
雪深く静まりており永平寺
粉雪の舞う寒い日だった。
思い立って、大本山・永平寺に詣でてきた。
境内、伽藍は予想通りの深い雪の中であった。

観音もお寒からずや雪衣
池の水も凍っていた。
観音様は菩薩様。やはりご修行なさっておられるのであろうか・・・。

門前の賑わいもなく春を待つ
節分、立春も過ぎて、やがてお涅槃。
「涅槃の果ては春」幼き頃、亡き祖母から聞いた言葉だ。
この雪も遠からず消えて、芽吹きの頃を迎える。
その頃に、再び訪ねたいと思いつつ家路についた。

(永平寺町から我が町に入る)
木枯らしが窓を打つ。
明朝までに、また雪が降り積むのだろうか。
こんな夜は道元禅師を想う。
また雪深き越後へ流された親鸞を想い、
佐渡へ配流の日蓮を想う。そしてまた、
捨聖(すてひじり)と呼ばれた一遍を思いながらひとり起きている。
やがて日付が変わり、如月も早や7日になろうとしている。