表題は日本産業カウンセラー協会講師の 廣田先生が「福祉現場の接遇とコミュニケ―ション」
のセミナーで述べられた言葉です。
*これからの福祉人材に求められる3つの力として
①経営力 ②技術力 ③人間力 をあげておられます。
*経営力とは・・・福祉の現場で働くことの意義を見出すこと
*技術力とは・・・その道のプロとして身につけておかなければならない
専門的な知識・技能・ノウハウ
本物の介護のプロに求められる二つのスキルは
①介護のスキル・・・ご利用者様の「からだ」のケアのための
②表現のスキル・・・ご利用者様の「こころ」のケアのための
*介護サービスの質を高める「人間力」とは
人間力=人間性+かたち
(あいさつ、身だしなみ、表情、態度、ことばづかい)
人間力が高い人とは
①人間としてあたりまえのことが「自然に」出来る人
・自分から挨拶
・返事は「はい」と元気よく
・人に手伝ってもらったら「ありがとう」
・ホチキスの芯を補充してからしまう
・ごみが落ちていたらひろう
・トイレをきれいに使う
・遅刻をしない
②「自分がしてもらってうれしいこと」は相手にも自然にできる人
*「人間力を」向上させる接遇5原則
①あいさつ
②身だしなみ
③表情
④態度
⑤ことばづかい
それぞれについて詳細なご補足と、トレーニング方法のご指導が
ありましたが、省略させて頂きます。
重たいテーマではありますが 考えさせられる点が多かったので 放送大学の「今日のメンタルヘルス」
(主任講師:石丸昌彦教授)の 「最終章(第15章)自殺とその予防」から印象的なものを引用します。
*自殺を理解する重要なキーワードは「孤立」である。
*自殺というと、一般には自由意志に基づいて選択された死であるという考え方が
強いが、実際には、さまざまな問題を抱えた末の「強制された死」である。
*自殺はたったひとつの原因だけで説明できるほど単純な現象ではない。ストレス、
精神疾患、衝動性のコントロールの障害、身近な人の死、問題解決の幅が狭い
といった性格傾向などが、複雑に絡み合って、自殺を引き起こす下地がしばしば
長年かかって出来上がっている。
*自殺の危険の高い人は「しんでしまいたい、今すぐに楽になりたい」という気持ちと
「助けてほしい。生きていたい」という気持ちの間を、最後まで激しく揺れ動いている。
そして次に挙げるような共通の心理が認められる。
①極度の孤立感・絶望感
②無価値観
③強度の怒り
④窮状が永遠に続くという確信
⑤心理的視野狭窄
⑥諦め
⑦全能の幻想
(自殺は自分が今できる唯一の残された行為だと思い込む)
*自殺の危険の高い人への対応
(1)TALKの原則
(カナダで自殺予防活動を実施しているグループがまとめたもの)
・Tell:相手のことを心配しているとはっきりと言葉に出して伝える。
・Ask:自殺の危険を感じているならば、その点について質問する。
真剣に対応するのであれば、自殺を話題にしても危険ではない。
むしろそれは自殺予防の第一歩になる。
・Listen:傾聴である。励まそう、助言しよう、叱ろうなどと考えたりする
かもしれない。しかし、まずしなければならないのは徹底的に聴き役
に徹することである。
・Keep safe:危険だと思ったら、その人をひとりにしてはならない。安全を
確保したうえで、周りの人々からの協力も得て、必要な対処をする。はっ
霧と自殺を口にしたり、自分の体を傷つけたりする行為に及んだ人につ
いては、確実に精神科受診につなげる。
表題の後には「最も変化に対応できるものが生き残る」と続きます。
これはチャールス・ダーウィンの言葉で、和田隆さんが講演の最後の締めくくりに
引用した言葉です。和田さんはメンタルプラス(株)代表で日本産業カウンセラー
協会キャリアコンサルタント講座のチーフトレーナも勤められています。
印象に残ったことを書き出します。
*ライフラインチャートを書いてみよう
・縦軸に0~100の点数、横軸に年齢を書き、満足度を1本の線で書く
*職業能力開発に関する理解を深めるためには、社会経済の現状を把握する
必要がある
・社会の変化、労働人口の減少、雇用就労状況の厳しさ等
*組織に内在する多様な問題がパワハラとして顕在化する
*海外赴任者への支援は「赴任前」「赴任中」「帰任後」ときめ細かく
対応する必要がある
*役割変化への適応支援は「過去の役割喪失への支援」と「新しい役割
獲得への支援」の両方が求められる
*適応を阻害する要因を抽出して「外からの視点: 職務、役割、期待等」
「内からの視点: 能力、経験、価値観、欲求等)両面から対応する