時代のウェブログ

イマを見つめて
提言します

幽霊列車、現る

2006年08月21日 07時13分02秒 | 趣味・遊び
無人列車、8.5km走る。(21日・読売)
見ていた人は、幽霊列車だと思ったそうだ。真夏の夜に相応しいミステリーか?
いつもいつもこういう話で「リスク・マネジメント」なんて書いてても芸が無いので、今回は少し軟らかめの話をする。
『幽霊列車』といえば、ご存知、赤川次郎のプロデビュー作だ。この作品で第15回オール讀物推理小説新人賞を受賞した赤川は、その後ヒット作を次々と執筆し、ユーモア・ミステリーの売れっ子作家となる。
ネタばれはマナー違反なので、ストーリー解説はしないが、ミステリー小説としてはストーリーはイマイチかな?という感想。あんな中途半端な嘘がOKなら、もっと徹底的に嘘を付けば幽霊列車のトリック自体、必要なかったのでは?と思う。
しかし、アマチュア時代に書いた作品に、そこまでケチをつけるのもどうかと思う。

いっぽうキャラクター作りには、すでにこの作品から非凡な才能が見られる。赤川作品に共通して言えるのは、魅力的なキュラクターだろう。三毛猫ホームズにしても、三姉妹探偵団にしても、吸血鬼エリカにしても、キャラに魅力があるからシリーズ物として成立していると思う。そんな数ある赤川作品の中でも、この「幽霊」シリーズの永井夕子は最も好きなキャラクターだ。
「どんな点が魅力か?」は、長いことうまく説明できずにいた。語り尽くせない魅力があり、とても短く表現することができずにいた。しかし、最近になって、漸く一言で言える便利な単語が生まれた。
そう。永井夕子は
ツンデレだ。赤川作品に登場する女性はツンデレが多いが、永井夕子は一番、典型的なキャラと言っていいだろう。
関係ないが、私は大の猫好きである(笑)。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

フェイル・セーフティとフォールト・トレラント

2006年08月21日 02時19分00秒 | 学術・教育
フェイル・セーフティ(fail safety)という考え方があります。フェイルは「故障」、セーフティは「安全」で、つまりは「安全な故障」という意味になります。一見、矛盾する言葉の繋がりですが、この言葉が表す精神は、全ての機械(システム)に故障は避けられない、だから万が一、故障しても安全を確保しようという思想です。
フォールト・トレラント(Fault tolerant)という考え方もあります。これは一部で問題が発生しても、それが原因で全体がおかしくならないようにしようという発想です。

例えばジャンボジェット機には4つのエンジンが付いていますが、ただ飛ばすためには4つもエンジンは必要ないとか。1個か2個でも充分に飛べるそうです。しかし、それだとエンジンが故障した時に、直ぐに墜落という事態に陥ってしまいます。そのため、余分にエンジンを付けているのです。

文部科学省の通達によると、プールの給排水口の防護柵は二重にしておくことと指導されていたそうです。しかし調査によれば、1900近いプールで、これが守られていなかったとか。確かに防護柵はひとつ付いていれば、人が吸い込まれる事故は起きません。しかし埼玉県の事故のように、それが外れてしまえば、たちまち事故が起きてしまいます。防護柵を二重にするというのは、fail safetyやFault tolerantの発想と言えるでしょう。
しかし残念ながら、これらの思想は、まだほんの一部にしか浸透していません。いや、本来ならば浸透しているべきエレベーター業界でも、シンドラー社の事故を見れば、全然考えられていない印象を受けます。

機械やシステムは絶対に故障しない物ではなく、人間は絶対にミスしない存在では有りません。故障やミスが起きたとき、それを大惨事に繋げないためにも、これまで述べた考え方がもっと広まるべきだなあと考えます。
ついでに言うと、昨日のエントリーで「記者は着メロを使うな」と書きましたが「バイブにすれば問題ないじゃん」という考えもあるかと思います。しかし、それを承知のうえで「変え忘れることや、変えられない場合も有り得るから、使うべきではない」と考えます。これもfail safetyのひとつですね(笑)。

fail safetyやFault tolerantというのは、なにも原発や乗り物、工場などの一部の世界だけでなく、すべての世界で役立つ精神ではないかと思います。


【ブログ移転のお知らせ】
トラックバック文字化け問題が長期に渡って解決されないので、この度Goo-Blogへ移転することにしました。なにかとお手間を取らせますが、引き続き宜しくご愛読のほどをお願いいたします。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする