わたしは長時間通勤者だ。4回も乗り換えるのだ。そこで時間つぶしにいつも困っている。そのせいで、途中のJR成田駅の改札口を出て、薄暗くて狭い駅前でひっそり喫煙したりする。また、以前から馴染みだったチェーン店のマロンドのパン屋さんに寄ったり、おいしい中華そば(昔風の支那ソバのこと、¥450.である)を食べたり、門前町である成田の観光土産店をひやかしたりする。これでは、もともと金遣いの荒いわたしのこと、困ってしまう。
それはさておき、駅前のロータリーには、書店がありその店頭には格安DVDが並べてある。そこで、この間、小津安二郎全集¥1,980.と‘旅愁’の¥500.のDVDを買った。
20代の頃の若いわたしは、東北、山峡の高校を卒業して上京以来、文化的なもの(?)に飢餓感をおぼえていた。そして、実生活をうっちゃりそんな心を埋めるために渉猟して鑑賞し始める!そして、それは文学の世界や絵画やクラシック音楽に始まる。映画は、ビデオ全盛のころにラブロマンス映画を見ることにしゃかりきになったことがある。同時に西部劇もそうであったが、とどのつまりはヒッチコック映画にはまってしまう。
わたしは、そんなことで、色々な意味で物知りにまたは純粋な意味で教養深くなったかもしれぬが、その後のわたしの人生がスムーズだったとはとても言い切れない。
下段の説明はWEB上でひろったもの、貼り付けてみたのでご参考までにどうぞ。ちなみに、歌詞は字幕以外にはいい日本語訳が見当たらない。映画から面倒をいとわず採録してみた。ほかにあればどなたか、ご教授願いたいものと思う。
「セプテンバー・ソング」は、ジョーン・フォンテーンとジョセフ・コットン主演、ウィリアム・ディターレ監督の映画『旅愁(September Affair)1952』のテーマ曲として有名です。映画はイタリアを舞台にしたAffair(不倫の恋)、恋愛劇で、これも九月の人恋しさを感じされる物語でした。この映画はアカデミー主演女優賞を獲ったジョーン・フォンテーンの成熟した演技が印象的でした。
もともと、「セプテンバー・ソング(September Song)」は:クルト・ワイル(Kurt Weill)作曲、マックスウェル・アンダーソン(Maxwell Anderson)作詞のブロードウェイ・ミュージカル『ニッカボッカ・ホリディ(Knickerbocker Holiday)』の挿入歌。ウォルター・ヒューストン(Walter Huston)はカナダ生まれの俳優で歌手ではありません。そのため声域も広くない彼のために書かれたのが「セプテンバー・ソング」(September Song)なのですが、かえってこれが誰でもが口ずさめる親しみやすいメロディをこの歌に与えました。また、歌詞の内容も良く、「九月の歌」ではありますが、日が短くなるこの時期を愛の感情に重ねて秀逸です。明るい夏が終る九月という月の持つ季節の変わり目に対して、人が無意識に感じる感傷を表現しています。あるいは人生の秋、無駄にする時間は無くなり、残り少ない時間をあなたと共に過したいという意味も感じられます。この含みが歌詞に豊かな余韻を与えています。
「セプテンバー・ソング」はブロードウェイ・ミュージカルの発表当時から人々に親しまれており、スタンダードな歌となっていました。それを再びヒットさせたのがフランク・シナトラのバージョンです。この歌唱が今でもこの歌の変らぬスタンダードともなっています。曲と歌詞がシンプルで美しいため、これ以上のアレンジは難しい歌でもあります。一例を挙げれば、ルー・リードのカバー・バージョンもスタンダードに対するひとつの挑戦であるものの、原曲、シナトラを超えるものではありませんでした。
“September Song”
When I was a young man courting the girls
I played me a waiting game
If a maid refused me with tossing curls
I’d let the old Earth make a couple of whirls
While I plied her with tears in lieu of pearls
And as time came around she came my way
As time came around, she came
[When you meet with the young girls early in the Spring
You court them in song and rhyme
They answer with words and a clover ring
But if you could examine the goods they bring
They have little to offer but the songs they sing
And the plentiful waste of time of day
A plentiful waste of time]
Oh, it’s a long, long while from May to December
But the days grow short when you reach September
When the autumn weather turns the leaves to flame
One hasn’t got time for the waiting game
Oh, the days dwindle down to a precious few
September, November
And these few precious days I’ll spend with you
These precious days I’ll spend with you
・映画挿入歌・ Song:Walter Huston
女を口説いていた若い頃は
待つのも楽しみだった
そっぽを向かれフラれても
時を過ぎるに任せていた
真珠の代わりに涙を捧げていた
時がたち想いはかなった
時がたち彼女は僕のものに
5月から12月までは長い月日だけれど
9月になると日々は短くなる
秋の気配が木の葉を赤く燃え立たせる頃
もう待つことを楽しむ時間はない
残りの日々は少なく貴重なものになってゆく
[9月から11月へと
この大切な日々を君と共に過ごそう
大切な日々を君と共に
月日が流れワインは熟成してゆく]
9月から11月へと
この実り多き歳月を君と分かち合おう
実り多き歳月を君と共に