〈私〉はどこにいるか?

私たちは宇宙にいる――それこそがほんとうの「リアル」のはずである。この世界には意味も秩序も希望もあるのだ。

進化する『宇宙と私の大きな物語』

2006-03-19 | Weblog
ここ最近住まいの周りで右翼の街宣車が軍歌をガンガン鳴らして走り回っている。
普通に考えればうるさくて迷惑千万この上ないというべきところだが、どうもそれが耳についてしまい、けっこういい歌に聞こえてきてしまった。

とりわけサビの

「いざ往け~ つわもの~ 日本男児」

のくだり、なんだかとてもいい。熱くて揺さぶられるものがあります。
曲名がわからないのが残念だが、CDがあったらぜひ買いたいとすら思う。

そういえば昨年、朝霞駐屯地に陸上自衛隊の観閲式を見に行ったとき、パレードで流れていた曲が軍歌『抜刀隊』で、暗めでひしひしと迫る旋律に、やはりちょっとした感動があった。
そして轟音とディーゼル燃料の臭いとともに小泉首相(遠くに点のように見えた)の目前を駆け抜ける戦車などなど…
どうでもいいが、友人の自衛官によると、観閲式で旧軍の軍歌が流れたこと自体、陸自の歴史では画期的だったのだそうだ。

ううむ…これはやばい、我が認識は右傾化しているのだろうか…ま、心情のレベルの好みということでしょう。現実理解はそれとはまたべつ、のつもり。

それはそうと、やっとでこうして書けるわけですが、これから宿泊勤務に入らなければなりません。やっとの休日なのに。
人不足が著しいのでしょうがないのですが…せいぜいしっかりと稼いでくるとしましょう。

それはそうと、さきに“仕事と自分の時間に関するイラショナルな思い込み”の論理療法セッションを取り上げたにもかかわらず、やはりこうして仕事をあっちに置いてまだ毛嫌いをしているところがある。

“自分の時間”では仕事の勉強をしないどころか、そもそも仕事のことを考えること自体を避けてすらいる。
例の思考の経済をやって、無意識にそれはひじょうに損だとまだ思っているわけだ。これでは仕事に弱腰になるのも当たり前。

日頃抽象的・一般的にものごとを考えるクセがどうもついてしまっているような気がする。それはそれでよい。
しかし自分が生きているのはまず日常・具体的な世界だ。具体的な問題を考える時間を取りたいもの。ようはバランスの問題だと思う。


さて、ネットで気になる記事を発見しました。後に引用します(全部コピペです。著作権とかは、まあいいのでしょう…)が、初期宇宙の、ビッグバンに先立つ驚異的なインフレーション(膨張)が、どうも観測的に実証されてしまったということのようです。

これによって、先日書いたような、おそらくいまのこの全宇宙が、誕生の瞬間(一兆分の一の一兆分の一秒…)に極微のエネルギーの“球”であったことが、現代科学の定説として語ることができるようになった、ということになると思います。

もちろんその瞬間の宇宙には空間も外界も時間も存在しないのだから“球”と表現することは厳密にはあたらないのかもしれませんが、しかしふつうの私たちは言語で表現できずイメージできないものを、そもそも想像することができません。
だから、方便として、比喩として、イメージとして一般的にそう表現することは誤りではないと思います。

それは比喩的に言えば、この世界・全宇宙はその瞬間、道元禅師が表現された“一顆の明珠”であったということでしょう(岡野守也著『道元のコスモロジー』大法輪閣、参照)。
こうして現代科学の宇宙進化のコスモロジー、『宇宙と私の大きな物語』は、その科学的根拠をますますしっかりしたものにしながら、それ自体が進化を続けていくようです。
うーん、世界という物語は、すばらしい!

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初期宇宙の「インフレーション」の証拠を確認
AP通信

 米国の宇宙物理学者チームが16日(米国時間)、宇宙がビッグバン後に急激に膨張したことを示す具体的証拠をつかんだと発表した。宇宙は、1秒の1兆分の1をさらに1兆分の1にしたほどの瞬時の間に、砂粒のような小さなものから、現在観測可能な領域以上の大きさに拡大したとする説を裏づける証拠だ。

 この「宇宙のインフレーション理論」は20年ほど前から唱えられているが、その直接的な証拠が確認されたのは、これがはじめて。

 また今回の発見は、非常に均質で高温なスープとして誕生した宇宙に、惑星や恒星や銀河を構成する物質がどのようにして形成されたのかを説明する理論の裏づけともなる。

 「インフレーションが実際どのように起こったのかを知るはじめての手掛かりを得られそうだ」と、全米科学財団(NSF)の数学・物理科学部門の副責任者であるマイケル・ターナー博士は述べた。「間違いなく驚くべき発見だ」

 コロンビア大学の理論物理学者、ブライアン・グリーン博士も、「今回の観察結果はめざましいもので、その結論は実に素晴らしい」と述べた。

 研究者たちは、宇宙全体に広がるかすかな輝き観察することで、インフレーションの証拠を見つけた。この輝き――宇宙マイクロ波背景放射――が生じたのは、宇宙誕生からおよそ30万年たった頃で、インフレーションが起こったずっと後のことだ。

 だが、古生物学者が化石からはるか昔に絶滅した生物について知るように、宇宙マイクロ波背景放射のパターンから、それ以前に起こったことに関する手掛かりを得ることができる。宇宙物理学者が特に興味を持っているのは、マイクロ波背景放射の画像をでこぼこに見せているわずかな明るさの変化(温度の揺らぎ)だ。

 研究チームは、プリンストン大学で行なわれた記者会見で、揺らぎの新しい測定結果を発表した。この測定は、2001年に米航空宇宙局(NASA)が打ち上げた『ウィルキンソン・マイクロ波非等方性探査衛星』(WMAP)を使って行なわれたものだ。

 WMAPのデータを使ったこれまでの研究で、宇宙の誕生は137億年(プラスマイナス数十万年)前と推定されている。また、WMAPの観測から、宇宙マイクロ波背景放射の揺らぎは全天に広がっていることもわかっている。こうした観察結果はインフレーションを強く示唆しているが、決定的証拠ではなかったと、ターナー博士は述べた。ターナー博士は今回の研究に携わっていない。

 今回の新たな分析では、以前より小さな範囲でマイクロ波背景放射の揺らぎを調査した――これまでの数千億光年という範囲ではなく、数十億光年の範囲だ。

 インフレーションがなければ、狭い範囲での揺らぎは、広い範囲での観察と同じになるはずだが、今回の調査で、揺らぎの大きさにかなりの違いがあることがわかった。

 「このデータはインフレーション理論を裏付けている」と、発表を行なったジョンズ・ホプキンズ大学の宇宙物理学者、チャールズ・ベネット博士は述べた。今回の研究には、プリンストン大学のライマン・ペイジ博士とデビッド・スパーゲル博士も協力した。

 ベネット博士は、「宇宙の最初の1兆分の1秒の間に起こったことについて何かを語れるとは、まったくの驚きだ」と語った。

 研究チームによると、マイクロ波背景放射に見られる小さな揺らぎは、インフレーションの最中にできはじめたという。これらが、最終的に星や銀河の形成につながったのだという。

 観測結果は、『天体物理学ジャーナル』誌に掲載される予定。


[日本語版:天野美保/岩坂 彰]

2 コメント

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街宣車の歌 (ぶるるんぱ)
2006-03-25 09:31:45
「出征兵士を送る歌」だとおもいます
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Unknown (軍曹)
2006-03-29 00:29:39
>ぶるるんぱさん

あ、お教えいただいていたのですね、失礼しました。ありがとうございました。なるほど、「出征兵士を送る歌」ですね。さっそく探してみます。あ、そういうのにお詳しいのでしょうか? またぜひ教えて下さい。

それはそうとああいった軍歌のテンションの異様な高さ、昨今のヘタレきった音楽とはある意味対極にあるような気がします。歌は時代精神をあらわすもの、ああいう時代だったんですね…

そういえばアレを聞くと『巨人の星』の主題歌を思い出してしまいます。戦後復興も戦地への出征のノリだったんだな、新日本建設に向けて。
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