11月19日、仏ベルサイユの第27回国際度量衡総会の会場から、新しい4つの
SI接頭語(クエタ、ロナ、ロント、クエクト)が正式に決定したとの知らせが届きました。
国際度量衡総会は、メートル条約加盟国等が参加しおおむね 4年に一度開催される最高議決機関。
産業技術総合研究所、『総研マガジン』SI接頭語 計量標準総合センター長 臼田 孝 から
皆さんはSI(国際単位系)接頭語という言葉をご存じでしょうか。私たちは子供のころからさまざまな
計量単位に慣れ親しんでおり、例えば、センチメートル(cm)、デシリットル(dL)などは、
小学校で学習します。
このセンチ(c)やデシ(d)こそがSI接頭語です。他にも、長い距離を表現する際に用いられる
キロメートル(km)のキロ(k)、天気予報でもおなじみの気圧の単位ヘクトパスカル(hPa)の
ヘクト(h)もよく耳にするSI接頭語です。
最近ではこれらのSI接頭語が計量単位以外の言葉と共に使われる場合も多く見受けられます。
「ナノテクノロジー」や「マイクロプラスチック」といった語は、それぞれ「ナノ」、「マイクロ」
といったSI接頭語を含んで一つの単語となっています。
さらには、特大の大盛りを「メガ盛り」と言ったり、スマートフォンの通信量を「ギガ」と言った
りします。ここまでくると、もはやSIや計量とは遠く離れた感覚で使われていますが、この「メガ」、
「ギガ」もSI接頭語に由来しているのです。
このように見てくると、SI接頭語という一見堅苦しい言葉になじみがなくても、私たちは毎日の
生活の中で意識せずに使っていることがお分かりいただけると思います。
新たに追加されたのは、10の27乗を表す「ronna(ロナ)」、10の30乗を表す「quetta(クエタ)」、
10の-27乗を表す「ronto(ロント)」、10の-30乗を表す「quecto(クエクト)」の4つ。
これを使うと、地球の質量は約6ロナグラム(5.972x10の24乗kg 『天文ガイド・天文データより』、
太陽の質量は約2000クエタグラム(1.988×10の30乗kg)となります。
次の大きなトピックは「秒」の定義の見直しだそうです。産総研も、鋭意研究開発中とか。