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蔵書の1冊に、もう故人となられたが、仏教詩人 坂村真民さんの詩集「詩国」がある。
詩国と書いて「しこく」と読ませる。
久々に取り出してみた。
「おや、なんだろう、栞かな」と思って頁を開くと、真民さんから頂いた絵ハガキだった。
昭和55年7月の消印、ハガキに20円切手が貼られている。
独特の筆致で「仏縁詩縁を感謝します・・・」との書き出しである。私は詩は書けないのだが、
これまでに何人かの詩人との交流はあった。
真民さんの詩「二度とない人生だから」の中に、
二度とない人生だから
一ぺんでも多く便りをしよう
返事は必ず書くことにしよう
がある。
この詩に出逢って、もうかれこれ30余年になる。
以来、私も一ぺんでも多くの便りを書くことにした。
便りは書くのである。(キーボード)を打つのとは違う。
ケータイのメールが30年先に、しみじみと味わうことは出来ない。
先日、束の間の旅をした。買い求めた絵ハガキがある。
日頃無音している友に書き始めた。
旅先で絵ハガキを選び、ご当地切手を選ぶのも楽しみの一つである。