伊勢市美術展の検閲行為について抗議

伊勢市美術展で「慰安婦像」を用いた作品が展示不可となったことについて、ユニオン太郎は伊勢市のホームページの「市民の声」に抗議の意見を投稿しました。

《「市民の声」への投稿》

今年度の伊勢市美術展で、「慰安婦像」を用いた作品を展示不可としたことは、明らかに憲法違反の検閲ではないか。
憲法２１条２項で禁止されている検閲は「行政権が主体となって、思想内容等の表現物を対象とし、その全部または一部の発表禁止を目的として、対象とされる一定の表現物につき網羅的一般的に、発表前にその内容を審査した上、不適当と認めるものの発表を禁止すること」（８４年１２月１２日の最高裁大法廷判決）と定義され、最高裁はこの判決で、憲法に禁止規定があるのは「公共の福祉を理由とする例外の許容をも認めない趣旨」との解釈を示している。
行政権の一つである市教委が主体となって、作者の思想内容を示した表現物を対象とし、発表禁止を目的として、発表前にその内容を審査した上で、不適当として発表を止めた。これは最高裁の定
義通りではないか。
（検閲についての「４７NEWS」掲載の共同通信編集委員の竹田昌弘氏の見解を要約）
市教委は展示不可の理由として「安全な運営」を挙げているが、警察当局にも防衛、取り締まりを要請するなどして、混乱の防止に必要な措置をとるべきであり、展示不可の正当な理由にはならない。
以上の立場から市長と市教委に下記のことを要請する。
１．展示不可として作品を展示しなかったことを取り消し、作者と知る権利を侵害された市民に謝罪すること。
２．今回の市美術展と同じ日数（５日間）、同会場（シンフォニアテクノロジー響ホール）にて、当該作品を公開展示すること。

写真は「中日新聞」10月31日付けより