〈私〉はどこにいるか?

私たちは宇宙にいる――それこそがほんとうの「リアル」のはずである。この世界には意味も秩序も希望もあるのだ。

書評『文明としての江戸システム』(鬼頭宏著) 13

2017-09-06 | 書評『文明としての江戸システム』(鬼頭宏著)
 これを幻影にとどめず、対応する外面の経済・社会的な証拠によって現実世界に繋ぎ止めうるのが、鬼頭氏が提示している江戸システムだと言いたい。鬼頭氏は本書によって、いみじくも渡辺氏が述べている「彼らの第一印象の網にかかった…高度で豊かな農業と手工業の文明、外国との接触を制限することによって独特な仕上げぶりに到達した一つの前工業化社会の性格と特質」を、「国民、生産物、商業、法律等々についての正確な情報 . . . 本文を読む