自分史や自伝物で、今までわたしが読んだなかでは秀抜な本は次に上げるもの。これは〈全裸監督〉を除きほぼ本人の直筆と思われる、フィクションまみれの自叙伝や評伝ではない。関心のある方にぜひお奨めしたい。
・高橋是清自伝(上下)上塚司(編) 中公文庫
・「自分史の書き方」 立花隆 講談社学術文庫
・福翁自伝 福沢諭吉 講談社学術文庫
・逸翁自叙伝 小林一三 講談社学術文庫
・フランクリン自伝 松本真一・西川正身訳 岩波文庫
・忘れ残りの記 吉川英治 文藝春秋
・安売り一代 安田隆夫 文春新書
・全裸監督ー村西とおる伝 本橋信宏 新潮文庫
それはさておき、ここでは、保阪正康の『自伝の人間学』(自伝の書き方・改題・新潮文庫)について触れる。以前も自分史については、このサイトでは左欄のカテゴリー【自分史・出版のこもごも】で区分し触れているが、たまたま読んだこの文庫本『自伝の人間学』が面白い。色々な業界ごと分野ごとに論じているのだが、それらをわたしの好みでピックアップ。わたしは次にはこれを読むぞ!とまとめてみた。これらは明治以来の国内の著述、口述を含むかもしれぬがゴーストライターがいる訳でもなく、正真正銘の自著とされるものばかりである。また、他者による伝記や評記本とも異なるので留意を願う。
・大戦外交の手記--時代の一面 東郷茂徳 中公文庫
・田中正造昔話 田中正造 岩波書店
・父の履歴書 保阪正康 立風書房
・私の昭和史 末松太平 みすず書房
・私の聖書物語 椎名鱗三 中公文庫
・ある青春の軌跡 鈴木智子 女子パウロ会
・何が私をかうさせたか 金子ふみ子 春秋社
・遠いうた 徳川元子 文春文庫
・森繁自伝 森繫久彌 中公文庫
・びんぼう自慢 古今亭しん生 ちくま文庫
・旅人 湯川秀樹 角川文庫
・本多静六体験八十五年 本多静六 実業之日本社
・私の野球生活 風雲の軌跡 三原脩 東亜出版社 ベースボールマガジン社
・雨夜譚 渋沢栄一 竜門社
・ミニヤコンカ奇跡の生還 松田宏也 ヤマケイ文庫
・屛風岩登攀記 石岡繁雄 あるむ 中公文庫
・蘇峰自伝 徳富蘇峰 中央公論社
・ある心の自叙伝 長谷川如是閑 朝日新聞社
・湛山回想 石橋湛山 毎日新聞社 岩波文庫
・政治わが道 藤山愛一郎
・滝山コミューン一九七四 原武史 講談社
・自民党幹事長室の30年 奥島貞雄 中公文庫