VOL2 わ・た・し流

おとぼけな私ですが 好きな本のことや 日常のなにげない事等 また 日々感じたことも書いていきます。

永遠の桃花通信34

2021-11-11 15:41:09 | 永遠の桃花

人間界に行く夜華の回で、面白いと思ったのは、

『十数億ある人間界において、天君が夜華に選んだ

その世は、我ら四海八荒の神仙が住む世界と異なるのは

少しだけではなかった。私たちが過ごす一日が

そこでは一年に該当した。 夜華が輪廻して 

60年の劫を受けるにあたり、本当をいうと

私たちにとって 二か月の別れでしかなかった。』

というくだり

 

十数億ある人間界 そうなんだ~~~と思いました。

 

そして、白浅は たとえ二、三か月であっても

夜華とは 離れがたかった。 彼に対する

この気持ちが いつからこうなったのかはわからない。

しかし、この気持ちを胸に抱くことが、甘く、そして

悲しく感じた。

・・・

白浅の強烈な嫉妬心が芽生える・・・

夜華に くどくどと言いつける。

「今回の人間界行き、たとえ忘川水を飲んだとしても

絶対に他の女性を娶ってはなりませんよ。」

彼は何も言わない。白浅は少し躊躇してからさらに

「私は何も心配はしていない。ただ、えっ、ただ

せっかく罰として劫を受けに転生したのに、うっかり

関係ない桃花(女性)にまとわりつかれるのは

まずいと思う。おそらく あ あなたも知ってると

思うけど、私という人は 決して道理をわきまえた

神仙ではなく、目に異物を許すほど寛容ではないのだから」

・・・彼は 私の耳にかかる髪の毛をよけ、

私の顔をさする。「今は桃花の影すらないのに

もうやきもちを焼き始めているの?」

私は 気まずく咳払いをする(中略)

彼は私の髪を整えながら笑った。

「もし 桃花に会ってしまったら どうする?」

私は 少し考えた。重い言葉を少し話す時期になった

と思い、顔をしかめて冷ややかに言った。

「もしそうなったら、私は貴方を青丘に拉致して

狐狸洞に閉じ込めてしまうわ。毎日会えるのは私だけ

 食事の時に見えるのも私だけ、本を読む時に見えるのも

私だけ。絵を描く時に見えるのも私だけ。」

 

彼の瞳が少し光り、私の前髪を手で払い 

鼻に口づけして 低い声で言う

「それならむしろ 今すぐ私を拉致していって

欲しいと思うよ」

 

八月十五日中秋節、洗梧宮に届けられた祝いの酒を

二杯ずつ飲んで、彼の送別とした。

白浅は夜華についていって そばで見守りたかったが、

夜華は同意せず青丘で待つように言った。

白浅が術を使ってしまったら、跳ね返りを受ける事を

危惧したに違いない。

それでも 白浅は 夜華に会いに行くつもりだった。

司命星君にひとつ借りを受け、転生先を教えてもらった。

 

青丘に帰る途中、折顔と白真に遭遇し、

墨淵が復活した事を知る。