うざね博士のブログ

緑の仕事を営むかたわら、赤裸々、かつ言いたい放題のうざね博士の日記。ユニークなH・Pも開設。

野本寛一さんの本を読む

2024年08月21日 04時18分23秒 | 活字中毒の日々、そして読書三昧

 ここでは、野本寛一さんの著書を取り上げる。この学者名は《週刊新潮》のある脳研究者の連載コラム記事で紹介されていた。
 民俗学の分野に類するらしいが、野本さんは「環境民俗学」を提唱されている。
 フィールドワークで得た情報を次から次へとあげて写真と文章は展開する。わたしにとって文意はイメージを繰り広げる単語の集積ではないので叙述通りについていけばいいのだが素っ気なさがある。しかしわたしは、日本語独特の語感に貧しくて文章の背景が薄い記述の退屈に耐えなければならない。
 ここでは、北海道を除くフットワークありきで全国を集めて調査渉猟した具体的な事実の集積、膨大な内容であり、分類し章立てした内容は重複している可能性もあり得るのだが、読了するのには物理的に時間がかかり過ぎる。読書向きではなく学術的な研究書というカテゴリーになるのだろうが。
 如何に活字好きのわたしでも興に乗れば継続して読み進められるが、段落はあってなきが如くで、時と場合には忍耐を強いられる。したがって、理系に多い論理を駆使した文章の展開的な内容の論文調とは異なる、また語感を活かした文の構成や、叙述性がある文学書と異なり読み通すのは大変である。

野本寛一さんの著書
・自然暦と環境口誦の世界 大河書房
・神と自然の景観論 講談社学術文庫
・生態と民族 講談社学術文庫
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角川歴彦氏の『人間の証明』を読む

2024年08月20日 10時29分12秒 | 活字中毒の日々、そして読書三昧
わたしにとって、この夏は、パリオリンピックに高校野球と一人テレビ視聴の日々が奄々と続く日常がある。合い間に濫読の日々。暇つぶしの日々。まあ、時間はいっぱいあるという状況か。わたしは前期高齢者でもある。ここで恥を承知で言うと、日中室内ではパンツ一丁どころか全裸である。宅配便とかがあると、短パンを履きあわてて玄関に向かうのだ。わが家庭、家族の中ではわたしだけは男鰥状態、暑さにかまけて外出はおろか閉じこもり状態だ。金銭関係は単身赴任の生活で学んだ、入るを以って出を制するではあるが、わたしは年金生活者、このリタイヤ後の生活では現金を使わず、外出もままならず非生産的で極めて不活発な暮らしを送っている。

・角川歴彦『人間の証明』㈱リトルモア 2024.6.27初版第1刷発行 ¥1200+税
 角川歴彦氏の『人間の証明』を読む、この本は手記の体裁だ。角川さんはあの角川書店の経営者だ。この内容としては、重く厳しい日本独特の検察制度を告発している。無罪を主張する角川さんは2020東京オリンピックの贈収賄罪で逮捕された。小菅の東京拘置所に226日間拘留されて、保釈請求を繰り返し5回目でやっと仮釈放が認められた。
 ここでは、いわゆる『人質司法』を取り上げている。角川氏のまとめた内容では、次のようになる。日本の検察の取り調べ手法は、客観的な証拠よりも自白に偏重している。その最大の武器が逮捕・起訴した相手を長期間にわたって勾留する人質司法である。刑事訴訟法では起訴後の勾留期間は原則二ヶ月とされる。だが否認または黙秘すると「証拠隠滅のおそれ」があるとして容易に保釈されない。「証拠隠滅のおそれ」があると、裁判所は一ヶ月ごとに勾留を更新し、しかもその場合、更新の回数に制限はないため、勾留がずっと続くことになる。

 重要ワード:人民裁判 代用監獄 公共訴訟 国策捜査 冤罪  検察のマスコミ誘導

 わたしは日本の裁判制度には比較的詳しいと自負しているが、これに該当するいままでの訴訟事例として、以下の通りとされる。これはアトランダムに挙げたもので不明部分もあることをご了承願いたい。
 ・外務省 佐藤優氏      
 ・厚労省 村木厚子氏 郵便不正事件 冤罪   
 ・大川原化工機 相嶋静夫氏 生物兵器製造機器無許可事件 冤罪
 ・日産自動車 カルロス・ゴーン氏  金融商品取引法違反
 ・    山岸忍氏 業務上横領事件   
 ・厚労省 阿部英氏 薬害エイズ事件 冤罪   
 ・オリンポス粉飾決算事件 横尾信政氏
 ・福島県知事 佐藤栄佐久氏 収賄罪
 ・袴田事件 袴田氏 強盗殺人罪 再審請求中
 ・    三浦和義氏 ロス疑惑事件  
◍参照出版物
 ・佐藤優 〈国家の罠〉ー新潮社
 ・弘中惇一郎〈無罪請負人・刑事弁護とは何か?〉ー角川新書
 ・高野隆〈人質司法〉ー角川新書
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立原正秋の本、紀行・自伝を読む。

2024年08月07日 10時11分34秒 | 活字中毒の日々、そして読書三昧

今日は立秋、まだまだうだるような暑さが続く。この春からの読書で 立原正秋 ものを読み継ぐ。求めた先は全てアマゾンによる古書の文庫本である。わたしにとって立原正秋は、鋭角的で独特な美意識の持ち主ではあったが、かつては流行の通俗小説で売れていても見向き気もしなかった。しかし、在日韓国人としての出生による日本の歴史や伝統への傾倒、仏教に造詣が深い小説家だ。実は 立原正秋 は既に亡くなり忘却の彼方の人である。また造園業界出身のわたしとしては日本庭園にも真正面に取り組んでいることを知るにつれ読み進めている。今後は、紀行文や自伝も含め何回かに分けて記していきたい。

■異邦の空・日本の旅 立原正秋 角川文庫 古本 
以下に、まず日本人にとって大事だとおもわれる箇所を抜き書きする。
『慶州では、武烈王陵だけを訪ねた。まるで秋のようにくっきりと澄みきった空を背景に五つの陵が並んでいるのを目の前にして、私は日本と朝鮮の古くからの交流をたどっていた。それは近親憎悪の交流を重ねてきた歴史で、あった。奈良時代に日本人と朝鮮人が通訳なしでしゃべれたということはすでに日本の言語学者が証明している。万葉仮名は漢字の音訓であった。片仮名、平仮名は平安初期に発生した音節文字であった。つまり片仮名、平仮名以前は、漢字が中心であり、日本語も朝鮮語もなかったことになる。今日、日本語と朝鮮語が発音、意味がまったく同じであるのが多いのは、こうした歴史的事実によるものだろう。日本の仮名にあたるのが朝鮮ではハングルである。漢語と仮名混じりの日本文、漢語とハングル混じりの朝鮮文は、文章の構造において全く同じである。ハングルはオンムン(諺文ゲンブン)といい、世紀一四四六年李朝の世宗が、〈訓民正音〉の名で公布した音標文字で、母音、子音が二十八字からなっている。一四四六年といったら、それより二十年後に日本では応仁の乱がおこっている。こうみてくると、日本の仮名文字は平安初期に創られているから、朝鮮から漢文と仏教が伝わってから、日本の文化は朝鮮を追い抜いて急速に独自の発達をとげたことになる。日本人の美意識がなったのは奈良時代ではなく平安時代であった。外国から文化を輸入しても、それを独自に咀嚼して日本の風土にあわせてしまった日本人の才能は、世界でも例がないだろう。平仮名ができて〈源氏物語〉が生まれるまでにそれほどの時間はかかっていない。』 -無常感漂う韓国の寺院-

■日本の庭 立原正秋 新潮文庫 古本

■心のふるさとをゆく 立原正秋 角川文庫 古本

■冬のかたみに 立原正秋 新潮文庫 古本

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「日本の秘境」を読む。

2024年06月28日 17時37分08秒 | 活字中毒の日々、そして読書三昧

わたしの読書方法はいつも何冊も同時進行し読んでいく。これは多分に気まぐれなわたしの性分による。最近の傾向は白川静の漢字・文字学、八甲田山陸軍雪中遭難事件、JAの農業政策・タネの問題、ヒッチコックの映画技術、中国の古典・史記や三国志、などだ。わたしは、勿論、文系出身を自負しているが、こんな風だと、多岐多方面で、まことに興味のもっていき方が散乱で無辺で、人物的には情緒不安定、性格不詳となるやもしれない。他人がわたしの書棚や寝室内の平積み状況を見ると、ますますちんぷんかんぷんになるかもなあ。まあ、わたしはわたしだ、どうでもいいけど。この本の乱雑具合、待てよ・・・、終活の問題があるか。
 ところで、ここでは、山と渓谷社という出版社から出ているヤマケイ文庫「日本の秘境」岡田喜秋著を取り上げる。ヤマケイ文庫シリーズはユニークな編集方針でなかなかコアな内容である。この本については、わたしはつい最近知ったが紀行文としてはかつて好評を博した著作らしい。岡田氏は事前に計画を持って昭和33年ころ現地へ行った。単独行である。その直後に出版された。因みに、紀行文学として「日本の秘境」は古典的名著とされる。また、同系統とおもわれる著者の「定本 山村を歩く」、「名残の山路」は探して読書予定である。

 以下に章立てした目次をあげれば内容の目処がつくが(18箇所)、ここにわたしが過去にこの現地周辺へ踏査や観光しているところや、未踏地への思いを語りたい。
・山
 山頂の湿原美と秘湯-----赤湯から苗場山へ-----
 九州脊梁山地を横断する-----人吉から椎葉へ-----
 乳頭山から裏岩手へ-----秘話ある山越え-----
・谷
 神流川源流をゆく-----西上州から奥信州へ-----
 大杉谷渓谷をさぐる-----秘瀑の宝庫-----
 アスパラガスを生む羊蹄山麓-----地場産業の創出-----
・湯
 中宮温泉の二夜-----白山山麓の動物譚-----
 酸ヶ湯の三十年-----冬の秘話-----
 夏油という湯治場へ-----奥羽山中の秘湯-----
・岬
 陸の孤島・佐田岬-----四国の最西端-----
 日高路の果て・襟裳岬-----開拓民の連帯感-----
 四国の果て・足摺岬-----憧憬者の心境-----
・海
 千島の見える入江-----早春の野付岬-----
 四国東海岸をゆく-----橘湾から室戸岬へ-----
 離島・隠岐の明日-----新航路への期待-----
・湖
 氷河の遺跡・神秘な小湖群-----津軽・十二湖-----
 木曽御嶽のふもと-----開田高原から三浦貯水池へ-----
 長老湖と高冷地-----南蔵王に生きる人々-----

*乳頭山から裏岩手へ-----秘話ある山越え-----

*アスパラガスを生む羊蹄山麓-----地場産業の創出-----

*中宮温泉の二夜-----白山山麓の動物譚-----

*酸ヶ湯の三十年-----冬の秘話-----

*夏油という湯治場へ-----奥羽山中の秘湯-----

*陸の孤島・佐田岬-----四国の最西端-----

*氷河の遺跡・神秘な小湖群-----津軽・十二湖-----

 わたしの旅は一回こっきりのもので、現地周辺への再訪にはあまり興味が湧かない。
※なお、ブログ上での現地踏査の旅の記事は、このサイト左欄のカテゴリー「下北半島・白神山地を行く」、「福岡からの怒濤かつ進撃の旅」をクリックしてご覧ください。ついでに付け加えると、東南アジアを旅行した際の「樹木医の海外研修」、国内の巨木を訪ねがてら回った地域の景観や秘湯を綴った「樹木医の日々片々」もどうぞ。いづれも画像満載の内容になります。

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わたしのこの頃の読書は濫読の極みの毎日です。

2024年06月25日 10時55分07秒 | 活字中毒の日々、そして読書三昧

この頃のわたしの読書は濫読の極みの毎日です。下のリストは下から上へ読了したもので、本の購入記録を見ると1月12日以来から現在に至るものです。
 わたしは文系人間、若い頃に一人の作家のものを集中して全部読まなければ読んだことにならないと思い知ってきた。だから、先立つものが必要だが、ジャンルを問わず各方面のその蒐集方法は熟知している方だろう。
 わたしは、全く、ベストセラーや現時点での売れている本は読まない、選ばない。必ずしも知識をもとめているのではない、それらはもともと暇つぶしで読み捨て対象のものと見ているのだ。ではいかに探しているかは、おもに文庫本の場合、本の後部に載っている紹介のページを読み選ぶ、言わば数珠繋ぎである。その本の解説文章も重要だ。何のこともない、喫煙者にたとえれば重度のチェィンスモーカーになるだろう。たまには、定期出版の週刊新潮や読売新聞の読書欄での推薦記事の中に見つけ出す。元々、神田神保町の古本街であさり、街中の通りの古本屋巡りをしてきた世代だ。年季が入っている。威張ることになるが、本選びには自信があるのだ。なんだかこの文章のニュアンスは、変なロジックになってきたようだが・・・。
 しかし今は、わたしはamazonサイトの対応の良さに負けて矢継ぎ早に注文しているのが現状だ。同社のおすすめメールは参考にならないが、発注前の読者のコメントは重要視していている。しかし、最近困っていることもある、終活に向けてこれらの溜まった本をどうするか。机やベッドの周りには書棚に納められず本が平積み状態である。室内を移動するのに触れないようにする。なりわい的に執筆をこととする著述業ではないので書棚、スペースを設けられない。
 ここでは、折角並べたからには少しでも読書感想文を記しておこう。

■本居宣長(上下) 小林秀雄 新潮文庫
■異邦の空・日本の旅 立原正秋 角川文庫 古本 他記事としてアップ済み
■司馬遷 -史記の世界- 武田泰淳 講談社文芸文庫
 ・この本は元々、太平洋戦争前の1943年、著者が31歳に発表、1999年発行だからわたしが手に入れてからゆうに25年は経過した。それ以来、この中国春秋時代の古典には疎くてなかなか読み込めないでいた。今回は、何とか理解不能箇所を飛び越してアタックして読了にした。

■きのこ 本郷次雄/監・解説 山と渓谷社 古本
 ・樹木医として必携とされた図鑑の一つ、フィールド向きに持参用にまとめられた。内容のレベルは高く分類や系統はしっかりしているか。専門家向き。知る人ぞ知る本で絶版で古本で入手したが
■海の牙 水上勉 双葉社
 ・あるところで熊本県の水俣病を扱った小説ということで読んだ。著者は奇病に苦しむ地元の住民を精力的に取材した。
■八甲田山 消された真実 伊藤薫 山と渓谷社
■生かされなかった八甲田山の悲劇 伊藤薫 山と渓谷社
■正しき地図の裏側より 逢崎遊 集英社
■ペリリュー・沖縄戦記 ユージン・B・ースレッジ 訳伊藤真/曽田和子 講談社学術文庫
■日本の庭 立原正秋 新潮文庫 古本 他記事としてアップ済み
■京都名庭散歩 水野克比呂 京都書院
■心のふるさとをゆく 立原正秋 角川文庫 古本 他記事としてアップ済み
■丁丑公論・瘦我慢の説 福沢諭吉 講談社学術文庫
■日本渡航記 ゴンチャロフ 井上満訳 岩波文庫
■植物巡礼 F・キングドン-ウォード 塚谷裕一訳 岩波文庫
■永山則夫 封印された鑑定記録 堀川恵子 講談社文庫
■フランクリンの手紙 ベンジャミン・フランクリン 蕗澤忠枝訳 岩波文庫
■福翁自伝 福沢諭吉 講談社学術文庫
          
          

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「殺人者はいかに誕生したか」を読んで・・・

2024年01月23日 12時27分17秒 | 活字中毒の日々、そして読書三昧
やっと20日の大寒が過ぎて、いくらか寒さが和らぐ。2月4日は立春、草木の芽や花も綻ぶ準備をしているだろう。
          
『殺人者はいかに誕生したか』長谷川博一著 新潮文庫 を読んだ。副題に 「十大凶悪事件」を獄中対話で読み解く とある。ここでは、文庫本ならではの良さでもあるが江川紹子さんの解説がつく。そこで、元家裁判事の次のコメントを付記している。「なぜ防げなかったを検証し、教訓を得るためには、事実経過をすべて公開するべきだ。それは社会復帰後の本人の更生のしやすさにもつながる」。
 どうしても、現在の裁判制度では事件の真実を追求できない現実がある。そこに至った加害者・犯罪人の社会背景、特に複雑な家庭環境での成長過程や子育ての経緯を探そうとする。そこで、臨床心理士の資格を持った著者は、おどろおどろしい殺害事件の犯罪人に繰り返し拘置所を訪ねていく。かつてマスコミを騒がせた死刑囚や無期懲役刑の人たちに自ら望んで面会し対面するのだ。なんども手紙を出すなど手間暇をかけている。しかも本人の了解のもとに手記を入手し公開までしているのだ。
          
 わたしはここではあまり触れて来なかったが、個人的には、こういった事件物に対し小説的な展開に興味を示していて、多少なりとも詳しい。刑事事件の裁判に関しては戦争直後の事件物を探してみたり、酸鼻な極悪犯罪物の渉猟してきている。かつてはこの「十大凶悪事件」のうちの 〈光市母子殺害事件〉 について触れたことがあった。また、現在だとまだ全容が明らかになっていない昨年7月に起きた 札幌すすきのホテル殺人事件 とかがある。
 ほかの内容には 〈秋田連続児童殺害事件〉 について、畠山鈴香は精神鑑定では解離性同一性障害(多重人格)と診断されたのだが、わたしは事件当時のマスコミ報道を思い出し、東北の一寒村における生活・家庭環境でのその索漠とした成長過程には寒気と怖じ気を感じる。
 〈大阪自殺サイト連続殺人事件〉 は3人を殺害した事件で、わたしはこの事件の経過や構成に驚きを隠せなかった。前上博ははじめから死刑を望み、著者に対して進んで心理分析を依頼する。対面的には真面目で温厚な性格、話し方も丁寧で、犯した罪とのギャップの大きさは信じがたいものがある。また本人はIQ128で秀でた記憶力があり、「サヴァン症候群」とされる。精神鑑定上は自閉症スペクトラム(アスペルガー障害‘高機能自閉症')と言われる。
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amazonの本の注文

2023年09月25日 18時33分01秒 | 活字中毒の日々、そして読書三昧

 わたしは本については、amazonに注文しているというか、amazonに依存している。アマゾンマーケットプレイスという機会を利用していることになるのかな。amazon独自の会費¥500.、アレッ何か月ごとかな。支払いはPC画面でのクレジットカード処理だ。
 わたしは昔から手元の大学ノートに図書控えをまとめていて、購入書籍予定を記録している。余談だが、わたしの周りで本好きはどちらかと言えば貸し借りにイージーで無頓着な人が多くて、その為に以前は無償だが貸出し簿も作ってあった。まあ一般的には、本はタダで図書館などで借りるものとの下地があったか。ちなみに、わたしは清潔じゃないと感じていて図書館から本は借りない。本は身銭を切るものとの思いが強い。
 それ以外に利用内容は最近はキャットタワーや猫の薬などをamazonに頼む、わが子供たちも頻繫に利用しているようだ。

          
 これは、漫画本(ムック)を発注した小学館の《田中角栄の戦い》5巻シリーズだ。今回は、たちどころに国内各地の古本屋から矢継ぎ早やに宅配便や郵便でとどいた。漫画というより我々世代では劇画と言う。原作は戸川猪佐武の「小説・吉田学校」で、われわれの当時の世代のせいもあるだろうが、内容も筋もなかなかよく出来ている。作画はあの さいとう・たかを さんだ。
 ちなみに、古本屋さんと思しき出品者の住所は国内の北海道札幌市、愛媛県松山市、大阪府堺市、岡山県倉敷市にわたる。なんとなく、荷姿から、わたしにはその店構えが想像できる。
 新刊本、新品はamazon(アマゾンジャパン合同会社)では関東の埼玉県比企郡川島町所在のの倉庫・発送センターから送られてくる。ほぼ、翌日に配達、場合によったら午前中に注文し当日中に届くというスピードだ。あっという間だ。
 現代は、エンドユーザーをつかむ商売が全盛の世の中だ。アメリカ発の企業amazonは巨大なネットワークショップシステムを構築しマーケットを覆っている。
 隆盛しているコンビニの業界などのように、古本屋などの業者へのお金がらみの送料、支払方法など裏事情ではダークな部分がありそうだ。
 わたしの20代は神田神保町に集まっている古本屋巡りをしたくちだ、地方都市にも古本屋が数軒はあった、生活苦もあり私の場合は売り買いに一生懸命だった。だからある意味で本や資料の調査、渉猟能力、蒐集については年季が入っている。威張るのも滑稽だが・・・。
 また、読了済みの本は廃棄していたが、郵送でも有価で引き取ってくれるらしい。一度試すか。
 しかし、現在でも、たまにはamazonにはない本もあり、楽天にも電子口座を開くことも考慮している。
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猛暑の暮らしのなかで、橋本治の『小林秀雄の恵み』を読む

2023年08月02日 04時52分29秒 | 活字中毒の日々、そして読書三昧
7月22日に関東地方は梅雨明け宣言が出されたが、雨は7月上旬に一度あったきり、猛暑が続く。もう少しで立秋だ。最近の千葉の天候は少雨傾向にある。こんな天気ではと思って、わたしは今までの経験則で2週間に3回の頻度で水を撒く。時刻はほぼ4時過ぎの夕方近くだ。今までに7回それぞれ水撒きをおこなう。庭の植込みは露地植えもあるが鉢物が過半数であり管理に慎重さを要する。場所は東南側の庭と市道側だ。所要1時間弱か。これは、リタイア後の唯一のスケジュールと化しているのが我ながらおかしいのだが・・・・・。
    
 そんな日々、室内でパンツ一丁の裸同然の起居のなかで、自堕落なわたしは暑さをこらえて本を読む。ここでは、橋本治の『小林秀雄の恵み』を読む。橋本治の本については、『「三島由紀夫」とはなにものだったのか』が小林秀雄賞を受賞したと聞いて意外な気がしていた。間違いではないのか。橋本治の特徴はおしゃべりめいた文章が特徴でわたしにはなかなか馴染まない。
 まず、『「三島由紀夫」とは・・・』だが、第三者的には毀誉褒貶のある内容であると思う。やがて、とりとめのない文章と記述で文意をつかむのが面倒になり放棄する。
 しかし、『小林秀雄の恵み』は小林秀雄の「本居宣長」を題材にしていてやっと読みこなすことが出来た。今まで小林秀雄は日本の文壇では神様扱いされているが、ここではある意味で橋本治の微に入り細を穿つ分析力で見事にこの作品を解体している。その手法は野放図でいやらしいほどだ。小林秀雄について、表面的に高評価をおこない中らずと雖も遠からずのような迂遠な評価をしてきた今までの文壇の現状を突破しているように感じる。どんな場合でも、偶像化を避けることは大事なことだ。そこで、振り返り、わたしは「本居宣長」を再読中である。
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『三国志』『史記』を読む その1

2023年07月11日 12時07分35秒 | 活字中毒の日々、そして読書三昧
リタイヤして一日を送ることになると余裕の時間があることになり、日常の瑣事や始末ごとの整理が出来てくると、次第にわたしの悪い癖で読書に淫する日々が続いている。
              
 昨年の春に仕事先の町の図書館で蔵書の無料頒布のお知らせがあり(図書館を解体し更地にして住宅地域にする)、わたしの身辺では本には個人的には無縁ではないのでその書籍を見に行った。その中でもらってきたのが中国の古典である筑摩書房の『三国志』だが、その内容に全く歯が立たずそのままにしていた。アマゾンで検索し、次に角川書店の『三国志演義』を入手、数ヶ月かけて難儀しながら読み通す。それでもわたしは読了感が得られず調べてみると古くは吉川英治の本があることが分かり5月いっぱいで読み終えた。吉川英治は通俗小説の作家とされるがこの著者の小説はわたしははじめて読んだ。ついでに自伝物も読むことになる。
 こうして、手探りながら『三国志』を読むことになった。しかしこの本がこんなにも裾野が広く深いとは思わなかった。付け加えておくが、アマゾンの読者ブックレビューを見るとやはりこの手の読書には手を焼いていて読了するまでは数年がかりとのこと、やはりと納得がいく。
 読書時間をシリーズ物で言うと、過去に橋本治の『窯変源氏物語』は中途まで。中里介山の長編で机竜之介の『大菩薩峠』は読了する、大佛次郎の『天皇の世紀』を読んだことがあったか。当時の読む場所は自宅と通勤電車の中、それぞれが半年がかりである。
 なお、『史記』については『三国志』と当初似たものだろうと読み始めたが、どうやら『三国志』の前の舞台である紀元前の春秋時代であることに気付いた。冗談みたいな話だが、なかなか頭の整理が追い付かないのが実情だ。なお、現代でも言われている故事(来歴)ことわざについてこの古典を出典とする文章が多いのにもあきれるばかりだ。
 この後、吉川英治の『私本太平記』と『春秋左氏伝』を取り寄せるつもりだが、どうか。
        
 以下に現在の時点での入手順、読書順に挙げてみた。

・『三国志演義』(1~4) 羅貫中 立間祥介訳 角川ソフィア文庫 角川書店¥1,480+税×4
  4/末読了 

・『三国志』(一~八) 吉川英治歴史時代文庫 講談社 ¥800+税×8   5/末読了

・『三国志』(Ⅰ~Ⅲ) 今鷹真/井波律子訳 世界古典文学全集24A 筑摩書房 価格不明
  一年前に入手した町立図書館で蔵書の無料頒布品。この『三国志』の複雑な登場人物や構成
  や筋に全く歯が立たず読めない。回り道だが、これがきっかけにしてほかの読み易い書籍
  『三国志』本を渉猟し読み始める。

・『史記』(一~五)田中謙二/一海知義訳 中国古典選 朝日文庫朝日新聞社¥360~¥400×5
  6/30読了
  この文庫本はわたしの書棚を探していたら見つかる、いつかチャレンジしようと、どうも大
  学時代の20代に買い求めていたもののようだ。
  外観はページが茶褐色に変色しすぐにでも破れそう、なんだか昔のわら半紙のよう、紙魚は
  いないか?、文字も小さくて読むのに難儀する。今は老眼鏡に拡大鏡もあるのだが・・・

・『史記』福島正編、訳 角川ソフィア文庫 角川書店 ¥880+税 7/1読了

・『三国志入門』 宮城谷昌光 文春新書 文藝春秋 ¥950+税 7/3読了

・『三国志の世界 後漢三国時代』 金文京 講談社学術文庫 ¥1,300+税 6/26読了
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濫読の極み

2023年02月13日 05時34分22秒 | 活字中毒の日々、そして読書三昧
2月、立春も過ぎて、当地では雪が降ったりしているが、少しづつ暖かくなってきた。わたしは3か月ごとの病院で予約診療を受けるために実家へ戻る。高速道路を利用して二泊三日のとんぼ返り状態だ。
 ところで、わたしは外での飲食は苦手だ。飲みにも行かず。(カラオケなら別だが。)実は店舗で待つのが嫌い。別に交友関係が少ないわけではない。単身生活のかかりも引き締めているが、金銭的に通常の生活よりは3割増しと心得ざるを得ない。
 結局、生活費全般の中で、本はわたしにとって経済的に安いものだと常日頃から思っている。
 その間にこちらからAmazonへ本を実家あてに注文する。今回、お値段は5冊で〆て¥5,974.であり比較的安くて済んだ。相も変わらず、乱読、濫読の極みである。
・『人が好き』瀬戸内寂聴 講談社文庫
・『天才・菊池寛』文春学芸ライブラリー
・『曾根崎心中』 近松門左衛門 諏訪春雄訳注 角川ソフィア文庫
・『史記』福島正 ビギナーズクラシックス 角川ソフィア文庫
・『松本清張推理評論集』 1957-1988 中央公論新社

 この中で、読後の感想は、特に単行本である『松本清張推理評論集』が面白い。松本清張は小説や自伝物も含めてほぼ読み切っているがこの評論集は編集的に難があるが、結構読みごたえがある。
 画像では『三国志演義』(全部で4巻)が載っている。この本は昨秋から読み始めて二冊目か、読み始めると熱中するが遅々として進まない。言ってみれば、これは中国古代100年余りの実話をもとにした戦記物、人を殺し合う殺伐な読み物、誰もが言うだろうがその登場人物の多さに辟易する、だがくじけずにわたしは読み続ける。
          
 
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白川静さんの “字通” を購入する。

2022年09月20日 05時06分35秒 | 活字中毒の日々、そして読書三昧

 お盆休み中は飽きてくると、わたしは松本清張や水上勉の世間染みて推理っぽいものを好んで読む、再読三読でも構いはしない。
 ところで、最近、本格的な読書では今まで金坂清則さんが訳した本に衝かれている。最近は「中国奥地紀行1.2」「イザベラ・バードと日本の旅」平凡社新書などを読む。そしてイザベラ・バード女史の「完訳日本奥地紀行1」¥3,000.平凡社・東洋文庫をもとめた。残り2,3は順次読了後、購入予定。ついで、羅漢貫中・立間祥介訳の「三国志演義」¥1,628.×4巻 角川ソフィア文庫をもとめた。これはいずれ「三国志」を読みこなすべくいたのだが全く歯が立たず、調べてみると一般的には「三国志演義」が読まれていることが判明して思い切ったもの。
 そして読書的には、白川静ものは、数年前からかかっていたのだがなかなかこれもとっかかりが難しく及び腰になっていた。ところがそのうちに、ネットで有名な松岡正剛さんの❛千夜千冊❜のサイトを渉猟するに及んで読書範囲が広がり、その流れで彼の「白川静 漢字の世界観」平凡社新書を読み、やっと白川静さんの世界の入口に立つことが出来た思いであった。「漢字」岩波新書、「孔子伝」中公文庫、「白川静 読本」平凡社を読む。
 そこでこの休暇中に白川静さんの “字通”普及版¥11,000.平凡社を上記の手配通り、今までと同じようにAmazonに注文したものである。同じく、過去に“字訓”¥6,600.、この2月に“字統”¥6,600.を既に入手済みでこれで三部作をそろえることが出来たことになる。
 おっととっと、わがイヴのために キャットタワー もAmazonに注文して、家内が進んで組み立ててくれた。
〈追加記述予定です〉
          
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作詞家の西條八十についてですが・・・

2022年02月23日 05時41分27秒 | 活字中毒の日々、そして読書三昧
 今年は春一番が吹くかどうか、間もなく 啓蟄 の三月だ。まだまだ寒いわたしの日々は、コロナ禍のせいにしているが2か月以上も家から外出せずにいて、先日来、amazonで発注した本を読み切れずこの頃は読書三昧が続いている。この中で今回は、かなり古い時代のことだが、 西條八十もの をとりあげる。西條八十は詩、童話、翻訳、それに歌詞を多彩に多面的に残しているが、内容は叙情主体、リリカル、センチメンタルなものが多くて、誤解を恐れずに言えばその本質は天性のロマンチストであろうか。

 西條八十:東京牛込払方町に明治25年1月15日(1892年)に生まれた。家業は石鹸製造業。
      昭和45年8月12日(1970年)急性心不全で死去。

・「流行歌のつくり方」西條八十 平凡出版 はこの程入手したのだが、紙魚(紙を喰う虫のことです)はいないが紙質は茶褐色になり千切れそうだ。相当古くて、なんと奥付きを見るとわたしが小学2年生の年に発行されたものである(昭和33年7月5日第一刷)。

・「流行歌 西條八十物語」吉川潮 ちくま文庫 は 芸能評論家がまとめた伝記もの。
・数々の賞を受けた「西條八十」筒井清忠 中央公論社 は大学の教授でありながらも、意を決して評伝を著したものらしい。
           

           
      「昭和の歌芸人 三波春夫・さくら舎刊」と「演歌巡礼 船村徹・講談社刊 」

 わたしは戦後生まれ、今はテレビ好きであるが、小さなころからラジオから流れてくる歌謡曲が好きだった。後年この方向は音痴にもかかわらずカラオケ好きに至る。当時は軍歌や民謡が耳に入り、どうも身についている如しのようだ。その後、好んで演歌だけということでもないのだが、いつだか、このブログでも取り上げた 船村徹 の楽曲にはノスタルジーを感じていて過去に日光市の記念館にも行った。また一年ほど前には山口県の周防大島の星野哲郎記念館にも立ち寄った。数年前にNHK朝のドラマで 古関裕而 を取り上げていたが、今でも現代の若い歌手の方の歌も聞く方であるが、昔の時代を思い出すと、後で気づいたらこの西條八十の歌であることが多い。彼は多作家で歌のジャンルや題材も広くておびただしい数の曲があるのだ。ご自身は早稲田大学文学部の教授でありながらもこんな活動で少なくない収入を得ており、温厚で都会的、ダンディな性格でありながら当時の知識人たちやインテリ層の一斉無視や嫉み嫉妬を買ったとされる。ちなみに大学ではフランス文学専攻で詩人アルチュール・ランボオ研究であった。
 戦争中の軍歌もさまざまでありここでは 古関裕而 の「露営の歌」などもあるが、わたしたちの学校の運動会の応援歌として「同期の桜」を何の気遣いもなく大声を張り上げて歌ったものである。
〈同期の桜〉
貴様と俺とは 同期の桜
同じ兵学校の 庭に咲く
咲いた花なら 散るのは覚悟
みごと散ります 国のため

貴様と俺とは 同期の桜
同じ兵学校の 庭に咲く
血肉分けたる 仲ではないが
なぜか気が合うて 別れられぬ

貴様と俺とは 同期の桜
同じ航空隊の 庭に咲く
仰いだ夕焼け 南の空に
未だ還らぬ 一番機

貴様と俺とは 同期の桜
同じ航空隊の 庭に咲く
あれほど誓った その日も待たず
なぜに死んだか 散ったのか

貴様と俺とは 同期の桜
離れ離れに 散ろうとも
花の都の 靖国神社
春の梢に 咲いて会おう

その他に西條八十の作詞を以下にざっとあげると、こんな内容だ。まあ、出来るだけ時系列に沿っているつもりである。
〈銀座の柳〉〈東京行進曲〉〈東京ラプソディー〉 愛染かつらの〈旅の夜風〉、〈誰か故郷を想わざる〉〈支那の夜〉〈蘇州夜曲〉〈青い山脈〉 美空ひばりの歌の〈越後獅子の唄〉、島倉千代子の〈この世の花〉、舟木一夫の〈花咲く乙女たち〉、作曲家船村徹と村田英雄の〈王将〉などなど。


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最近の読書癖です・・・

2022年01月19日 10時56分57秒 | 活字中毒の日々、そして読書三昧
12月中旬から今に至るまでわたしの読書癖が凄くなっている。身近な今住んでいる環境でやることをほぼ済ませると、空いた時間の過ごし方がそれのみに没頭気味になるのだ。本当に読書三昧だ。
 まずは日常に気になっていた事柄を確認するために書棚の本を引っ張り出した。建設などの技術関係の仕事関連、樹木図鑑、文学書などだ。わたしは仕事を離れて有り余る時間の内で、それはまるで不安に駆られているようで、なんだか病的だ。しかもその格好や姿態はベッドに寝転んで読む、不活発でまことにいぎたないのだ。常用しているインターネット発注先のamazonにとって、わたしは実にいいカモだ。ここでのもとめる内容は主に新刊が多いが、古書古本も多い。
 次に、年末年始の休暇中に読む本としてamazonを利用するが、それが矢継ぎ早やである。
 松本清張の「ミステリーの系譜」、遠藤周作の「海と毒薬」と「わたしが・棄てた・女」、アーネス・メイスン・サトーの「一外交官の見た明治維新」と古書「日本旅行日記」(1.2)、森村誠一の「老いる意味」と「遠い昨日と近い昔」、岩中祥史の「不思議の国の信州人」、田中修/丹波邦和の「植物はなぜ毒があるのか」、古書のヘンドリック・ハメルの「朝鮮幽囚記」、安田隆夫の「安売り王一代」である。
 「わたしが・棄てた・女」については再読だが、ある個人的な思い出があり別に触れる。幕末や明治維新の外国人の書いた書物は渉猟していてひと通り読み込む予定、森村誠一のベストセラー本、推理小説は未読であるが、この人のエッセイは中身が薄くて買うほどではない。岩中祥史の「不思議の国の信州人」は興味津々、この扱う分野は学問的には文化人類学にまで至るらしいが、長野県は山国で県民性としては北信と南信の軋轢等は世上よく聞くが、さもありなん、面白いの一言に尽きる。ドン・キホーテ創業者の安田隆夫の「安売り王一代」は、色々な経験を踏まえた独自な逆張りの発想法に経営方針や店舗展開には刮目するべきものがある。
 以上ですが、12月の購入費は12/22 ¥5,615. 、12/26 ¥4,807. 、12/28 ¥4,731. 合計して ¥15,153.になる。実はこのamazonでの手配は6月以来になる。
 また今月は、古書は西城八十の「流行歌のつくり方」平凡出版、川端要寿「堕ちよ!さらばー吉本隆明と私」河出書房、藤生京子の「吉本隆明のDNA」朝日新聞社、大牟羅良の「ものいわぬ農民」岩波新書であり、新刊では工藤美代子の「サザエさんと長谷川町子」幻冬舎新書の併せて5冊である。〆て1/17 ¥5,220.になる。
 果たして、わたしのこの読書傾向を 皆さんはどう思われますか。まあ雑学のてんこ盛りです。文系人間は理系と違って関心の及ぶ範囲は広いに決まっておりますが(しかも深い!)。しかし何だか、これでは、インプットばかりで消極的でアウトプットが少ないことになっている。以前、自分史コンクール応募や自費出版も計画(製本レイアウト、下原稿までは揃えた)したことがあったが・・・。
 これから読む予定の本は、清水潔の「殺人者はそこにいる」、サザエさんものの3冊と、アーネス・メイスン・サトーの「明治日本山岳記」、ロシア人のV・M・ゴロヴニンの「日本幽囚記」1~4がある。

 既に読書用の記録帳として、平成10年からで初めは縦の赤い罫線入りの金銭出納帳ノートを転用した、また次からはノートに購入予定や貸出簿の役割で〈書籍、図書資料〉として記入してきた大学ノートも数十年にわたり、現在は足かけ24年?で、三冊目になる。最初の頃は、資料として重要なものには私製の蔵書印で本の表紙の次の見返しのページに番号を振り捺印してきたものである。
          

           
 愛煙家のチェーンスモーカーのように、わたしは購入した本の文中の脚注、引用文献などの参考資料や出版社のその巻末を読み込んで芋づる式に次に読む本を決めていく。今まで、生来、身銭を切り造園や植物図鑑などの専門書類は当初からコンスタントに購入してきていたが、仕事上の展望が開けてからはやけに業務以外の文学系が増えてきたのは、人生で言えば40代ころからか、それが今に続いている。
 しかし、その後わたしは、書庫不足もあり5,6年前に思い切って2トントラック一台分をゴミとして処分した。ご時世ながら、当然、古本買取チェーンの利用も検討したがなんだか味気なさを感じる。当初は田舎の図書館に寄贈も考えたが、面倒になったものである。

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自由気ままな読書

2020年11月21日 05時35分55秒 | 活字中毒の日々、そして読書三昧
またまた、読書に熱中することがつづく。中国の毛沢東時代の大躍進、文化大革命の記録や韓国の奇妙奇天烈な民族と歴史など、アメリカの第二次世界大戦中の記録、そして老人を扱った文学物である。入手はカード決済のAmazonだが、その便利さにひかれて結構な出費が重なる。3か月で14冊、〆て¥17,216.である。まあ書棚から引っ張り出しての再読、三読もあるが、今までも常に月に5、6冊は読んでいるのだろうか。 
 老人物はのぞくとして読んだ内容は以下のごとくである。

 毛沢東のものとしては、
 『文化大革命』上下 フランク・ディケーター著 今西康子訳・人文書院 各¥3,300.
 『毛沢東の大飢饉』フランク・ディケーター著 中川治子訳・草思社文庫 ¥1,760.
 『毛沢東五つの戦争』鳥居民著・草思社文庫 ¥1,045.
 中国は大躍進政策により、餓死者が4,000万人、文化大革命で暴力による死者が300万人とされている。わたしはどうしてこんなにもの人が?と思っていた。当時、日本内外の情勢は朝鮮動乱以後、中国共産党は国民党軍に勝ち、中華人民共和国を建立宣言、日本は高度成長期に入りアメリカによるベトナム戦争、60年安保、 70年安保を経ている。20代前半、わたしの生活はバイト先の新聞販売店で働き「人民中国」を購読し紅衛兵の赤い毛語録を持ち日常的に菜っ葉服を身に着けて気取っていた。大学浪人してから、再入学した大学へはたまに顔を出す。店の宿舎は古ぼけた賄い付きの穴蔵のようなところ、通称ハコ部屋で室内は立てなくて屈んで動く、しかも前面道路の交通騒音がうるさい。そこは、色々な若い勤労学生が出たり入ったりしていた。世情はミニスカート、テニスルック、ボウリングブームに涌いていた。
 今回で大分当時の中国の情勢が読めてきた。だが内容は、こんなことが起きていたなんて、なんておどろおどろしいことだろう。

 韓国本は、
 『反日への最後通告』池萬元著・ハート出版 ¥1,980.
 今まで韓国内外で大騒ぎになりベストセラーになった昨秋出版の李栄薫編著の『反日種族主義』を読み、その反対意見に答える形式の『反日種族主義との闘争』が今年発売した。
 ほかにも櫻井よしこ/呉善花の『赤い韓国』、呉善花の『攘夷の韓国 開国の日本』、崔基〇の『韓国 堕落の2000年史』、久保田るり子の『反日種族主義と日本人』、高山正之の『韓国への絶縁状』、古くはイザベラ・バードの『朝鮮紀行』を読んできた。 
 以前にも韓国情勢はこのブログにアップしたことがあるが、20191202の記事「『反日種族主義』ということ」https://blog.goo.ne.jp/uzanehakase/d/20191202をご覧になっていただきたい。

 アメリカの第二次世界大戦中の記録は、
『誰が第二次世界大戦を起こしたか-フーバー大統領「裏切られた自由」を読み解く』渡辺惣樹著・草思社 ¥1,870.であるが、これは面白い。実はこの本は『裏切られた自由』上下 ハーバートフーバー元大統領著 渡辺惣樹訳・草思社 ¥9,680.の解説や分析した著作である。『裏切られた自由』自体を読みたくていたが大部で値段も高いので二の足を踏む思いでいたもの。ほかにも『昭和天皇実録』東京書籍 全19巻×¥2,079.があるが、何とか近いうちに頼むつもりである。フーバー元大統領の記録は入手し読んだらこのブログに感じたことを載せる予定。


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「言葉の海へ」高田宏、これは≪言海≫という辞書をつくった大槻文彦の伝記である。

2020年07月27日 05時25分57秒 | 活字中毒の日々、そして読書三昧
わたしは、現在は週3以上の休みをいただく。6月は直前の検査と是正事項の処理。7月は末の完成検査のみでその検査説明資料作成業務のみになる見込み。今は仕事的には終末を迎えている時、だが、まだその全容が見えずにいる。先のことは分からない。
 しかしながらと言うかしこうしてと言おうか、今年は、日照不足の梅雨、それでもってあのコロナウィルス騒ぎの日々でわたしの日常はダラダラとしている。特に読書傾向はひどい。活字中毒、古風に書痴、見境いもなくというものだ。
 近年はわたしは韓国人の奇妙奇天烈さ、面白さに惹かれて、久保田るり子さんの 「反日種族主義と日本人」を読む。それに今までに読みはぐっていた山本周五郎の 「ながい坂」、伊達騒動を題材にした 「樅ノ木は残った」。織田信長の実録とされる戦記物 「信長公記」、幕末に志のある人たちに読まれた 「靖献遺言」。
 石井妙子さんの名著 「女帝・小池百合子」 小池百合子は虚偽を苦にしない自己演出とパラノイアふうの周囲を振り回す性格は精神分析学の対象としても面白いし、現在は東京都知事の特徴的な政治理念もなく権力志向を持ち、父に似た風変わりな個性を持つ政治家の原点を丹念に執拗に追う。それに、私にとってはお馴染みの、再読三読、 山本七平の 「裕仁天皇の昭和史」である。
 随分とわたしは、amazonとJCBの売り上げに貢献してしまった。

 そして、 「言葉の海へ」高田宏。これは、≪言海≫という辞書をつくった大槻文彦の伝記である。
           

           

           
 この本は中古品で入手以来読み通すのに時間がかかる。高田宏氏の構成や記載方法が珍しく骨太で、説明的でない。この文体は強靭だとさえいえる。内容としては幕末から明治維新にかけての時代背景も描いているからだ。これは時代のパラダイムをつかむというよりも作者としてのパースペクティブが秀抜ということになる。様々な文学賞受賞もむべなるかなである。
 ≪言海≫の内容では,文法や採用基準について触れた 【語法指南】 が要望に応じて別に頒布されたという。また、 【ことばのうみのおくがき】 には大槻文彦のこれまでの著作・編纂の思いがありったけに吐露されていて面白い。
 しかも、大槻文彦がわが仙台藩支藩の一関藩出身ということで、わが郷里のことに及んでいるからだ。と言うことで、わたしとしてはなかなか身近過ぎてこの感想文を展開しにくい。
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