書評『文明としての江戸システム』(鬼頭宏著) 10 2017-09-01 | 書評『文明としての江戸システム』(鬼頭宏著) 一方で「それは、少なくとも平常年にあてはまることであって、凶作によって供給量が減少すればただちに問題が生じる危険水域」だった。さらに栄養バランスにも地域によって極端な偏りが見られるなど、農業社会としての限界をも指摘する。先に見た人口増加率の顕著な地域差からすれば、栄養状態に同様の傾向があっただろうことは想像に難くない。しかしそうだとしても、全体に関する基本的事実を認識することがまず重要である。 . . . 本文を読む