愛媛の伝承文化

大本敬久。民俗学・日本文化論。災害史・災害伝承。地域と文化、人間と社会。愛媛、四国を出発点に考えています。

2024年辰年 愛媛県内に残る竜伝説

2024年01月01日 | 口頭伝承
元旦。あけましておめでとうございます。2024年もどうかよろしくおねがいいたします。

さて、本日1月1日付愛媛新聞の1面と5面に、愛媛県内に残る竜伝説の特集記事が載りました。八幡浜市大島の龍王池、西予市野村町石久保の竜王様、大洲市森山の拝竜権現、西条市禎瑞の竜神社、今治市波止浜、波方町の龍神社などが紹介されています。


写真は西予市野村町石久保の竜王様


私もこの記事、取材に協力しましたが、あらためて愛媛県内の竜関連の文化、事例を整理する機会となりました。精力的に現地取材され、執筆された森記者、ありがとうございました。

記事では触れられませんでしたが、これらの他にも、新居浜市立川の龍河神社、新居浜市などの祭りの太鼓台の布団締めや幕の龍デザイン、松山市奥道後の竜姫宮、東温市音田の大崩壊物語の龍神様、大洲市の臥龍渕、西予市野村町大野が原の龍王神社などの竜にまつわる文化も各所、さまざまに残されています。

愛媛県内での竜の伝説は、川、海近くの水害被災地や被災リスクの高い場所に多く残されています。記事にもコメントしましたが、「竜は現代人にとってはキャラクター化されたファンタジーな存在だが、水害とともに生きた先人の伝言に耳を傾けてほしい。」

地域に継承された伝説は、いまの私たちのくらしを、安心、安寧なものにしていく可能性を有しています。地域の伝説に注目する、いままで受け継がれ、残された意味を考える、そして後世につなげることが大切だと思っています。
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