“ROCKIN’ BEAR” モントレイル黒姫トレイルランニングレース
と き 2015年6月27日(土)
ところ 長野県上水内郡信濃町
距離 公称36km(実距離37km) 獲得標高差1,250m
天候 雲(濃霧)、気温22度、コース状況 悪路(前日雨のため)
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(体調管理と練習)
体重65.0kg 安静時脈拍 41 体脂肪12.3%
2日前からカフェインアウト(結果:前夜、寝られた)
3日前から夜だけカーボアウト(結果:体重1kg落ちた)
2ヶ月前からトレイル練習開始。(結果:櫛形山2往復4回、800mインターバル15本5回、体幹トレ)
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(当日日程)
今回は、家族抜きでH先輩とA田さん同伴。
6:00 H邸から出発。運転が疲れると悪いというので、Hさんに運転を代わってもらい。
9:00 新潟市でA田さんをピックアップして、休憩入れて会場到着9時。受付、W-アップ
10:00 レースブリーフィングでは、実際の距離は、37キロ近くあると説明。。
10:30 スタート
13:31 ゴール
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(RACE PLAN)
ペースを一定に、じわりじわりと体脂肪を燃やして、ジワジワ順位を上げる。
(補給計画・補給食とタイミング)
・ハイポトニック650ml(随時)※1リットル用ポカリ粉末を1.5リットルで溶かした
・ウイダー180ml(スタート30分前)
・ZEN虎 3錠(スタート30分前)
・塩タブレット×1(スタート1時間後)
・ウイダー180ml(行きの激坂踏破後)
・ショッツ×1(スタート2時間後)
・ツムラ芍薬甘草湯×1(スタート2時間後)
・塩タブレット×1(スタート2時間後)
・ウイダー180ml(スタート2時間半)
・塩タブレット×1(スタート3時間後)
・メダリストを溶かした水500ml(レース後)
(装備)
・シューズ モントレイル・ログフライ
・ボトルホルダー ネイサン・エリート1(ゼリーはベルト部に養生テープで張り付け)
・時計・鈴・車のカギ
・(膝とすね毛そり)膝にニューハレ 疲労予防に。
・キャップ(ミズノ) 枝が頭に刺さるかもと説明があり。
・シャツ(アンダーアーマー) 通気性良好。
・パンツ(アシックス) ゴミはバックポケットに収納。
・靴下(ナイキ) 卸したて。
・天候曇りのため、サングラスなし。
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(RACE REPORT)
スタートの号砲前。
現在日本トップの実力を持つ上田瑠偉選手をはじめ、豪華な招待選手が最前列で記念撮影。
とても華やかな雰囲気。
「いよいよだ」という感じ。
自分は、2列目に陣取り、彼らの装備を観察していた。
トレイルの世界では「36㎞」は決して長くないが、結構、エネルギージェルをたくさん携帯していた。
自分に比べると皆、体重管理されたスマートな体型だった。
65キロの体重は完全に重量級。
10秒前からカウントダウン。スタートの合図!!
スタート・ダッシュしている選手もいるが、惑わされない。
目標は、楽しいトレイルランニング。
そんなに目くじら立てて走る必要ないでしょ。
後半で苦しまないためにも、オーバー・ペースを避けたい。
(スタートから第一エイドまでの)初めの4キロは「準備運動」と捉えていた。
先は長い。焦らない。
いや、あえて急がない。
体調を確認したり、コンディションを徐々に上げていく感覚があれば十分。
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招待選手「2」の渡辺千春選手の後ろについて、周りの様子を見る。
ここの区間はウォーミングアップだ。
落ち着いて。
最初の坂は、結構きつい上りだけれど、息を切らさず200m登って、気持ちよく200m下る。
ほとんどエネルギーを使わないまま、第一エイドを到着すると、すごい歓声。
H先輩とA田さんから熱いエールを頂戴し、深い森の山道へと入っていった。
(続く)
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天候は曇り。気温は高くなく、湿気も感じない。
携帯した水は持ちそうだった。
森林の中は、フカフカのシングルトラック。
事前の説明どおり、走りやすいセクションがおおく、スピードの強弱をつけやすい。
足が合う選手のペースに合わせて、力みなく省エネ走法で、前に進んでいく。
そのうち、スタートダッシュで疲労した選手が前から落ちてくるが、欲を張らずに一定ペースを心がける。
次第に登りがきつくなって行き、激坂区間に突入する。
「不要不急なダッシュは絶対しない」
階段では積極的に歩く。
階段を歩く練習は、十分やったつもり。
膝に手を置いて、一歩一歩を確実に、フォームを忠実に守って上る。
頂上にたどり着く前には、前の3選手に追いついていた。
-----------------------------------------------------------------
5キロ以上はあっただろうか?
激坂を上った後には、延々と続く下りの林道が待ち構えていた。
「歩く筋肉」は疲労したけれど、「走る筋肉」はまだフレッシュな状態。
鼻歌を歌う余裕があるほど、快調に走ることができていた。
そんなに速いペースではないけれど、疾走できている。(あくまで自分のレベルですが)
ジワリジワリ体脂肪を燃やして、一定ペースで。
何度も言い聞かせて。
山に溶けて、風に溶けて、飛んでる感覚。
緑の景色が自分の後ろに跳んでいく。
いい感じ。
エネルギーが切れる前に、計画どおり補給。
数人を追い抜いて、気分は上々。
全てが順調。
そのはずだった。
ここまでは。
(続く)
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下り基調の林道が終わりを迎えようとしていた。
その時だ。
なんと、行き先がない。
車両通行止めのバリケード・テープが張られ、走路が完全に塞がれている。
先を行っていた2人が立ち往生し、途方に暮れて右往左往していた。
「コースをロストしたようだ」と話しかけてきた。
・・・うっ、うそでしょ?!
何十秒後かに、また一人、後ろから合流する。
ここまできてコースアウトで棄権に・・?
絶望感が漂い始める。
ただ、4人が4人とも「⇒」を見失うはずがないので、これまで来た道は間違いないはず。
それが、私の判断だった。
「失格覚悟で、一か八か、バリケードの先を行ってみましょう!!」と、皆でテープの先を行くことに。
しばらく行くとスタッフが居て、コースミスはしていないことを確認。
どのくらいタイムをロスしたか?は、わからないけれど、
失格になる可能性が排除できて、4人とも安堵の表情に。
マジ焦ったわー。絶対絶命でした。
少しだけ、和やかなムードが流れた。
4人が一団となり協調して走っていたが、
「待てよ。あくまで、これはレースだぞ・」
自分が率先して「こっから先は、勝負に徹しましょう!!」と3人を鼓舞したら、速い人が一人、ピューと先に行ってしまった。
あれまー。。かっこつけて、言わなきゃよかったワ・。
計画通りに、ボトルのスポドリを飲みきって、ようやく(最初で)最後のエイドに到着。(第1エイドは寄らなかったので)
その前に、補給に備えて、ボトルの中は空にしておいた。
さあ、ここで予定通りに補給だ。
「スポドリくださーい。」とスタッフに元気よく伝えたら、返ってきた答えはNO.
えっ?!
「ボトル補給は水しかやれない」と。
うっ、うそでしょ。聞いてないよ。頭真っ白。補給計画ボツ。
「塩だけは・・」
とっさの判断で塩タブレットを2粒いただき。ボトルに真水だけは入れてもらう。(うーん。そこのところ、事前説明なかったよね?)
集中力が途切れかけたけれど、気を取り直して、痙攣予防にと携帯した「芍薬甘草湯」を流し込み、前の選手を追いかける。
トレイルランナーとはいっても、ロード10キロ31、2分のスピードのある選手がザラにいるんだろう。
途中で、その選手を完全に見失ってしまい、走力の差を見せつけられる。
「もともと持っている才能が違うんだわ」と開き直り、マイペースに徹する。
急激に沢に降りる箇所。
九十九折になって非常に危険な場所に到着。
ここで、滑って転んで2回ほど滑落しかけたけれど、なんとか耐えしのぐ。
急勾配の下りの丘を尻餅つきながら、駆け下りたあと、、
突然それは起きた。
ついに(想定内の)最悪の事態!!!!!!!
(続く)
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起きてしまった最悪の事態。
ふくらはぎの痙攣が発生したかと思いきや、激痛に耐えきれず立ち止まってしまう。
走行不能って、やつだよな?
気持ちは慌てている反面、客観的に見れてる自分が居て、頭の中は割と冷静。
両側のふくらはぎが、針で刺されたような痛みが断続して起きている。
私の経験上、この後、復活できたレースは一度もなかった。
症状が治まるまで、しばらく歩いてみるけれど、なかなか大人しくならない。
そのうち、ゼッケン「3」HOKA所属の招待選手に抜かれてしまう。
悔しいけど、ムキになって追ったりしない。まあ、どーせ、走れない訳だし。
「そうだ、塩だ。きっと、まだまだ塩が足りないんだ。」
エイドで、もう一つ塩タブレットをもらったことを思い出し、噛み砕いた後で、一気に胃袋に流し込む。
10分後に、少しずつ痙攣が収まりだし、20分後に回復。
ここからが終盤。
最も重要なポイントに位置付けていたセクションだ。
いけるか?
結果から言うと、この先の大事な区間で、まさか、まさかのロング・スパートがキマるとは思いもしなかった。。
奇跡だった。
--------------------------------------------------------------------
最後の最後は、下り基調のフカフカ山道。
接地感、着地感が、心地よく、野鳥のさえずりや沢の水の流れる音が森林にこだましていた。
霧かかった深い森林の道を駆け抜けていると、ますます集中力が高まってくる。
いま、非日常の世界にいる。
出てよかったこの大会。
楽しかったな。
足の負担も少ないし、痙攣は再発せずに、(「3」の選手には追いつかないまでも、)このまま走ってゴールまでイケルと確信。
やったー^^気持ちよくゴールできる。
頭の中では、すでにカッコよくフィニッシュを決めていた。
(続く)
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余裕のフィニッシュとなった??
いやいや、人生そんなにうまくいかない。いった試しがない。
後ろから、1人の後続ランナーの足音がどんどん近づいてきた。
のこり3キロの看板。
とうとう、クライマックスだ。がんばってここまで来たんだ。
誇らしい気持ち。
いや、違う。
すこし、ムキになってきた。
ここまで頑張って来て、抜かれたくないと思い始める。
ギアを上げて、スピードアップした。
大会前に何度もスピード練習もやってきた。
自信があった。
残り2キロの看板。
選手が背後に、まだ付いてくる。
抜かれたくない気持ちがますます大きくなり。
ムキになりスピード・アアップ!!
自称キロ3分30秒くらいまで上がる。
足は万全ではないけれど、呼吸だけは、余裕があった。
残り1キロの看板。
まだまだ付いてくる。
どうしても抜かれなくない。
さらにスピード・アアアップ!!!
自称キロ3分20秒でダッシュだ!!!!。
逃げ切った。
そして感激のフィニッシュへ。
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自分のレースを出し切った。走り切った。押し切った。
最悪の状況でもあきらめなかった。不運も幸運なこともあった。
観衆の集まる大音量のBGMの流れるFinishゲートを潜り抜けられて、最高に爽快な気分を味わった。
10年に1度の衝撃的爽快感・達成感。
30歳代4位。入賞まで33秒。
入賞はかなわなかったけれど、それ以上に実のある豊作レースでした^^
反省あれど、悔いなし。
これで、今年の山レースはおしまい。
また次の山シーズンを楽しみに待ちたい。
(結果)ロング36km 3時間31分10秒 総合11位 出走数577名/完走者558名/完走率96.7%
次のメイン・レースは、7月温海鼠ヶ関(海レース)、9月村上笹川流れ(海レース)
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(自分の中で)動作規則と確認事項
ウォームアップは、走りすぎず、ほどほどに、スキルの確認程度で。
ふくらはぎの痙攣とハムストリングの攣りは別物?筋痙攣の原因は、血中の電解質濃度の低下。早め早めの電解質の補給が必要。「突発的な攣り」の原因は、鍛練不足。鍛えるしかないが、「持続的な痙攣」は適格な給水と補給で、予防できる。
ペースは一定に。カロリー消費を抑えるため、不要不急なジャンプやダッシュは行わない。ジワリジワリ体脂肪を燃やして、ジワジワ順位を上げていく。スタート後3kmは準備運動。
根や石など凸凹を最大限利用して、地面を蹴る。スタート・ブロックの代わりになる上、ゲーム性があり集中力を高める。
登りは、膝を出来るだけ曲げないように。特に、段差のある階段を登るときは、両腕を膝に当てて、膝を曲げないように。
下りは、下る角度に応じて、腰を低くして、膝を曲げて。臨機応変に気持ちよく。
下りは、下る角度に応じて、上半身を前傾に、肩の力を抜いて。腹筋と背筋を稼働して体幹の姿勢を維持。
歩く筋肉と走る筋肉は異なる。上手に使い分けて、一方を途中で使い切らないこと。
視線の先は、下だけを見ないで、前もみて、前だけを見ないで、下も見る。
常に体の変調に敏感になる。体は消耗品なので、できるだけダメージを回避する。アスファルト上は優しく着地。
天候と起伏、路面状況に応じて、足の置き場を判断。水たまり、ぬかるみ、泥の上は危険。シューズも重くなる。
鈴をつけると前の人を抜くときに、気づいてくれて道を空けてくれる。
肘は直角に、腕ふりは、縦に振らずに、横に振る。(のぼり、平地)
静的ストレッチは、筋肉バネを壊すので、準備運動は「動的ストレッチ」のみ。
のぼりと平地は、小指球で着地、拇指球で蹴る。下りは、足裏全面で着地。
速い人に抜かれても、無理に追いつこうとせず、ムキにならず、出来るだけ離されないようにマイペースで。
遅い人を抜いても、無理に差を広げようとせずに、欲張らずにマイペースで。
靴ひもは、一番上の段まで締め上げる。つま先の保護と小石の入り込み防止のため。
エイドステーションで、スポーツドリンクをもらえない場合があるので注意(笑
<了>
と き 2015年6月27日(土)
ところ 長野県上水内郡信濃町
距離 公称36km(実距離37km) 獲得標高差1,250m
天候 雲(濃霧)、気温22度、コース状況 悪路(前日雨のため)
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(体調管理と練習)
体重65.0kg 安静時脈拍 41 体脂肪12.3%
2日前からカフェインアウト(結果:前夜、寝られた)
3日前から夜だけカーボアウト(結果:体重1kg落ちた)
2ヶ月前からトレイル練習開始。(結果:櫛形山2往復4回、800mインターバル15本5回、体幹トレ)
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(当日日程)
今回は、家族抜きでH先輩とA田さん同伴。
6:00 H邸から出発。運転が疲れると悪いというので、Hさんに運転を代わってもらい。
9:00 新潟市でA田さんをピックアップして、休憩入れて会場到着9時。受付、W-アップ
10:00 レースブリーフィングでは、実際の距離は、37キロ近くあると説明。。
10:30 スタート
13:31 ゴール
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(RACE PLAN)
ペースを一定に、じわりじわりと体脂肪を燃やして、ジワジワ順位を上げる。
(補給計画・補給食とタイミング)
・ハイポトニック650ml(随時)※1リットル用ポカリ粉末を1.5リットルで溶かした
・ウイダー180ml(スタート30分前)
・ZEN虎 3錠(スタート30分前)
・塩タブレット×1(スタート1時間後)
・ウイダー180ml(行きの激坂踏破後)
・ショッツ×1(スタート2時間後)
・ツムラ芍薬甘草湯×1(スタート2時間後)
・塩タブレット×1(スタート2時間後)
・ウイダー180ml(スタート2時間半)
・塩タブレット×1(スタート3時間後)
・メダリストを溶かした水500ml(レース後)
(装備)
・シューズ モントレイル・ログフライ
・ボトルホルダー ネイサン・エリート1(ゼリーはベルト部に養生テープで張り付け)
・時計・鈴・車のカギ
・(膝とすね毛そり)膝にニューハレ 疲労予防に。
・キャップ(ミズノ) 枝が頭に刺さるかもと説明があり。
・シャツ(アンダーアーマー) 通気性良好。
・パンツ(アシックス) ゴミはバックポケットに収納。
・靴下(ナイキ) 卸したて。
・天候曇りのため、サングラスなし。
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(RACE REPORT)
スタートの号砲前。
現在日本トップの実力を持つ上田瑠偉選手をはじめ、豪華な招待選手が最前列で記念撮影。
とても華やかな雰囲気。
「いよいよだ」という感じ。
自分は、2列目に陣取り、彼らの装備を観察していた。
トレイルの世界では「36㎞」は決して長くないが、結構、エネルギージェルをたくさん携帯していた。
自分に比べると皆、体重管理されたスマートな体型だった。
65キロの体重は完全に重量級。
10秒前からカウントダウン。スタートの合図!!
スタート・ダッシュしている選手もいるが、惑わされない。
目標は、楽しいトレイルランニング。
そんなに目くじら立てて走る必要ないでしょ。
後半で苦しまないためにも、オーバー・ペースを避けたい。
(スタートから第一エイドまでの)初めの4キロは「準備運動」と捉えていた。
先は長い。焦らない。
いや、あえて急がない。
体調を確認したり、コンディションを徐々に上げていく感覚があれば十分。
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招待選手「2」の渡辺千春選手の後ろについて、周りの様子を見る。
ここの区間はウォーミングアップだ。
落ち着いて。
最初の坂は、結構きつい上りだけれど、息を切らさず200m登って、気持ちよく200m下る。
ほとんどエネルギーを使わないまま、第一エイドを到着すると、すごい歓声。
H先輩とA田さんから熱いエールを頂戴し、深い森の山道へと入っていった。
(続く)
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天候は曇り。気温は高くなく、湿気も感じない。
携帯した水は持ちそうだった。
森林の中は、フカフカのシングルトラック。
事前の説明どおり、走りやすいセクションがおおく、スピードの強弱をつけやすい。
足が合う選手のペースに合わせて、力みなく省エネ走法で、前に進んでいく。
そのうち、スタートダッシュで疲労した選手が前から落ちてくるが、欲を張らずに一定ペースを心がける。
次第に登りがきつくなって行き、激坂区間に突入する。
「不要不急なダッシュは絶対しない」
階段では積極的に歩く。
階段を歩く練習は、十分やったつもり。
膝に手を置いて、一歩一歩を確実に、フォームを忠実に守って上る。
頂上にたどり着く前には、前の3選手に追いついていた。
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5キロ以上はあっただろうか?
激坂を上った後には、延々と続く下りの林道が待ち構えていた。
「歩く筋肉」は疲労したけれど、「走る筋肉」はまだフレッシュな状態。
鼻歌を歌う余裕があるほど、快調に走ることができていた。
そんなに速いペースではないけれど、疾走できている。(あくまで自分のレベルですが)
ジワリジワリ体脂肪を燃やして、一定ペースで。
何度も言い聞かせて。
山に溶けて、風に溶けて、飛んでる感覚。
緑の景色が自分の後ろに跳んでいく。
いい感じ。
エネルギーが切れる前に、計画どおり補給。
数人を追い抜いて、気分は上々。
全てが順調。
そのはずだった。
ここまでは。
(続く)
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下り基調の林道が終わりを迎えようとしていた。
その時だ。
なんと、行き先がない。
車両通行止めのバリケード・テープが張られ、走路が完全に塞がれている。
先を行っていた2人が立ち往生し、途方に暮れて右往左往していた。
「コースをロストしたようだ」と話しかけてきた。
・・・うっ、うそでしょ?!
何十秒後かに、また一人、後ろから合流する。
ここまできてコースアウトで棄権に・・?
絶望感が漂い始める。
ただ、4人が4人とも「⇒」を見失うはずがないので、これまで来た道は間違いないはず。
それが、私の判断だった。
「失格覚悟で、一か八か、バリケードの先を行ってみましょう!!」と、皆でテープの先を行くことに。
しばらく行くとスタッフが居て、コースミスはしていないことを確認。
どのくらいタイムをロスしたか?は、わからないけれど、
失格になる可能性が排除できて、4人とも安堵の表情に。
マジ焦ったわー。絶対絶命でした。
少しだけ、和やかなムードが流れた。
4人が一団となり協調して走っていたが、
「待てよ。あくまで、これはレースだぞ・」
自分が率先して「こっから先は、勝負に徹しましょう!!」と3人を鼓舞したら、速い人が一人、ピューと先に行ってしまった。
あれまー。。かっこつけて、言わなきゃよかったワ・。
計画通りに、ボトルのスポドリを飲みきって、ようやく(最初で)最後のエイドに到着。(第1エイドは寄らなかったので)
その前に、補給に備えて、ボトルの中は空にしておいた。
さあ、ここで予定通りに補給だ。
「スポドリくださーい。」とスタッフに元気よく伝えたら、返ってきた答えはNO.
えっ?!
「ボトル補給は水しかやれない」と。
うっ、うそでしょ。聞いてないよ。頭真っ白。補給計画ボツ。
「塩だけは・・」
とっさの判断で塩タブレットを2粒いただき。ボトルに真水だけは入れてもらう。(うーん。そこのところ、事前説明なかったよね?)
集中力が途切れかけたけれど、気を取り直して、痙攣予防にと携帯した「芍薬甘草湯」を流し込み、前の選手を追いかける。
トレイルランナーとはいっても、ロード10キロ31、2分のスピードのある選手がザラにいるんだろう。
途中で、その選手を完全に見失ってしまい、走力の差を見せつけられる。
「もともと持っている才能が違うんだわ」と開き直り、マイペースに徹する。
急激に沢に降りる箇所。
九十九折になって非常に危険な場所に到着。
ここで、滑って転んで2回ほど滑落しかけたけれど、なんとか耐えしのぐ。
急勾配の下りの丘を尻餅つきながら、駆け下りたあと、、
突然それは起きた。
ついに(想定内の)最悪の事態!!!!!!!
(続く)
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起きてしまった最悪の事態。
ふくらはぎの痙攣が発生したかと思いきや、激痛に耐えきれず立ち止まってしまう。
走行不能って、やつだよな?
気持ちは慌てている反面、客観的に見れてる自分が居て、頭の中は割と冷静。
両側のふくらはぎが、針で刺されたような痛みが断続して起きている。
私の経験上、この後、復活できたレースは一度もなかった。
症状が治まるまで、しばらく歩いてみるけれど、なかなか大人しくならない。
そのうち、ゼッケン「3」HOKA所属の招待選手に抜かれてしまう。
悔しいけど、ムキになって追ったりしない。まあ、どーせ、走れない訳だし。
「そうだ、塩だ。きっと、まだまだ塩が足りないんだ。」
エイドで、もう一つ塩タブレットをもらったことを思い出し、噛み砕いた後で、一気に胃袋に流し込む。
10分後に、少しずつ痙攣が収まりだし、20分後に回復。
ここからが終盤。
最も重要なポイントに位置付けていたセクションだ。
いけるか?
結果から言うと、この先の大事な区間で、まさか、まさかのロング・スパートがキマるとは思いもしなかった。。
奇跡だった。
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最後の最後は、下り基調のフカフカ山道。
接地感、着地感が、心地よく、野鳥のさえずりや沢の水の流れる音が森林にこだましていた。
霧かかった深い森林の道を駆け抜けていると、ますます集中力が高まってくる。
いま、非日常の世界にいる。
出てよかったこの大会。
楽しかったな。
足の負担も少ないし、痙攣は再発せずに、(「3」の選手には追いつかないまでも、)このまま走ってゴールまでイケルと確信。
やったー^^気持ちよくゴールできる。
頭の中では、すでにカッコよくフィニッシュを決めていた。
(続く)
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余裕のフィニッシュとなった??
いやいや、人生そんなにうまくいかない。いった試しがない。
後ろから、1人の後続ランナーの足音がどんどん近づいてきた。
のこり3キロの看板。
とうとう、クライマックスだ。がんばってここまで来たんだ。
誇らしい気持ち。
いや、違う。
すこし、ムキになってきた。
ここまで頑張って来て、抜かれたくないと思い始める。
ギアを上げて、スピードアップした。
大会前に何度もスピード練習もやってきた。
自信があった。
残り2キロの看板。
選手が背後に、まだ付いてくる。
抜かれたくない気持ちがますます大きくなり。
ムキになりスピード・アアップ!!
自称キロ3分30秒くらいまで上がる。
足は万全ではないけれど、呼吸だけは、余裕があった。
残り1キロの看板。
まだまだ付いてくる。
どうしても抜かれなくない。
さらにスピード・アアアップ!!!
自称キロ3分20秒でダッシュだ!!!!。
逃げ切った。
そして感激のフィニッシュへ。
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自分のレースを出し切った。走り切った。押し切った。
最悪の状況でもあきらめなかった。不運も幸運なこともあった。
観衆の集まる大音量のBGMの流れるFinishゲートを潜り抜けられて、最高に爽快な気分を味わった。
10年に1度の衝撃的爽快感・達成感。
30歳代4位。入賞まで33秒。
入賞はかなわなかったけれど、それ以上に実のある豊作レースでした^^
反省あれど、悔いなし。
これで、今年の山レースはおしまい。
また次の山シーズンを楽しみに待ちたい。
(結果)ロング36km 3時間31分10秒 総合11位 出走数577名/完走者558名/完走率96.7%
次のメイン・レースは、7月温海鼠ヶ関(海レース)、9月村上笹川流れ(海レース)
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(自分の中で)動作規則と確認事項
ウォームアップは、走りすぎず、ほどほどに、スキルの確認程度で。
ふくらはぎの痙攣とハムストリングの攣りは別物?筋痙攣の原因は、血中の電解質濃度の低下。早め早めの電解質の補給が必要。「突発的な攣り」の原因は、鍛練不足。鍛えるしかないが、「持続的な痙攣」は適格な給水と補給で、予防できる。
ペースは一定に。カロリー消費を抑えるため、不要不急なジャンプやダッシュは行わない。ジワリジワリ体脂肪を燃やして、ジワジワ順位を上げていく。スタート後3kmは準備運動。
根や石など凸凹を最大限利用して、地面を蹴る。スタート・ブロックの代わりになる上、ゲーム性があり集中力を高める。
登りは、膝を出来るだけ曲げないように。特に、段差のある階段を登るときは、両腕を膝に当てて、膝を曲げないように。
下りは、下る角度に応じて、腰を低くして、膝を曲げて。臨機応変に気持ちよく。
下りは、下る角度に応じて、上半身を前傾に、肩の力を抜いて。腹筋と背筋を稼働して体幹の姿勢を維持。
歩く筋肉と走る筋肉は異なる。上手に使い分けて、一方を途中で使い切らないこと。
視線の先は、下だけを見ないで、前もみて、前だけを見ないで、下も見る。
常に体の変調に敏感になる。体は消耗品なので、できるだけダメージを回避する。アスファルト上は優しく着地。
天候と起伏、路面状況に応じて、足の置き場を判断。水たまり、ぬかるみ、泥の上は危険。シューズも重くなる。
鈴をつけると前の人を抜くときに、気づいてくれて道を空けてくれる。
肘は直角に、腕ふりは、縦に振らずに、横に振る。(のぼり、平地)
静的ストレッチは、筋肉バネを壊すので、準備運動は「動的ストレッチ」のみ。
のぼりと平地は、小指球で着地、拇指球で蹴る。下りは、足裏全面で着地。
速い人に抜かれても、無理に追いつこうとせず、ムキにならず、出来るだけ離されないようにマイペースで。
遅い人を抜いても、無理に差を広げようとせずに、欲張らずにマイペースで。
靴ひもは、一番上の段まで締め上げる。つま先の保護と小石の入り込み防止のため。
エイドステーションで、スポーツドリンクをもらえない場合があるので注意(笑
<了>