日が落ちると、わが家の庭のこぶしの大木ではこおろぎが喧しい。そのな
かで、はて三日月はと探すが、見えない。そうか、もう少し待ってみるか。
ところで、下の句は20数年前に親戚の叔母の葬儀にあわただしく帰郷し
た時のもの。東北本線の小駅での感慨を表現した。
故郷にて
・萩咲きて 鈍き鉄輪今は昔
きょう、今度、自然観察会に予定している会場を5時過ぎに廻る。
稲刈りはほぼ終了、田んぼの畦道には、そこかしこに赤い彼岸花が群生す
る。今はすっかり日本人の農村景観の原風景になり、なじんでいる。
これはたしか、救荒・薬用植物として中国から移入されて日本全国で繁殖
したとされている。完全な帰化種のはずである。
以下の句はかつて作ったものだが、そのエリアだけ見ていると絵画的なイ
メージを与えるのは今も同じである。
・ひしゃげて陽を落とさん 彼岸花
・秋色に 真っ只中の曼珠沙華