愛媛の伝承文化

大本敬久。民俗学・日本文化論。災害史・災害伝承。地域と文化、人間と社会。愛媛、四国を出発点に考えています。

広島県呉市の吉浦カニ祭り

2013年10月07日 | 祭りと芸能
広島県呉市。ここのお祭りは興味深いです。鬼をやぶと呼んだり、博労が出たり、だんじり(ちょうさいとも呼ばれる布団太鼓)もあったり。かつては奴行列があったり。愛媛県との比較でいえば、旧中島町の秋祭りの諸要素と共通することが多い。旧中島町つまり忽那諸島の祭りについては、東西方向の文化伝播でしまなみ海道など越智郡島嶼部とのつながり高輪半島とのつながりを第一に考えていた部分があったが、旧呉地域やとびしま海道との共通性、違いを実証的に考えてこなかった反省が少しあります。今回の呉市の祭礼調査は忽那諸島の文化領域を考える上で参考になりました。写真は吉浦八幡神社のかに祭りに出ていた神龍保存会の龍。白煙を吐いています。古写真には出てこなかった。今回確認できなかったので、いつから出ているのか今後要調査ですが。広島県は(愛媛もですが)文化庁調査事業の「祭り行事調査」をまだ実施していないので、網羅的に祭礼情報が入手しにくい状況にあります。呉市の祭礼はいまいち全体像がつかめていませんでしたが、今回、少し見えてきました。愛媛の祭礼文化を考える上では四国内のみならず山口、広島、岡山、兵庫の状況は把握しなければいけない。その作業を毎年少しずつではありますが進めています。

拙稿「南海地震の歴史と伝承」刷り上がりました。

2013年10月07日 | 日々雑記


四国民俗学会の雑誌『四国民俗』第45号が刷り上がりました。平成25年9月30日発行。

拙稿「南海地震の歴史と伝承ー愛媛県の事例を中心にー」も1~17ページに掲載されています。

今年6月23日に行った講座「南海地震の歴史と伝承」で参加者に配布した愛媛県の地震年表をこの原稿に付け加えたかったのですが、それは校正段階では追加原稿量が多すぎて都合により入稿できず。

愛媛県の詳細地震年表は、また掲載の機会を待ちたいと思います。