
先日来、リビングの書棚から「小林秀雄全集」を引っぱり出して読んでいる。全十三巻別巻二、新潮社。昭和53年8月の発行になるもの。ということは、30年ぶりの読書となるのか。
どうやら、「小林秀雄」は今ではなんども全集版が再刊されており、値段も目の玉が飛び出るほど豪華版になっているらしい。一般的には小説家は死んだら見向きもされないのが哀しい実態だが、さすが、「小林秀雄」だ。ちなみに、第六次全集版は今年の4月に発刊されたらしい。
これは結婚する前に購入したもの、一冊¥1,600.とある。「小林秀雄全集」はわたしにとって、あのころの青年時代に生きていく上で頼みとした重要な本であると、家内に言い聞かせて、月の配本ごとに集めた。わたしにとって、当時は宝物という認識であった。
余談だが、やはりその頃、結婚した直後、当時流行っていたバロック音楽をと、筑摩書房のクラシックレコード“バッハ全集--3巻”¥85,000.を買い、ものすごく怒られた。わたしたちはタンスや冷蔵庫などの家具、結婚もその準備も自前でおこなったのだが、あいかわらず浮わついた気分でいたらしい。
ここのなかでは“本居宣長”や“ドストエフスキー”などの主要で大作の著作ではなく、くだけた内容や随筆類を5,6冊抜いて読むのだ。
やや変色気味のページをめくり、老眼鏡をかけてその8ポイント程の細かい文字を追う。わたしは、ウーンとうなりながら読み進む。







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