歌人 鈴鹿俊子さん 96歳
鈴鹿俊子さん=歌人鈴鹿俊子さん(すずか・としこ、本名・川田俊子=かわだ・としこ=歌人)20日、老衰で死去。96歳。
京大教授夫人だったが1949年に歌の師、故川田順氏と再婚。“老いらくの恋”と騒がれ、辻井喬氏の小説「虹の岬」(谷崎賞)のモデルになった。
春闌(た)けてみやまは牡丹の花崩る
骨(こつ)もちし身のとまどふばかり 鈴鹿俊子
【近況・心境】
(西近江・高島辺り)
琵琶湖・西近江を旅すると何故か猫に出合う。
束の間の旅人の心を知ってか知らねか、付き合ってくれるから不思議だ。
おーい。キミもひとりかいい。
ボクもひとり。
ボクはキミを知らない。
キミもボクを知らない。
(奥琵琶湖・海津大崎)
特に猫が好きという訳ではない。別に嫌いでもない。
ネコちゃん曰く。
「ボクは別に旅人さんが好きではないよ。ポーズをサービスしたまで」。
そんな声が聴こえてきた。
外にいるネコって、あまり人に媚びないし、何処か飄々としたところが
ある。私はその辺り(行動傾向)が好きだ。
昨年、あるお家へ家庭訪問をした。
その家の奥様の後からネコちゃんがついてきた。お家に上がらせて頂くと、このネコちゃんが私の足元に擦り寄ってきた。
奥さん曰く「このコは知らない人の傍には滅多に行かないのに?!」と不思議がっておられた。
やはり相性がいいのだろうか?
少年の頃から生き物を飼うのは好きだった。
今のようにお座敷で飼う所謂ペットとは違う。
子猫や子犬をどれだけ拾ってきたか分からない。
母に叱られて、再び捨てに行く少年の心の悲しさ・・・。
閑話休題
亡き弟が生前は猫を可愛がっていた。
弟宅は京都なので頻繁に訪ねたことはなかった。
たまに行っても、ネコちゃんは2階にある弟の書斎にいて(来客時のみかも知れないが、その辺りは定かではない)見たことは1、2度だと思う。
弟が急逝して、1周忌法要に弟宅へ行ったときのことである。
1階のリビングに入ると、件のネコちゃんが走り寄って来た。私の足元にくっついて暫く匂いを嗅ぐような仕草をしたが、すぐにパッと離れて部屋の外へ。
弟の奥さんは「きっと穂積(弟の名前)さんかと思ったのでは」と。
私と弟は顔立ちも体形も、そして声も似ていた。
ネコちゃんは、弟が帰らぬ人となったことは分からなくて、いつも、いつも弟の帰宅を待っていたのだろう。
突然入ってきた私を見て「久しぶりに帰って来た」と思ったに違いない。
私は思わず瞼が熱くなった。
実はそれ以来、猫を見ると弟の愛猫のことを想う。
昨年暮れ、少し早めの3回忌法要にも弟宅を訪れたが、この日はもうネコちゃんは出てこなかった。
弟の奥さんとは時折電話などをするが、私はもうネコちゃんのことは何も聞かないことにしている。弟のことが想い出されて涙が溢れてくるから・・・。
いつだったか知人が私との会話の中で「やるせないですね。」と言った。
本当にそうである。
身近な人を喪うことは本当に「遣る瀬無い」悲しみである。
恥ずかしながら私もカウンセラーの端くれ。嘗て何度か「悲嘆カウンセリング」(grief counseling)についての講義や研修をさせて頂いたこともある。
また、喪失の悲しみにある人にカウンセリングをし、或いは慰める立場には身をおくことは出来る。
しかし、自分の悲しみは未だ胸中にある。誰にも開示しないでいる。「紺屋の白袴」、「医者の不養生」の類かも知れないが。
いつか、誰かに話したい。聴いてもらいたいと思う。
今日は殊の外冷え込む1日であった。外は粉雪が舞っている。
今宵はこれで。皆さまカゼなど召されませぬように。
(西近江・高島辺り)
琵琶湖・西近江を旅すると何故か猫に出合う。
束の間の旅人の心を知ってか知らねか、付き合ってくれるから不思議だ。
おーい。キミもひとりかいい。
ボクもひとり。
ボクはキミを知らない。
キミもボクを知らない。
(奥琵琶湖・海津大崎)
特に猫が好きという訳ではない。別に嫌いでもない。
ネコちゃん曰く。
「ボクは別に旅人さんが好きではないよ。ポーズをサービスしたまで」。
そんな声が聴こえてきた。
外にいるネコって、あまり人に媚びないし、何処か飄々としたところが
ある。私はその辺り(行動傾向)が好きだ。
昨年、あるお家へ家庭訪問をした。
その家の奥様の後からネコちゃんがついてきた。お家に上がらせて頂くと、このネコちゃんが私の足元に擦り寄ってきた。
奥さん曰く「このコは知らない人の傍には滅多に行かないのに?!」と不思議がっておられた。
やはり相性がいいのだろうか?
少年の頃から生き物を飼うのは好きだった。
今のようにお座敷で飼う所謂ペットとは違う。
子猫や子犬をどれだけ拾ってきたか分からない。
母に叱られて、再び捨てに行く少年の心の悲しさ・・・。
閑話休題
亡き弟が生前は猫を可愛がっていた。
弟宅は京都なので頻繁に訪ねたことはなかった。
たまに行っても、ネコちゃんは2階にある弟の書斎にいて(来客時のみかも知れないが、その辺りは定かではない)見たことは1、2度だと思う。
弟が急逝して、1周忌法要に弟宅へ行ったときのことである。
1階のリビングに入ると、件のネコちゃんが走り寄って来た。私の足元にくっついて暫く匂いを嗅ぐような仕草をしたが、すぐにパッと離れて部屋の外へ。
弟の奥さんは「きっと穂積(弟の名前)さんかと思ったのでは」と。
私と弟は顔立ちも体形も、そして声も似ていた。
ネコちゃんは、弟が帰らぬ人となったことは分からなくて、いつも、いつも弟の帰宅を待っていたのだろう。
突然入ってきた私を見て「久しぶりに帰って来た」と思ったに違いない。
私は思わず瞼が熱くなった。
実はそれ以来、猫を見ると弟の愛猫のことを想う。
昨年暮れ、少し早めの3回忌法要にも弟宅を訪れたが、この日はもうネコちゃんは出てこなかった。
弟の奥さんとは時折電話などをするが、私はもうネコちゃんのことは何も聞かないことにしている。弟のことが想い出されて涙が溢れてくるから・・・。
いつだったか知人が私との会話の中で「やるせないですね。」と言った。
本当にそうである。
身近な人を喪うことは本当に「遣る瀬無い」悲しみである。
恥ずかしながら私もカウンセラーの端くれ。嘗て何度か「悲嘆カウンセリング」(grief counseling)についての講義や研修をさせて頂いたこともある。
また、喪失の悲しみにある人にカウンセリングをし、或いは慰める立場には身をおくことは出来る。
しかし、自分の悲しみは未だ胸中にある。誰にも開示しないでいる。「紺屋の白袴」、「医者の不養生」の類かも知れないが。
いつか、誰かに話したい。聴いてもらいたいと思う。
今日は殊の外冷え込む1日であった。外は粉雪が舞っている。
今宵はこれで。皆さまカゼなど召されませぬように。
近況・心境
かそけくも
甘き香りを伴いて
ゆうパックにて水仙届く
水仙の香りを嗅げば
越前の海辺目に見ゆ
潮騒聞こゆ
越前の
浜辺の町に住むと言ふ
きみの消息知れし日は雪
先日のこと。
出先から帰ると越前水仙が届いていた。
箱詰めは苦しかろうと、すぐに解いて冷水をたっぷりと吸わせて花瓶に。
差出人はペンネームであった。一筆箋に認(したた)められたその筆跡は、変わらぬまま。
されど、心なしか淋しげであった。
お互い、文学への情熱止み難くもそれぞれの道へ。
あれから幾星霜。
想い出は歳をとらない。
さればこそ、想い出は想い出のままに・・・。
今日も粉雪が舞う。
ちょうど今、越前海岸の「水仙まつり」が催されている。
長めの冬休みをとったが、今週辺りから講演や研修がちらほらと。
奇しくも来週は越前町へ講演に。少し早めに出て越前海岸を走って来たいと思っている。
今宵はこれで。つづきはまた。
http://www.town-echizen.jp/ATTRACTION/SEA/fes_suisen.html
(クリックしてみてね)
かそけくも
甘き香りを伴いて
ゆうパックにて水仙届く
水仙の香りを嗅げば
越前の海辺目に見ゆ
潮騒聞こゆ
越前の
浜辺の町に住むと言ふ
きみの消息知れし日は雪
先日のこと。
出先から帰ると越前水仙が届いていた。
箱詰めは苦しかろうと、すぐに解いて冷水をたっぷりと吸わせて花瓶に。
差出人はペンネームであった。一筆箋に認(したた)められたその筆跡は、変わらぬまま。
されど、心なしか淋しげであった。
お互い、文学への情熱止み難くもそれぞれの道へ。
あれから幾星霜。
想い出は歳をとらない。
さればこそ、想い出は想い出のままに・・・。
今日も粉雪が舞う。
ちょうど今、越前海岸の「水仙まつり」が催されている。
長めの冬休みをとったが、今週辺りから講演や研修がちらほらと。
奇しくも来週は越前町へ講演に。少し早めに出て越前海岸を走って来たいと思っている。
今宵はこれで。つづきはまた。
http://www.town-echizen.jp/ATTRACTION/SEA/fes_suisen.html
(クリックしてみてね)
寒中お見舞い申し上げます。
本年も変わりませずどうぞよろしくお願いいたします。
寒さ厳しき折から皆さまどうぞご自愛専一になさって下さいますよう
心よりお祈り申しております。
柴山潟より白山遠望(加賀・片山津)
片山津海岸に打ち寄せる日本海の冬の波
今年も年賀欠礼の仕儀となりました。
何となく海に合いたい、湖に合いたい・・・と愛車を駈ってきました。
ひとりゆく
旅と思えば どの道も
楽しと思ふ 寒の入りかな (筆者近詠)
会者定離
愛別離苦とは知りながら
身にぞ染みけり 去年(こぞ)今年かな (筆者拙詠)
本年も変わりませずどうぞよろしくお願いいたします。
寒さ厳しき折から皆さまどうぞご自愛専一になさって下さいますよう
心よりお祈り申しております。
柴山潟より白山遠望(加賀・片山津)
片山津海岸に打ち寄せる日本海の冬の波
今年も年賀欠礼の仕儀となりました。
何となく海に合いたい、湖に合いたい・・・と愛車を駈ってきました。
ひとりゆく
旅と思えば どの道も
楽しと思ふ 寒の入りかな (筆者近詠)
会者定離
愛別離苦とは知りながら
身にぞ染みけり 去年(こぞ)今年かな (筆者拙詠)