転換時(セッティング)ってどんな感じにやってる?
ま、普通は弦楽器だったら文字通りリハーサルの時と
同じようにアンプやエフェクターの各設定をセッティング
し直す、と言うことだよね。
それ以上でも以下でもない。
きちんと音が出ることが確認できたら楽器のボリュームを
しぼって置いて楽屋にいったん引っ込むか、あるいは
そのまま始めるか・・・。
時間的には大体においてそれほど余裕はないかなと思うんだけど、
少し余裕があった場合にね、普通は前述したように”待機”を
するのが当たり前だと思うんだけど、たまにそうでない人も
見受けられるのが残念なときもあるんだな。
まあ、漫才とか手品でも始めれば気も利いていると言うもんだけど
そんなに芸達者な人はそう滅多にいない(笑)。
何が残念かと言うと・・・。
”音を出し始めちゃう”んだ。
それもなんか”フレーズの確認”とかしだしちゃう(笑)。
普通に”軽い練習状態”に入っちゃう人がいて、これから
本番なのにそれは随分と素人臭いなと。ま、素人ですけどね。
本当に少しはお客さんのことも考えましょうよって思う。
確かに複数バンドは出ているだろうけども、転換とはいったん
リセットされる時間だと思うのね。
ゼロから今日初めてライブが始まるものだと思っている。
そうなると、ギターの音ひとつにしてもバスドラの音にしても
まっさらな状態でお客さんに届けたいなと思ったりもする。
観ている方は「このバンドはどんな音を出すんだ?」って
転換時に前のバンドはいったん忘れてリセットされると思うんだよね。
ところが転換時にウォーミングアップもかねてドコドコバシャバシャと
長い時間ドラムを叩いたり、ギャンギャンずっとギターを弾ていたりしたら
観ている方は結構興ざめなんですけど、なぜそこに気づかない?
始まる前に手の内を明かしてどうする?って思うんだよね。
「ツインペダルなんだあ、ふ~ん」みたいな。
あのライブの始まる時の一発目の大音量が出るあの瞬間、プロの
コンサートに行ったときに味わう、あの1曲目の一発目の音、
あれも一つのクライマックスじゃない?
プロの場合はそこで初めて本人登場で、余計に盛り上がるわけだけど、
音に関しても始まる前にブーブー鳴らしてサウンドがばれちゃってる
プロなんていないでしょ?
お客さんもドキドキして待ってるわけで、確認のためにギターテックが
一瞬だけギャンと鳴らしただけで「おお~」なんて盛り上がっちゃう
わけなんだけど、これが本番前にピロピロずっと鳴っていたら本番での
感動が薄れちゃうよね。
ライブハウスでは音を出さないで本番を迎えるのは到底不可能だけど、
それでも自分は極力音を出さない。
確認のために最小限の音を出すだけ。
ドラムもバスドラの迫力ある音は極力取っておく。
出来れば一発目でビビらせたい(笑)。
昔のライブハウスではあんまり転換時にドカドカ音を出しちゃうバンドは
いなかったような気もするけど違ったのかなあ・・・。
そこまで覚えていないけど、少なくとも自分たちは誰も本番前には
たくさんの音は出さないで出し惜しみしていたと思うなあ。
1曲目が始まる前にお客さんの耳を慣れさせちゃうなんて愚の骨頂だと
思っていたからさ。
耳が鳴れていないところにいきなりでかい音でびっくりさせたいみたいな(笑)。
今はみんな正直なんだなと感じる。
普通に自分をさらけ出せると言うか、正直な自分の姿をウソ偽りなく
晒せると言うか・・・。
「これが私ですが何か?」って感じかなあ(笑)。
「ちょっと肩慣らしに音出しますけど何か問題でも?」みたいな(笑)。
それはそれで凄いなあとも思うんだけどね。
自分にはそんな自信ないや。
もちろんそのバンドの性質があるので、一概には言えないし、音を出しながら
ワイワイにぎやかに始める方が合っていると言うバンドやアーティストも
いると思うのでそれはいいんだけど、今まで意識したこともなかったなら一回
考えてみるのもいいと思う。