脱炭素に逆行、自治体にはお荷物施設――ごみ発電計画は撤回を!
Dさんの意見
新ごみ処理施設は、エネルギー回収施設(現ごみ焼却施設)とマテリアルリサイクル推進施設(現粗大ごみ処理施設)の二大部門に分かれます。エネルギー回収施設とはごみを焼却して発電する施設のことです。効率的な発電を行うためには大量のごみとともに火力の強いプラスチックごみが必要ですが、ことし6月に成立した「プラスチック資源循環法」により、分別収集、リサイクルに力を入れていくことになり、プラごみの焼却は大きく制限されることになりました。また、プラごみの焼却は大量の温室効果ガスを発生させるので脱炭素に逆行しますから、ごみ発電計画の採用は撤回すべきです。小泉環境相もごみ発電を指す「熱回収はリサイクルとは呼ばない」と言っています。(参議院環境委員会)。広域組合は「プラスチック資源循環法」による計画への影響を明確に語るべきです。
ごみと廃プラの焼却にダイオキシンはつきものーーー大量焼却は安心できません
プラスチックごみを燃やせばダイオキシンなどの化学物質が発生します。広域組合は煙の中のダイオキシン濃度は基準値以下だと言いますが、燃やすごみの総量が増えればダイオキシンの発生量も増えてしまいます。ごみの焼却によって水銀、鉛、ひ素などの有害物質も発生します。環境への心配を少なくするにはごみの焼却を減らすことが一番ですが、大きく減らす計画になっていません。これでは安心できません。広域組合は安心できるという根拠を示すべきです。
2.5億円の売電収入は幻想、お荷物施設化は必至です
計画案はごみ発電により年間2.5億円の売電収入を見込んでいます。しかし、ごみ発電は焼却施設の建設費が高いうえに、強い火力で燃やすために補修費など高額の運営・維持管理費が必要になります。
運営・維持管理費は現在の施設では年間6.8億円(2019年度)程度ですが、新施設では10.9億円と4億円も高くなり、市町の財政を圧迫します。
今後プラスチックに対する規制が強化されますから、焼却炉に投入するプラごみが減ると計画発電量が実現できません。2.5億円とする売電収入はあてにできないのです。広域組合は2.5億円が確実に確保できる根拠を示すべきです。
以上