VOL2 わ・た・し流

おとぼけな私ですが 好きな本のことや 日常のなにげない事等 また 日々感じたことも書いていきます。

人生 波乱万丈

2012-03-26 14:38:51 | 日記
以前住んでいた地域のおばあちゃんMさん


 昨夜息子さんのお通夜だったのだけど

主人が仕事のために遅くなり

 駆けつけたときには 身内だけしか残っていなかった


Mさんは 私が声をかけるなり 抱きついて泣いた

 気丈な人だけど 今回ばかりは かなりこたえた

「あんたには ほんとに 世話になって・・・」あとは声にならない


 「遅くなってごめんね・・急な事で驚いた・・」

つらい再会になってしまった


 今日は告別式だけれど

息子さんを荼毘にふす時の事を思ったら

 行く勇気がでなくて 後で家をたずねる事にした


誰でも 自分の人生を思い返せば

 長編の本ができると思う


自分が主人公の ただひとつの本が・・・


 Mさんの人生は まさに 「波乱万丈」

結婚出産も ちょうど 戦争の真っただ中で


 トラック島という南方の島にいた

最初の夫は 戦死した 


 Mさんは 夫の幻が現れたので 亡くなった事を確信したのだという


半分壊れた船にのり 赤ん坊を連れて本土へ引き上げたが

 地獄とはあの船の状態だと言っていた


夫の実家へ身を寄せるも 冷遇に耐えられず

 半分精神を病んで 着の身着のまま ふらふらと家をでて

それきり戻ることはなかった


 子供は 残してきた


その後 身を落として

 先日亡くなった息子さんは 父親がだれかわからないのだという


炭焼き小屋で仕事をしていて産気づき

 道端で出産した


育てるあてもなく困っていたところに

 飲み屋のお客だった人が 自分の家で引き取ってあげると申し出た


とても良いご夫妻だった


 息子さんは そのご夫婦に大事に育てられた


Mさんは 再婚して 息子さんを引き取ったが

 夫は極道の人で  息子さんは生活のめどがたつや 家を出て

あとは 連絡もくれなくなった


 夫にさんざん泣かされたMさんだったけれど 

間にできた女の子は可愛くて、手放した2人の子供のぶんまで可愛がった



 その末っこの娘さんと 今回は一緒に暮らす事になった

90歳・・・ 新しい環境に慣れることが できるのか・・


 とても心配・・・


もともと さばさばした性格で

 ユーモアもあり  辛口なMさん


「今日会ったら もうあんたにも会えないね・・


これが今生のお別れだ」


  なんて・・・そんな事言わないで


時間をやりくりして まだ 引っ越すまえに

 片づけを手伝いに行きますよ