「ジャイアンツ愛」を掲げた闘将原監督率いる巨人軍が7年ぶりの日本一を決めた日本シリーズの興奮まだ冷めやらずの感があります。
今朝の日経に「最も影響を受けているのは藤田監督だと思う」との篠塚コーチの談話があり、はたと思い当たりました。
スポーツには多かれ少なかれその要素はあるのですが、人事労務管理の成果を評価できるスポーツとして、特に野球に興味を持っています。企業の採用管理に擬せられるドラフト・スカウトにはじまり、教育・訓練であるキャンプ・トレーニング。配置管理としてのポジション・打順決め。服務管理のサイン、作戦指示。そして、チームを掌握する監督・コーチのリーダーシップ等。これらが毎試合の得点・失点として、またシーズン末の順位として、企業の決算に相当する形で明瞭に結果として出ます。
歴代監督の采配の形は様々ですが、特に藤田野球に興味を持ち、かつ評価するのは、人事労務管理面からみるとそれが「モラール・モチベーション重視のリーダーシップ」と言えるタイプだからです。
藤田野球から継承されさらに磨かれた原采配の特徴をあげると
1.選手・コーチとのコミュニケーションが密である。
「監督室の扉は常に開かれていて、好きな時にコミュニケーションがとれるん だ(クルーン)」
したがって選手の心身のコンデション、心情、考え方等について良く掌握して
いるため選手の納得性が高く、投手、ピンチヒッターの起用成功率が高い。
2.積極的にチャンスを与え、評価基準が公正・公平である。
スター選手だけでなく、一流になりきっていない選手や峠を越したベテラン達 にも細かく気を配り、調子がよさそうならどんどんチャンスを与え結果を出し ている。
3.ムードを非常に大切にしている。
ピンチに際してもベンチがメチャクチャ明るい。従って肩の力が抜けて、精神 と筋肉の柔軟さが維持されピッチャーの好投、バッターの好打につながる。そ してそれが9回二死までリードされていても諦めず最後までチーム一丸となっ て戦う粘りにつながり、数々のドラマチックな逆転劇を演じてファンを狂喜さ せた。
4.マスコミ等へのアピールにも細心の注意を払っている。
選手の成功はほめ失敗はかばう思いやりの姿勢は「監督の期待に応えたい」と 言う選手たちの熱い思いに繋がった。
最後にまとめると
「選手一人一人に公平に愛をそそぎ 信頼から生まれるそのエネルギーを最大 限に引き出しチームとしての勝利に結びつけるのが原野球である」と言えるの ではないでしょうか?