母の時間

はじめて癌の腫瘍を目の当たりにしました。
手術室から出て来たドクターの手には、パットに入った切り取られた部分、２０センチはあった。

夜桜コンサートの客入りを心配していた前夜、病院からの電話で母の緊急手術の必要を知らされました。
手術予定時刻はコンサートがはじまる２４時間前。

腸壁に穴があいている可能性から開腹してみたら、大きな癌腫瘍と無数に転移したそれがあったそうです。
予想外で衝撃的でもあるけれど、ドクターのはっきりした説明口調にうろたえる事なくありのままを知りました。


落ち着け、落ち着け・・・
真夜中の帰宅に、明日のコンサートを無事に乗り越えるまで、何も起こらないと祈ると同時に根拠のない確信の中、どうやって眠りについたか覚えていません。

母は癌でした。



　


命には時間という見える形があります。
これからの母の時間をどんな風に過ごせるか、どんなサポートが出来るか考えます。