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ゆめと(ttm21)です。所感、エピソード等を気ままに綴ってみたいと思います

フィンランドに学ぶ(4)

2024年07月01日 | 教育

    本シリーズの最終稿として、私がこの学びを、コンサルタントとしてどのように活用しているかをお話ししたいと思います。

   従業員教育は、従来の講師が 知識を教えるという形は極力避け、皆でディス        カッションしながら「なぜ」を従業員全員で追及する形をメインとしました。

   具体的には

   ①全員を1チーム3~5人の小グループに分ける。(全員が意見を言える機会を         確保するため、人数は抑え、半年ごとにメンバーの組み変えを行う)                    ②当初は経営上の課題(品質事故の防止、社員の定着率向上等)を講師が提示す        るが、レベルが向上すれば、課題自体も従業員が討議して決めるようにする。     ③頻度は週一で、講師5分、討議15分を原則とする。(時間を取れない事業所        は、従業員の了解のもとに昼休みに行う)                                                                 ④月一の頻度で「現在のマイブーム」「私の好物」等のくだけたテーマで”雑談           タイム”を設ける。これはメンバーの人となりを知り、より親密な人間関係を           知るために極めて重要である。                                                                                ⑤3か月ごとに全グループ員が集まり代表者から、討議内容の中間報告と、質疑          応答を行う。

   以上が小集団活動による従業員教育の方法で、トヨタ式改善活動をほぼ踏襲しています。それにフィンランドの「個の尊重と共創、自らを肯定して、他者も尊重するダイバーシティー(多様性:みんな違ってみんないい)の精神をより意識したものといえましょう。

 さらにカウンセラー・コンサルタントとしての私流として加えたものは、まず全員のカウンセリングを行って、それぞれの個性を把握します。一番大切なのが個々人の長所(本人も気付いていないものも含む)を見つけ出すことです。その際には 本人がネガティブに感じている特性を、ポジティブなものに置き換える(リフレーミング)ことです。例えば「粗野」→「力強く活動的」、「気が弱く消極的」→「物静かで慎重」等。これら個々の従業員の特性把握はは講師として個々のグループ、あるいは全体ミーティングの活動に参加して、好評を求められたときに、大いに役立ちました。

 

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フィンランドに学ぶ(3)

2024年06月01日 | 教育

 本稿では フィンランド教育研究の第一人者、信州大学学術研究院教育系の伏木(ふせぎ)教授のお言葉を引用させて頂きます。

 

 フィンランドに学ぶべきはその教育観だと思います。

すなわち

 教育の目的は学力を高めることではなく、ウエルビーイングを高めて、一人一人のの子供たちが自分らしく生きていく自信と勇気、スキルを身に付けることであるという考え方です。

 フィンランドの教育関係者の多くは、ウエルビーイングと学力を「両立」するべきものとは捉えていません。ウエルビーイングが最上位にあり、それを高めるために何をすべきかと考える。学力向上は、ウエルビーイングの向上に伴う副次的な成果にすぎないのです。

 フィンランドの先生たちは、子供たちの学習権を徹底的に保障しつつ、「子供たちは一人一人違うのだから、出てくる結果も違うはずだ」と考えます。子供たちが全員、同じ授業を受けることを重視するのではなく、一人一人の子供たちが、自分らしく学ぶための環境を整えることを大切にします。

 そうした中で、子供たちの自己肯定感や、「自分は自分でよいのだ」という意識を高めていきます。子供たちが社会の中で、どのようにいきていこうかと考え、そのために必要な学びとは何かを自分で選べるようになることを重視しているのです。

 日本が好成績を収めたことは、うれしいニュースではありますが、だからと言って「日本の学校はこのままでよいのだ」と考えてはいけないと思います。この成果は日本の教員たちの犠牲の上に成り立っているものです。教員が離職してしまうほどの長時間労働は、世界的に見ても異常です。フィンランドと日本では教員を取り巻く社会的背景が大きく異なるので、単にフィンランドのやり方を取り入れれば良いとは言いません。とはいえ日本の教員の負担を減らし、本来やるべきことに集中できるようにすることは、喫緊の課題です。

 以上が伏木先生のお言葉でした。

 

    最後に若干の補足をしますと

    フィンランドの授業の特徴は(教員の裁量権が大きく、楽しさ、わくわく感を重視するため、きわめて多彩で個性的)

・教員が一方的に知識を教える部分は極めて少ない

・複数の科目横断的な授業(NHKの「ピタゴラスイッチ」を参照)が多い                       国語や数学の授業に、絵画や音楽やかるた作りを取り入れる等

・授業計画に子供を参画させ、時間や方法も子供に選ばせる

・「個別最適な学び」と「協働的な学び」の最適な組み合わせに留意するが、グル         ープディスカッションの比重が極めて高い。ペットを参画させたケースもある

・1年のうち少なくとも数週間「実例に基いた教育」を実施するよう義務付けてい          る

・生徒の座る位置、方向、グループ分けの人数等も授業内容に合わせ、最適なもの         に変化させる

 

    いかがだったでしょうか! これからの日本が目指すべき方向性について、ヒントになる点が多いと感じましたが、どう思われますか?         

 

 

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フィンランドに学ぶ(2)

2024年05月01日 | 教育

 フィンランドの教育は、幼児教育から初等教育、高等教育、社会人の学び直しに至るまで、幅広く、きめ細かく制度設計されています。これらすべてに言及すると、膨大なボリュームとなりますので、本稿では主に9年間の義務教育に注力して、進めたいと思います。

フィンランド教育における世界的にトップ並びにトップクラスのものを上げますと

*授業日数・宿題の少なさ等。                                                                 年間授業日数はOECD中で最も少なく、日本より40日ほど少ない。(塾通        いもないので、固定的な勉強時間はさらに少なくなる)宿題はほとんど出ませ        ん。生徒個々人の理解度を確認するための試験はあり                    ますが、序列をつける試験は一切ありません。(他者と比較しない)したがっ           て、学校間の偏差値格差がないため、生徒にとって良い学校とは、自宅に一番近     い学校ということになります。高校入試もなく、        生徒の個性、特性、将来へ     のヴィジョン、自宅からの距離等により、総合的な進路判断によって進路が           決定されます。                                                                                                       

*読書量が世界一                                                   人口当たりの図書館数がトップで、身近に図書館があります。(自主的学習の     支援)

*手厚い育児・教育支援                                                     ・子供が生まれると、国から母親全員にベビー服や布団、哺乳びんや絵本などの            セットが届き、17歳ま での子供全員に月1万7千円程度が支給されます。              ・ 6歳児を対象とした就学前教育は任意参加であるが、ほとんどの子供が参加し             無  償。                                                                                        ・9年間の義務教育期間中は、授業料が無料というだけでなく、通学手段、食事         (給食)、教科書やアイパッドその他の文具、学用品が無償で支給されます。           補習授業も無料です。

*教員の質の高さ                                                 全員が大学院修士課程を修了しており、教えのプロとしての専門知識・実技訓     練を徹底的に叩き込まれ      ている。就労後も毎年継続研修がある。子供たちが       好奇心をもって楽しく学べるようにすることが大切 なポイントとなっています。      教員の拘束時間が短く、授業への裁量権(教科書、教材、教育方法)が大きく     やりがいがあり、社会的      に評価の高い職業であることから志願者が多い(例       年競争率10倍以上)ことも、質の確保の要因となってい ます。

 

     以上フィンランドの有する トップクラスの事象についてあげてみましたが、この根底にある教育に対する高い理念こそがこのトップの源泉といえるのではないでしょうか? すなわち 国土も小さくて天然資源もないフィンランドは「人材こそが資源である」と24%の高消費税率も国民の合意を得 て財源とし、国全体の学力差を最も小さく国際的な学力をもっとも高くすることに成功しています。こ れは「すべての子供がわかるまで」を基本理念に、時間をかけて「平等な教育」を目標として国が教育改革を」行ってきた成果です。                                              なお、フィンランドでは、自国の国籍をもつ子供だけでなく、フィンランドに暮らす難民や移民の子供たちにも平等に教育を受ける権利が保障されています。これも特筆すべきことといえましょう。                           

 

 

 

 

 

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フィンランドに学ぶ(1)

2024年04月01日 | 教育

 前稿の「建設的相互作用」はフィンランドの教育制度にヒントを得て構想されたもののようです。そこで本稿ではフィンランドについて調べてみたいと思います。

 フィンランドはスエーデンとノルウエーに国境を接する北欧に位置します。人口は556万人で70%以上が森林という自然豊かな地ですが、地域によってはー30度にも達する冬が8か月も続くという厳しい自然と対峙せざるを得ない国土でもあります。

 フィンランドは従来からオーロラ、サウナ、サンタクロス、ムーミン等で有名でしたが、世界の注目を一身に集めたのは、先進34か国で構成されているOECD(経済協力機構)が3年ごとに各国の15歳を対象に実施する調査(PISA)で「読解力」「数学的リテラシー」「科学的リテラシー」分野において2006年、2009年に総合1位という抜群の成績を収めたからです。最新の調査では難民受け入れの急増、コロナの影響等でトップの座は明け渡しましたが、PISA以外の各種の調査で世界のトップクラスには常に君臨し続けてています。

 これと併せて注目されるのが、世界143か国を対象に実施されている「世界幸福度調査」において最新の2022年度を含めて7年連続ブッチギリの1位にランキングされてことです。ちなみに、日本はPISAでは2022年度の最新調査において、前回のランクと比べ「読解力」が15→3位、「数学的リテラシー」が6→5位、「科学的リテラシー」が5→2位と大幅に改善しました。これはコロナ禍の国の対応力が学力に反映されたものと推察されますが、好ましい結果でした。一方で「世界幸福度調査」ではOECDでは最低レベルの51位に終わったのが、これからの我が国の課題です。

 次稿では、基礎学力をあげそれを幸福度に結び付けている、フィンランドの教育の秘密を探ってみたいと思います。

 

 

 

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天才中学生の原点<モンテッソーリ教育>

2017年07月27日 | 教育

  前人未到の将棋プロ公式戦29連勝という快挙を達成した藤井聡太4段(15)。彼の並外れた

集中力・感性論理的思考性が3歳で入園した幼稚園が取り入れていた「モンテッソーリ教育」にあるのでは

ないかという報道でにわかにこの幼児教育法が注目を浴び、関連商品に注文が殺到しているそうです。

 

 モンテッソーリ教育の目的は「自立していて、有能で、責任感と他人への思いやりがあり、生涯学びつづける

姿勢を持った人間に育てる」ということです。(日本モンテッソーリ教育総合研究所)

 

 モンテッソーリ教育はマリア・モンテッソーリによって確立された教育法で、子供の自主性に任せることで自立心を

育て、五感でもってさまざまな体験をさせることで考える力を育てます。5つの領域からなる様々な教具の中から

子どもたちは自分で選び、指先を動かしながら脳を使って遊ぶことを通して、さまざまなことを学んでいきます。

すなわち、興味のあることを体験させることで自然と集中力や論理的な思考・感性が身につくのです。

 

 藤井4段が3歳から夢中になったのは、画用紙を編んで作る「ハートバック」という袋。毎日母親にお土産として

持ち帰り、トータルで100個くらいは持って帰ったそうです。

 

*マリア・モンテッソーリ(1870~1952年):イタリアの医師で、女性初の医学博士。女性解放論者

  (フェミニスト)、幼児教育者 

 

*幼児期にモンテッソーリ教育を受けた人々

  オバマ前大統領、ビル・ゲイツ(マイクロソフト創業者)、マーク・ザッカーバーグ(フェイスブック創業者)

  ジミー・ウエールズ(ウィキペディア創始者)、ジェフ・ベゾス(amazon創業者)、ジョージ王子(英王室)

  その他 ピーター・ドラッガー、アンネ・フランク、ヨーヨーマ、ビヨンセ、テイラー・スイフト

  等々書き尽くせません。

 

 

 

 

 

 

 

 

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記憶には適度な運動と睡眠が大事!

2016年04月01日 | 教育

 いささか旧聞になってしまうのですが、2月28日放映のNHKサイエンスゼロ「記憶のミステリー

からです。いろいろ野暮用が重なりビデオ撮りしたまま放置しておいたものですから・・・・。写真は

30年以上も記憶の研究を続ける富山大学大学院の井ノ口馨教授」です。

 

 記憶のメカニズムは、要約すると海馬に記憶された短期記憶が大脳皮質に転送されて、長期記憶として

固定されるということです。

 

*海馬には神経細胞が1億個くらいあるが、大脳皮質は100億個以上。海馬は自分の容量がいっぱいに

 ならないように、より大きな大脳皮質にデータを移している。

*海馬に刻まれた新たな記憶は、海馬の神経細胞が新たに生まれる「神経新生」によって大脳皮質に転送

 される。

*マウスの実験によれば、適度な運動によって「神経新生」の働きが大幅に促進される。

*転送が盛んに行われるタイミングは、寝ているとき。

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