顧問先役員研修資料作成のため平木典子先生の「アサーション入門」を再読しました。
アサーショントレーニングは1950年代後半から1960年代にかけて、行動療法の
先導的指導者であるウオルピとラザルスによって創案されたものです。
その本質は「アサーションとは自分も相手も大切にする自己表現(第1章表題)」に
よく表されています。
自己表現の3タイプとして
①自分よりも他者を優先し、自分は後回しにする自己表現
「非主張的(non-assertive)自己表現」
→自らの尊厳や権利を否定、アイデアや考え方を表現できず評価されにくい
②自分のことだけをまず考えて行動し、時には他者を踏みにじることにもなる自己表現
「攻撃的(aggressive)自己表現」
→対等で親密な人間関係や、安定した人間関係を築くことが難しい
③自分のことをまず考えるが、他者のことにも配慮する自己表現
「アサーティブ(assertive)な自己表現」
①は私を含めて日本人には多くみられる「のび太君」タイプで ②が「ジャイアン」
タイプ、そして③が自分に嘘をつかず、相手にも不快感を与えない「しずかちゃん」
タイプということになります。
この本で印象に残った文章をいくつかあげておきます
・自分も相手も大切に
①私たちは誰もが自分らしくあってよい
②人は誰でも自分の気持ちや考えを表現してよい
③人間は過ちや間違いをし、それに責任をとってよい
「やってよいこと」は意外にたくさんある
・アサーションは、一発勝負のためのコミュニケーション法ではなく、お互いを大切に
し合うチャンスを相手に任せず、自ら創ってみようとする第一声である
・まず自分から、「私メッセージ」で気持ちを伝える
・「なぜ?」「どうして?」は問答無用で責める意図が含まれやすいので、「意図や
理由、いきさつについて知りたい、聞かせてほしい」等 言い回しを変える
・「当たり前」「はずだ」「当然だ、べきだ」ということはめったにない 決めつける
調子ではなく「そうするに越したことはないけれど 必ずしもそうではないのでは」
というように考える幅、まわりを見回す余裕をもつ