
今年のお正月につづいて、手持ちの椿4種の花をアップする。いずれの椿も、ちいさくとも花が咲き、鉢植えで鑑賞できるので具合がいい。しかし、同じ椿でも特性が多種多様で品種数が多くて、同じ時期に咲きそろうことはない。椿の品種は千種と言われていたかな?
この中で、一番上の左側の蕾の椿はわたしの実生である。旧蝋、新潟県内の北方博物館で採取したユキツバキ(雪椿)系とおもわれる1本である。推定品種では“衣雲(キヌグモ)”が近い。

図鑑の解説では日本海沿いはヤブツバキ(藪椿)系と、ユキツバキ(雪椿)系は積雪地帯の山岳部に自生するとされていて、その選抜によるユキツバキ系の品種数は160種以上あるそうである。なかなか、奥深い。これから先は、わたしにとって、品種名の同定までは力不足である。
左右上下の順序で掲載する。ほか3種は、茶花で言うところの侘助椿、侘介椿(ワビスケツバキ)である。
紺侘助:花---春(2月~4月)。極小。やや赤みのある黒紅。五弁、一重、猪口(チョク)咲き。筒蕊。弁脈明白、花糸は紅。
葉---長楕円、小、鋭尖頭鋭脚、先端反曲、葉脈明白、濃緑。
樹形樹勢---立性、並、伸長悪し。
産地---愛知県、尾張地方に古木が多いと言われる。
備考---子房は無毛。葯の退化も見られない。着蕾多い。ヤブツバキ系品種。
卜伴:花---春(3月~4月)。濃紅色の一重、唐子(カラコ)咲き、小輪。個体差あり。
葉---長楕円、中型、葉脈顕著。
樹形樹勢---立性、弱。
産地---関東。
備考---‘早く江戸期から知られた古典品種。関西地方では、本種を月光(ガッコウ)という。
覆輪侘助:花---冬~春(11月~3月)。中大。微香。淡桃地に白覆輪ぼかしが入る。一重、ラッパ咲き。筒蕊。
葉---長楕円、中、平坦、鋭尖頭鋭脚、葉肉厚い。
樹形樹勢---立性、強、枝打ち後は樹形が粗くなる。
産地---愛知県。
備考---‘初雁’の枝変わり。1960年に佐藤稔が命名、発表。‘初雁’からは桃花(桃色昭和侘助)も出る。
【参考図鑑】
・[日本の椿花]平成元年2月10日初版発行
--著者;横山三郎/桐野秋豊 --発行者;㈱淡光社




