酔漢のくだまき

半落語的エッセイ未満。
難しい事は抜き。
単に「くだまき」なのでございます。

混ぜることの難しさ?

2008-09-03 09:41:09 | ブレンディッドウィスキーの話
95年産のものを、飲んだことが一度ございます。たしか三鷹の方にございましたバーだったかと記憶しておりますが、さすがに酔漢も緊張いたしました。
「今あるモルトやグレーンをすべてブレンドしたら・・」
お答えいたします。
「J&Bアルティマ」です。
スコットランドに現存する94の蒸留所(2006年現在)すでに閉鎖されたがストックのある34の蒸留所(シングルモルトでご紹介いたしましたアイラの逸品「ポートエレン」などもこの一つです)合計128箇所の蒸留所、全ての原酒をブレンドしております。
ボトルは写真でしか見た事はございません。が、基本的にはお馴染み「J&B」のボトルを黒くしております。
緊張しました「これが噂の『アルティマ』だ」と思いまして、グラスに注がれたウィスキーをしばらく眺めておりました。
香をかいで、一杯口に含んでと「うん?個性がやはり浮き出てこない。ですが、さりげにフルーティーな感じとそして渋み?が交じり合ったような。。複雑」
そんな風味でした。
オールスターキャストという、そんな雰囲気を楽しむのも一度はいいかと思います
ボトルでは入手困難かもしれません。スコッチバーで見かけたら、是非お試し下さい。「『バランタイン』がいかに優れているか」がわかるような気がいたします。

これまで多くのシングルモルトを語りました。一つ一つの蒸留所での物語をほんの少しではありますが、紹介いたしました。
スコッチブレンディッドウイスキーはこれら蒸留所のモルトやグレーンを専門に蒸留している蒸留所からのグレーンを混合させ、あらたな風味に仕上げていったウィスキーです。さきに、ブレンディドは交響楽と表現しました。ですが、個々の銘柄によりまして、ジャズのセッションであったり協奏曲のようであったりと、いたします。芸術作品です。
もともと、「シングルモルトを販売し、飲む」と言う事の方が歴史は浅いのです。
シングルモルトは、ブレンディドの為に作られていたものであって、その蒸留の過程にはブレンダーの要求が満たされていなければならなかったのです。
このブレンディッド誕生にもあの「酒税法」が大きく影響するのでした。
ブレンダーの祖「ジョン・アレキサンダー・キャメロン」さんをご紹介いたします
「すくねぇ樽酒ばまぜあわせたらなんじょになっぺや」とブレンドを思いつきましたのが1846年。ところが「まぜたらやけにうめぇっちゃ」となりました。
これを発展させましたのがエジンバラにおりました「アンドリュー・アッシャー」さんです。1853年のことです。(アンドリューですよ。みなさん・・馬に乗ってたかな)
「なんじょして金かけねぇで、ウィスキー作かや」と頭を悩ませております。
「税金高けぇぐて、やんでぐなっちゃ」です。
そんな彼、キャメロンさんの方法を思い出しました。
「モルトを、早く大量に安くできるグレンウィスキーで割ってコストを下げる」
こんな、半分「紛い物?」のようですが、実はこれが、逆に風味を上げたのでした

現在では、ブレンドには基準を設けて整理しております。
紹介いたしますと、下記のようになります。
デラックス→グレーンに対して、モルトが50%以上。ブレンド後に15年以上熟成
セミ・プレミアム→10~12年物のモルトの割合が40%前後
プレミアム→モルトの割合が40~50%。ブレンド後に12年以上熟成。
スタンダード→5~10年物のモルトの割合が30~40%。
これも酒税法(現)で決められたランクです。

ある日の事。「ジャック・ガウディ」は、自らの部屋へ置いてある、数多いシングルモルトをティステイングしていた。
いつものように、仕事を続けていた同氏。
だが、氏も見た事がない一瓶がさり気にテーブルに置いてあった。
氏は、その瓶からテイスティンググラスにモルトを注ぎ込み、ノージング。
ところが、彼は眉をひそめ、グラスを鼻から離すことなく、その場から一歩も動かない。世界的、そして伝説をも作り出した彼の鼻が何かをかぎあてたのだった。
「ジャック・ガウディ」
歴史上稀有な、先代「バランタインのマスターブレンダー」である。

「バランタイン」「シーバスリーガル」「カティサーク」「ザ・フェイマス・グラウス」「グランツ」「ジョニーウォーカー」などなど、お馴染みのウィスキーが登場します。

追伸→スコットランドの人達にも「宮城語」で語ってもらおうかと考えました。

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2 コメント

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何気に飲んでいた (ひー)
2008-09-03 16:50:57
バランタイン…
良く飲みました、というか、前にも述べましたが、これと、シーバスがメインだったので…
旅行会社を辞めてからは、てっきりウィスキー離れしまして。
一昨年友人の奥様がニッカ系列の会社に勤めてまして。
ボトルのラベルが変わると言うことで社販があり、メチャメチャ安い金額で1ダース買いました。
あまり気にせず飲んでましたが、あれもシングルモルトだったかなぁ?
泊まり勤務が基本なので飲み終わるのに1年かかりましたよ。
バランタインには
そんなブレンダーがいたのですね。
アルティマはなんか車の名前のようですね。
生産されないと言うことは、ドンドン希少価値が高くなりますね。
私の口には、入りそうもありませんね。
ショットバーも今は行かなくなりました。
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銘柄気になります (酔漢です )
2008-09-03 18:06:38
ひー様へ
「ニッカウィスキー1ダース」宮城峡が昨年リニューアルされましたから、その前の「宮城峡」シングルモルトかな?と思います。「酒の話」を語るとき、最初にお話いたしました。
「女性的なお酒」と言われます。同じニッカの「余市」と比べて、フルーティーさが強調されてますが、ゆっくりと口に含みますと、奥ゆかしさが鼻から入ってきます。これはこれで、「この味」です。「宮城の風土を感じます」
シングルモルトは人もそうですが、その土地の風土を感じます。ブレンディッドはまさしく、人を感じます。
バランタインとシーバス。似たような使われ方をしておりますが、スコッチの両極にあるウィスキーです。ですが、どちらも、日本の料理には合うのです。
ブレンディッドの中では「ホワイトホース」が海風を感じます。いつか語りますネ!
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