愛媛の伝承文化

大本敬久。民俗学・日本文化論。災害史・災害伝承。地域と文化、人間と社会。愛媛、四国を出発点に考えています。

愛媛県内の自然災害伝承碑(大洲市長浜町)

2019年09月27日 | 災害の歴史・伝承





明治19(1886)年9月24日、愛媛県内は台風が襲来し、豪雨となっていた。現在の大洲市長浜町須沢(当時、櫛生村)において大規模な「地すべり」が発生する。須沢川の谷に面した山腹が一気に崩壊してしまう。この付近は三波川帯。急傾斜地の崩落は他地域よりも少ないが、地すべりが発生しやすい地質。大洲市、八幡浜市域の災害の地域的特徴とえいる。この地すべりによって、死者39人、家屋の埋没72戸、田畑の流失7.6haという大きな被害となった。その3年後、明治22年に犠牲者の慰霊のための地蔵菩薩と、災害の経緯を刻んだ石碑が建立された。今年2019年、地図記号に「自然災害伝承碑」が新たに加えられたが、愛媛県内では唯一の登録となっている(9月17日現在)。愛媛に自然災害伝承碑は他にも数多く存在する。これらが早く登録されんことを願う。
この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 平成30年7月豪雨での浸水高の... | TOP | 第9回西予市俳句大会 »
最新の画像もっと見る

Recent Entries | 災害の歴史・伝承