我が国解決志向ブリーフセラピーの最高権威者の一人である森俊夫先生の
「森臨床の系譜」を受講しました。
副題に -演劇、コミュニティ・メンタルヘルス、ミルトン・エリクソン、そして
気質論ー とありますように 森先生の今日の心理臨床に対する姿勢、スタイルが
形成されていった背景が述べられました。
*演 劇
先生は、地球物理学者を目指して、東京大学に入学したのですが、そこで演劇と
出会い、演劇集団漠に入団することによって人生が変わりました。それまで人間には
(女性を除き)興味のなかった先生が演劇を通して初めて人間に興味を持ったのです。
そして、医学部保健学科に進路を変更し、精神医学の分野に足を踏み入れました。
*コミュニティ・メンタルヘルス
精神医学の分野でアイデンティティを模索するなか、八丈島での臨床実習を通して
博士論文を執筆したこともあり、病院臨床からコミュニティ臨床へとそのスタンスを
変えられたのです。そしてコミュニティ・メンタルヘルスシステムの構築者として
その専門領域を確立されました。現在も臨床活動を行う際は、すべて「コミュニティ」
を視座に据えていらっしゃるそうです。
*ミルトン・エリクソン
先生が彼から学んだことは
・セラピーは自由である(特定の理論や技法にこだわる必要は全くない、その患者の治療に
役立つものがベストである)、使えるものは何でも使う→心が自由になった。
・ほぼすべての患者さんは治る(治せる)
・過去より未来が大事である。
等です。
*気質論は時間の関係で説明がありませんでしたが、将来機会があれば講義を受けたいと思います。