日本東都市中年中行事図十二ヶ月揃小柄 塚田秀鏡作から


七月 盂蘭盆
祖先の霊を供養する盂蘭盆。月遅れの八月に行うのが関東地方で一般的だが、元来は七月のこの行事には、実は七夕にかかわる意味がある。七夕は、今では織姫と牛飼の恋物語のように語られるが、それは天上の星座に置き換えた伝説。我が国においては一年を折り返す頃に行われる、穢れの祓いに関わりがある。また、中国の乞巧奠を背景とした七夕には、様々な行事があるも、その中で、硯を清める行為には文字が上達することへの願望があり、同時に清めは川に穢れや汚れを流し去る意味がある。祭りの最後に川に流すねぶた祭もこれに通じている。半年の汚れを流し去って祖先の霊を迎えるのである。この小柄では、虫かごを持つ子供を描き、笹を抱えるのは母親であろうか、真夏に普通に見られたであろう市井の光景が描き出されている。


七月 盂蘭盆
祖先の霊を供養する盂蘭盆。月遅れの八月に行うのが関東地方で一般的だが、元来は七月のこの行事には、実は七夕にかかわる意味がある。七夕は、今では織姫と牛飼の恋物語のように語られるが、それは天上の星座に置き換えた伝説。我が国においては一年を折り返す頃に行われる、穢れの祓いに関わりがある。また、中国の乞巧奠を背景とした七夕には、様々な行事があるも、その中で、硯を清める行為には文字が上達することへの願望があり、同時に清めは川に穢れや汚れを流し去る意味がある。祭りの最後に川に流すねぶた祭もこれに通じている。半年の汚れを流し去って祖先の霊を迎えるのである。この小柄では、虫かごを持つ子供を描き、笹を抱えるのは母親であろうか、真夏に普通に見られたであろう市井の光景が描き出されている。