TULIP DIARY

届くといいな やさしい風に乗って

行商列車

2016年05月24日 | 読書日記
行商列車 山本志乃 著 創元社
近鉄鶴橋駅で鮮魚列車が止まっていたのを何回か見たことがありました。図書館のサイトでこの本が紹介されていて、この本の存在を知り、図書館で借りてみました。この本では、鉄道が支えてきたこのような行商の歴史が詳細に記載されています。昔は日本の各地にあったらしい行商列車は、今では伊勢志摩と大阪の上本町を結ぶ近鉄電車の鮮魚列車だけになっているという事実もこの本を読んでで知りました。著者はこの稀少な行商に同行取材し、その仕事に長く携わって来られた方々の生活やその運搬に使用されていたブリキのカンの変遷、鳥取を中心とした山陰線を利用した行商の歴史、魚を食べる文化などについても紹介しています。カンを背負って行商に携わる女性たちの写真も掲載されていて、女性たちのたくましさと毎日この仕事を続けて来られた方々の仕事の大変さがよく伝わってくる本でした。なぜ近鉄に鮮魚列車ができたのかという事情もこの本を読んでよくわかりました。
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