言えるかもしれないな。いわゆるポップスというと、布施さん、オレ、そのあと
野口五郎、西城秀樹、郷ひろみと続くんだけど、なんといっても層が薄いんだよね。
これが演歌になると、三波春夫さんから細川たかしまで、入れ替わり立ちかわり、って
感じだもんね。これはまあ、日本の歌謡界の体質の問題で、急にどうするってわけにも
いかないんじゃない。吉田拓郎さんや、井上陽水さんたちみたいに
無冠の帝王でいけるんなら、それでいいんだけどさ。」
____ところで「紅白歌合戦」は、これまでにずいぶん出てるみたいな感じだけど
今度で4回目なんだってね?
J「そうなんだよ、まあ、前はグループ・サウンドが出られないってことがあったからね。
それが、今年はダウン・タウン・ブギウギ・バンドが出るわけだろ。それだけ
世の中が進歩したっていうことになるんやろけどね。」
____タイガース時代の仲間とそういう話することある?
J「いやぁ・・・。みんな、昔を振り返ってる暇なんかないもの。
会えばお互いに”よくヒネたなあ”なんて言いあうだけさ。」
____映画「パリの哀愁」の撮影のほうはどう?
J「フランス語をしゃべらなきゃならないんでね。まいってるよ。
相手役のクロディーヌ・ロージェさんがすごく親切なんで助かるけどね」
____正月には封切るという話だったんじゃない?
J「そうなんだ、だからオレは引き受けたんだよ。正月映画に出られるってことは
ひとつのメリットやからね。それがいまになって2月になるとか3月に
なるとか・・・。約束が違うと言いたいよね。
それでなくても暮れは忙しいのにさ。」
____作品そのものはどうなの?
J「それがまたひどいんだ。脚本もろくにできてないんだからね。
監督が筋書きだけを持って、その場その場で頭をかかえながら、
悪戦苦闘してるよ。結局はタレントにおんぶにだっこしてるだけのものなのさ。
それでもオレ達はプロだから、いちおう見られるような映画を作らなきゃならないらしいよ。」
____フランス・ロケはどんなぐあいだった?
J「別にどうってことないね。たださ、メシを食う時に、スタッフやなんかみんな
向こう流に前菜からデザートまで正直にもえんえん食ってるわけよ。
どうせ日本人ばっかりなんだし、日本料理屋もあるんだから、弁当とったらいいと思うのにね。
もちろん向こうじゃ、弁当のほうが高くつくけど、時間を金で買うことを考えたら安いもんやないかな」
____かなり不満があるみたいだけど、やることだけはやってるんだろ?
J「そりゃそうだよ、やる以上は自分の全部をぶつけて一生懸命やらにゃあ。
封切ってから不評につき上映打ち切りなんてことになるのはごめんやからね。
そんなことにでもなったら、それみたことか、歌だけ歌っとりゃいいのにって
またみんなに言われるもんね。」
____今年は、映画やTVドラマに出たり、フランスでレコード出したり、ずいぶん
幅広く活動したわけだけど、結果としてよかったと思う?
J「それなりの成果はあったと思ってるよ。ただ、こういうことをしてると、とにかく
小器用だとか、ナンデモ屋だとか思われるのがつらいね。
オレとしては、ほんとうの意味のエンタティナーを目指したいと思ってるんだけど・・。
賞の選考なんかになると、やっぱり歌ひとすじの人にやろうという意見が当然
出てくるんだろうなあ。」
____なぜ、そんなに賞にこだわるのかな?
J「賞の時期になって”オレはそんなものどうだっていいよ”と言える
度胸のあるやつがはたしているかね?」
____ひとつの曲がヒットするかどうかっていうのは、ある程度見通しがつくものなの?
J「ヒットの原因というのは、詩にやさしさがあるとか、いい洋服着てたとか
分析できるものじゃなくて、なんかマカ不思議な要因があるんだと思うんや。
そりゃプロだから、ある程度は見通しをつけなきゃならないんだろうけど
オレなんかは、いつもひとりで先に行きたい性格だし、なにごとも
出たとこ勝負ってもんさ。」
____仕事はおもしろい?
J「うん、いちばん面白いのはステージだな。とくに最近になって
人気がグーンとあがってきたような気がする。
何となく体でそれが感じられるのや、反応があるってのが一番うれしいね。」
____結婚してファンが減ったということはない?
J「離れていった人もあるやろけど、逆にホウってな感じでくる男性も多くなったし、
アベックできてくれる人も増えたみたいやし。」
____男は一生のうちに、学校、仕事、結婚と3つの選択のチャンスがあるというけど
あなたはその3つとももうすましたことになるよね。
J「そうかな。オレにとっては、学校も仕事も、自分で選んだんじゃなくて、
全部成り行きまかせだったと思うよ。
結婚に関しては決して成り行きじゃなかったけどね。
今の仕事だって、はじめは遊びだったのが、いつのまにかお金が入ってくるように
なってたって感じだもの。」
____でも、満足してるんだろ?
J「まあね。とにかくがんばればそれだけのものが出てくる仕事やから・・・。
決してアホではできないよ。オレが賢いというわけやあらへん。
わいはアホやないって程度や。
体はきついねぇ。でも、続かなくなったらマネージャーとけんかしても仕事を
おりればいい。からだがつぶれてもやるほど、オレはおひとよしにはなれへんよ。」
____’76年の仕事の予定はどうなってるの?
J「恒例の仕事ばっかり並んどるねぇ。正月は大阪フェスティバル・ホールと日劇の公演やろ。
春休みと夏休みはまた長い地方公演や。それに2月にはまたパリへ行ってレコーディング。
これが一番いやなんだ。向こうで売れたといったって、話に聞くだけだしね。
向こうでステージをやりたいよ。そうすれば、ほんとにオレがフランスで通用するかどうか、
はっきり答えが出るからね。
いずれにせよ、今年もまた自分なりに新しい可能性というものを追い求めて
頑張ってみようと思っているんや。幸い、体の調子もまったくいいし、乞うご期待といきたいね。」
やさぐれ感の中に情熱も夢も入ってましたね~。
これから!!花咲くジュリーの若いころのお話し。
ピックアップしたりして(たまに全文掲載も)きたけど
これはー、、、と思って載せなかったインタビュー記事を
全文書いてみたいと思いまーす。
やさぐれ感がこれほど出てるのはあまりない、
たいがい、編集でどうにかされてると思うのだけれど
なんとなくこのインタビューは本物ぽいぞ、と。
ジュリーが最初の結婚したての頃。
「パリの哀愁」を撮ってたころです。
タイトルは
「人生すべて成り行きよ、あせらへん・・・」です。
___日本歌謡大賞、最初の投票では布施明くんと同票だったのに、決選投票でやぶれて、残念だったね。
J「オレの場合、一昨年もらってるし、この4年間ずっとノミネートされてるからね、まあ、
今度の「時のすぎゆくままに」は後半になってダークホース的に出てきて、久しぶりの
場外ホームランっていう感じだったんだけど、もちろんすごく惜しいとは思うよ。
でも、客観的に見て、オレのが本命にならないことはわかってたんだ。布施さんのほうが
総合的に言って、一馬身半くらいはリードしていたことは認めざるを得ないもの。
結果論になるけど、布施さんがいままで賞をとってなかったほうがおかしいんや。」
______それにしても、あれだけの接戦の末、負けたんだから悔しさもかなりのものだと思うけどね。
J「でもねえ、これがほかの人がもうひとり出てきて、三つ巴の血みどろの決選にでもなったんだったら、
もっといやだったやろね。見てるほうは面白いだろうけどさ。
だいたい賞なんていうのは、ひとりだけがだんぜんトップで走っていて、
対抗なし、穴馬なしでとるのが理想だと思うよ。その意味で、これまで文句なしに賞をとったのは
尾崎紀世彦さんの「また逢う日まで」くらいじゃないのかな。」
____ポップスは、賞の対象になりにくいということがあるんじゃない?
J「そういうことも言えるかもしれないな。いわゆるポップスというと、布施さん、オレ、そのあと
野口五郎、西城秀樹、郷ひろみと続くんだけど、なんといっても層が薄いんだよね。
これが演歌になると、三波春夫さんから細川たかしまで、入れ替わり立ちかわり、って
感じだもんね。これはまあ、日本の歌謡界の体質の問題で、急にどうするってわけにも
いかないんじゃない。吉田拓郎さんや、井上陽水さんたちみたいに
無冠の帝王でいけるんなら、それでいいんだけどさ。」
____ところで「紅白歌合戦」は、これまでにずいぶん出てるみたいな感じだけど
今度で4回目なんだってね?
J「そうなんだよ、まあ、前はグループ・サウンドが出られないってことがあったからね。
それが、今年はダウン・タウン・ブギウギ・バンドが出るわけだろ。それだけ
世の中が進歩したっていうことになるんやろけどね。」
____タイガース時代の仲間とそういう話することある?
J「いやぁ・・・。みんな、昔を振り返ってる暇なんかないもの。
会えばお互いに”よくヒネたなあ”なんて言いあうだけさ。」
____映画「パリの哀愁」の撮影のほうはどう?
J「フランス語をしゃべらなきゃならないんでね。まいってるよ。
相手役のクロディーヌ・ロージェさんがすごく親切なんで助かるけどね」
____正月には封切るという話だったんじゃない?
J「そうなんだ、だからオレは引き受けたんだよ。正月映画に出られるってことは
ひとつのメリットやからね。それがいまになって2月になるとか3月に
なるとか・・・。約束が違うと言いたいよね。
それでなくても暮れは忙しいのにさ。」
____作品そのものはどうなの?
J「それがまたひどいんだ。脚本もろくにできてないんだからね。
監督が筋書きだけを持って、その場その場で頭をかかえながら、
悪戦苦闘してるよ。結局はタレントにおんぶにだっこしてるだけのものなのさ。
それでもオレ達はプロだから、いちおう見られるような映画を作らなきゃならないらしいよ。」
____フランス・ロケはどんなぐあいだった?
J「別にどうってことないね。たださ、メシを食う時に、スタッフやなんかみんな
向こう流に前菜からデザートまで正直にもえんえん食ってるわけよ。
どうせ日本人ばっかりなんだし、日本料理屋もあるんだから、弁当とったらいいと思うのにね。
もちろん向こうじゃ、弁当のほうが高くつくけど、時間を金で買うことを考えたら安いもんやないかな」
____かなり不満があるみたいだけど、やることだけはやってるんだろ?
J「そりゃそうだよ、やる以上は自分の全部をぶつけて一生懸命やらにゃあ。
封切ってから不評につき上映打ち切りなんてことになるのはごめんやからね。
そんなことにでもなったら、それみたことか、歌だけ歌っとりゃいいのにって
またみんなに言われるもんね。」
____今年は、映画やTVドラマに出たり、フランスでレコード出したり、ずいぶん
幅広く活動したわけだけど、結果としてよかったと思う?
J「それなりの成果はあったと思ってるよ。ただ、こういうことをしてると、とにかく
小器用だとか、ナンデモ屋だとか思われるのがつらいね。
オレとしては、ほんとうの意味のエンタティナーを目指したいと思ってるんだけど・・。
賞の選考なんかになると、やっぱり歌ひとすじの人にやろうという意見が当然
出てくるんだろうなあ。」
____なぜ、そんなに賞にこだわるのかな?
J「賞の時期になって”オレはそんなものどうだっていいよ”と言える
度胸のあるやつがはたしているかね?」
____ひとつの曲がヒットするかどうかっていうのは、ある程度見通しがつくものなの?
J「ヒットの原因というのは、詩にやさしさがあるとか、いい洋服着てたとか
分析できるものじゃなくて、なんかマカ不思議な要因があるんだと思うんや。
そりゃプロだから、ある程度は見通しをつけなきゃならないんだろうけど
オレなんかは、いつもひとりで先に行きたい性格だし、なにごとも
出たとこ勝負ってもんさ。」
____仕事はおもしろい?
J「うん、いちばん面白いのはステージだな。とくに最近になって
人気がグーンとあがってきたような気がする。
何となく体でそれが感じられるのや、反応があるってのが一番うれしいね。」
____結婚してファンが減ったということはない?
J「離れていった人もあるやろけど、逆にホウってな感じでくる男性も多くなったし、
アベックできてくれる人も増えたみたいやし。」
____男は一生のうちに、学校、仕事、結婚と3つの選択のチャンスがあるというけど
あなたはその3つとももうすましたことになるよね。
J「そうかな。オレにとっては、学校も仕事も、自分で選んだんじゃなくて、
全部成り行きまかせだったと思うよ。
結婚に関しては決して成り行きじゃなかったけどね。
今の仕事だって、はじめは遊びだったのが、いつのまにかお金が入ってくるように
なってたって感じだもの。」
____でも、満足してるんだろ?
J「まあね。とにかくがんばればそれだけのものが出てくる仕事やから・・・。
決してアホではできないよ。オレが賢いというわけやあらへん。
わいはアホやないって程度や。
体はきついねぇ。でも、続かなくなったらマネージャーとけんかしても仕事を
おりればいい。からだがつぶれてもやるほど、オレはおひとよしにはなれへんよ。」
____’76年の仕事の予定はどうなってるの?
J「恒例の仕事ばっかり並んどるねぇ。正月は大阪フェスティバル・ホールと日劇の公演やろ。
春休みと夏休みはまた長い地方公演や。それに2月にはまたパリへ行ってレコーディング。
これが一番いやなんだ。向こうで売れたといったって、話に聞くだけだしね。
向こうでステージをやりたいよ。そうすれば、ほんとにオレがフランスで通用するかどうか、
はっきり答えが出るからね。
いずれにせよ、今年もまた自分なりに新しい可能性というものを追い求めて
頑張ってみようと思っているんや。幸い、体の調子もまったくいいし、乞うご期待といきたいね。」
やさぐれ感の中に情熱も夢も入ってましたね~。
これから!!花咲くジュリーの若いころのお話し。
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