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「ダークサイドミステリー  ケネディ暗殺 陰謀論の正体に迫る」(NHKBS、7/11)について①

2019-07-24 | JFK暗殺事件について
 7/11放送のNHKBSの「ダークサイドミステリー  ケネディ暗殺 陰謀論の正体に迫る」という番組をさきほど録画で見た…というよりも「見てしまった」というほうが気持ちとしては正確である。

 この事件に関心のある人で視聴した人も多かったと思う。しかしBSとはいえ、そしてエンターテイメント番組とはいえ、とにかくひどいの一言、NHKの見識を疑わせる番組であった。

 私事で恐縮だが、光回線テレビに加入するとNHKBSの料金支払が強制されることを最近来た請求まで知らなかったので、その私怨もある。だったら光テレビなど契約しなかったのに…

 国民から電波料を強制徴収しながらこの体たらくなのか、と毒づきたくもなるというものだ。

 ともあれ、これは公式見解=オズワルド単独犯に反すると見解を「陰謀論」と決めつけ、それは要するに愚か者たちが見る幻想に過ぎない、陰謀論には気をつけましょうネ、というありふれたごく陳腐な内容である。
 それだけならこれまでにも見てきたし、あえて取り上げるまでもない。しかしこの番組の問題はそれにとどまらないものがある。

 そもそも「陰謀論」なる用語の流布それ自体が、この事件の真相隠蔽を図る政治的プロパガンダの結果であった可能性があることは、前に紹介した以下の記事を参照していただきたい。
 http://news.line.me/articles/oa-rp76672/7a9bc7435954
 真偽の程はもととなっている英語文献を当たる必要があるが、記事の限りCIAの内部文書を直接引用しており、個人的にはその信憑性は高いと思われる。

 にも拘わらず、番組は無批判に「陰謀論」をキーワードにし、公式説に反する意見を一緒くたに「陰謀論」としている。つまり政府公式報告であるウォーレン報告書の筋書きが正しく、それに反する見解を「陰謀論」と決めつけているわけだ。
 
 しかしその報告を命令し受領した当の後任・ジョンソン大統領が、「報告書の内容を信じたことは一度もない」と明言し、事件は事実上「陰謀の一部だった」と指摘している事実は紹介したとおりである。
 そうした基本的事実の確認は、一体どうなってしまったのか?(詳しくは以前の記事を参照のこと)

 更に、冷戦真っ盛りの時代に入国すら難しかった米ソ両国の間を、政治亡命しその後無事帰国まで果たし、共産主義キューバのシンパとして堂々と「活動」していたとされる、オズワルドという若者の存在自体のあからさまな不可解さはどう説明するのか?

 しかも番組でわざわざ紹介していた、オズワルドの存在をCIAが事件の相当前から記録し、それが最高幹部にまで内部的に報告されていたという近年明らかになった事実の追及は、一体どうしたのか?

 しかしポイントはそこではない。この安易な番組について疑問点はさらに数多いが、肝心の一点に絞ろう。
 それは番組で取り上げられた有名なザプルーダー映像の、224コマ目とその前後のコマについての取り扱いである。

 番組では、このフレームをわざわざ取り上げ、映画「JFK」をはじめとして根強い、オズワルドによる大統領と前に席の州知事を一発で貫いた「シングル・ブレット・セオリー」を否定する懐疑論への、最有力の反証としている。

 すなわち、224コマ目でコナリー知事の一瞬めくれ上がった襟を、背後からの銃弾の貫通によるものとまで認めながら、その時大統領が被弾の様子を示していることから、「映画「JFK」が言うように知事の被弾の遅れなど生じていない」とする。
 これらのコマこそが「オズワルド単独犯説の核心たるシングル・ブレット・セオリーを証明している」というのである。

 しかしこれは全くありえない見方である。
 それはなぜか?



 この224コマ目こそ一発説=オズワルド単独犯降説を覆す決定的証拠として、これまで当ブログでも度々とりあげたが、まさかそれが「一発説の証拠」になるなどと主張され、あまつさえ公共の電波に乗るなどとは夢にも思わなかった。

 オズワルドの一発説を信じるなら、カルカノの銃弾は銃口からわずか80メートル程度とされるこの位置では、音速を遥かに超える速度を維持しているはずである。

 したがって、仮にケネディにヒットしたとしても、喉部の貫通程度ではさほど減速することなく、コナリー知事に向かったと見る必要がある。前後の二人を貫通するのは、時間にして一コマの何十分の一の出来事であったに違いない。

 しかしこの224コマ目をひと目見ればわかるように、コナリーを銃弾が貫通した瞬間、ケネディはすでに両手を喉から胸のあたりまで上げる動作をしている。明らかに、ケネディはこれより前のコマで被弾しているのである。

 このタイムラグの存在こそ、一発説を否定し、オズワルド単独犯行説ひいては公式説を根底から覆す決定的な、疑問の余地のない証拠となっているのである。

 コメンテーターたちは、この事件で残された映像・写真等について、「いくらそれらが残っていようとも、結局人の見方次第でいかようにも解釈でき、したがって決定的証拠になりえない」といった趣旨の、一見もっともなご託宣をのべていた。

 しかし、この224コマ目の意味するものの、どこをどうすれば「見方次第」となるのか?
 このコマは二人の被弾の時間差をはっきりと証明している。それ以外、どこに「解釈の余地」があるというのか?

 あまりに虚しいが、念の為考えてみることにしよう。

2 コメント

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Unknown (type1974)
2020-04-29 09:25:34
コメントありがとうございます。ま、世の中のダークサイドを興味本位で取り上げるという番組のようなので、あまり言うのも虚しいですが、ほんとにひどいというのに全く同感です。
おそらくこの番組にかぎらず、少し前の池上彰さんの番組もほぼ同じようなものだったので、そんなあたりさわりない内容しか作れないのがテレビ業界の現状なのだろうと感じます。80〜90年代の番組は、この件に関してももっと健全な批判精神があったのですが。
ともあれ、一発の銃弾が二人を貫通したという公式説は、番組でも取り上げられたザプルーダー映像の224コマ前後から明らかに虚構だと断定されます。この一点からして、オズワルド単独犯は誰の目にも完全にありえない。だとすれば、番組が垂れ流しているようなウォーレン報告以来の公式説の全体がフェイクであることが確定しています。
もし「陰謀論」というなら、この事件に限っては正真正銘の陰謀が存在したという他ない。番組では「コンスピラシーセオリー」なる用語がこの事件で初めて言われるようになったことまで取り上げられながら、その点の追及がないこともきわめて不満感があります
ぜひあらたな真相解明の番組ができるといいのですが、期待薄でしょうね‥
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Unknown (DAIS)
2020-04-28 11:08:59
昨日再放送の録画を見ましたが、非常にひどい内容でしたね。
ライフル銃一発の弾丸でどれだけ人間の体に穴をあけられるのかという単純な疑念すらも取り上げられていませんでした。
あのような滅茶苦茶な番組が我々の受信料で製作されている事と、それに乗っかっている大学教授が複数いることに憤りを感じました。
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