(加賀市片山津・柴山潟畔)
白山を遠く眺むる湖の岸辺に咲ける桜せつなき 筆者拙詠
湖の水面(みなも)を渡る夕風に震える如く咲きし桜よ 〃
花の命は短くて・・・。
桜花の季節になると、芙美子のこの言葉を思い出す。
例年より早い開花で、花見らしきことも出来ぬままに、今年の桜も散ってしまう。
各研究会の4月例会は観桜会の予定であったが、いずれも葉桜になり取りやめに。
4月12日開催の会では、花より団子ならぬお花見弁当とお茶会に。
そして、固い講義は止して桜花に因んだ歌などを味わって頂いた。
(逝く春の形見の一枝が趣があって、皆さんのお話も弾む)
桜花を詠んだ私の好きな歌
雪のごと 桜花散る日なりけり 君と手をとり山路ゆきしは 石川啄木
久方の光のどけき春の日にしづ心なく花の散るらむ 紀友則 (きのとものり)
願わくは花の下にて春死なむ そのきさらぎの望月のころ 西行法師
はらはらと桜散るかな美しき恋に乱るる心のごとく 三ヶ島葭子(みかじまよしこ)
清水へ祇園をよぎる桜月夜 こよひ逢う人みな うつくしき 与謝野晶子
桜を詠んだ俳句
春の夜は桜に明けてしまひけり 松尾芭蕉
銭湯で上野の花の噂かな 正岡子規
桜が咲いて旅人である
(この句は自由律俳句です) 種田山頭火
桜呼ぶ心もはやる西近江 筆者拙詠
桜見てひとり涙の湧きてくる 〃
お茶席の後、ついでに茶の湯の話などあれこれと・・・。
この春は、私自身何かと雑用に追われ花見らしきことも出来ないままに、短い桜花の命は終わろうとしている。
せめてもの春の名残りに画像を1枚。
4月2日に宿をとった「かんぽの湯・山代」(加賀市山代温泉)の部屋から見たお庭である。
かんぽはリーズナブルで、会員にもなっており各地のかんぽを利用する。「山代かんぽ」は泉質もよく、お料理も気に入っていて私の好きな温泉の一つだ。
何だか疲れを感じる日々。折をみて琵琶湖に行きたいと思うことしきりの今日この頃である。
よしなしことをつらつらと。それではまた。