宮崎駿の新作『風立ちぬ』観てきました。宮崎駿らしからぬ観衆の期待を裏切る内容だったと思います。
だって子供向けにしては終始淡々と話が進んじゃうから子供が長時間見るにはツライし、可愛らしいマスコットキャラも出てこない。一方で大人向けにしてはヒロインとの恋愛模様も生々しい恋愛ドラマに見慣れた大人たちには”ピュアすぎる”ものだったんです。
まぁ”子供向けでも、大人向けでもない作品”ってことなんですよ。
じゃあ誰向けやねん?ってことですが、このことは上映前から示唆されていて、試写終わりの宮崎駿が「自分の映画で初めて泣いた」という発言からも見て取れます。映画監督が試写とはいえ観客の顔色を伺うことより自分の感想を優先させたってことは”誰よりも宮崎駿自身が観客だった”ってことを意味します。
つまりこの『風立ちぬ』は宮崎駿自身に向けられたものだったんです。
そう思えば、可愛いマスコットキャラがでてこないことも、恋愛がピュアすぎるのも”宮崎駿自身が見たいシーン”だけで作ってるからだってわかるんです。
この『風立ちぬ』は黒澤明が晩年に『まあだだよ』作ったのと同じ、ようは巨匠の晩年の作品にありがちな”娯楽性より作家性を重視した”作品だったんです。
もう一つ指摘しておくと今作のタイトルに”の”が入っていませんよね。ジブリ作品のジンクスで作品タイトルに”の”を入れるとヒットするというものがあるんですが、今作にはそれがありません。つまり宮崎駿自身この映画がヒットしなくたっていいと思っている節があるということなんです。
あたりまえですよね。だって自分自身に向けた映画なんですから、他の誰にもわかってくれなくても、楽しんでくれなくてもよかったんです。
だからって駄作かって言うと、それは違うと思います。だってワタクシは結構のめり込んで見ていましたし、終盤では泣きそうになってましたから。
ここからは感想ですが、実際この作品は好きです。
淡々と語られる堀越二郎の人生。夢と現実が交差する演出。菜穂子との切なくも美しい純愛。圧倒的な風の描写。どれをとってもワタクシ好みでしたね。
特に『千と千尋の神隠し』や『崖の上のポニョ』で感じた”死の臭い(死への恐怖感?)”みたいなものが感じられないどころか、この映画ではそれを乗り越えた”生きることへの決意(死ぬまで一生懸命生きてやる)”という意思表明を感じられた気がしました。
ここ最近、宮崎映画に全面的に楽しめなくなって心も離れて行きつつあったんですが、もう一度ワタクシの心掴んでしまったように思います。宮崎駿はもうこの路線でいいんじゃないでしょうか?もう歳も歳だし”作家性重視で観客置いてけぼりな作品”をどんどん作ったらいいと思います。
まぁでもまだまだ儲けたい鈴木さんがよしとするかはわかりませんが・・・。
ああ、それから庵野秀明の件ですが、意外にもよかったですよ。はっきり言って下手ですが、30分も見てると庵野以外にないと思えてくるから不思議。これは駿マジック?それとも庵野マジック?
庵野以外のキャスティングもクレソン好きの外国人役の人以外はよかったですよ。特に西島秀俊と西村雅彦。彼らは普通のアニメでも通用しますね。今後に期待。まぁ志田未来の声が幼すぎたのは賛否でそうですね~。
ひこうき雲 ~映画「風立ちぬ」より~
やたら歌詞と映画の内容が合ってるんだよなぁ~。まるでこの映画のために作った曲のようです。
ホント名曲です。
この映画がソフト化されたら絶対に買う!そう決めました。それまで”生きねば”ですね。
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だって子供向けにしては終始淡々と話が進んじゃうから子供が長時間見るにはツライし、可愛らしいマスコットキャラも出てこない。一方で大人向けにしてはヒロインとの恋愛模様も生々しい恋愛ドラマに見慣れた大人たちには”ピュアすぎる”ものだったんです。
まぁ”子供向けでも、大人向けでもない作品”ってことなんですよ。
じゃあ誰向けやねん?ってことですが、このことは上映前から示唆されていて、試写終わりの宮崎駿が「自分の映画で初めて泣いた」という発言からも見て取れます。映画監督が試写とはいえ観客の顔色を伺うことより自分の感想を優先させたってことは”誰よりも宮崎駿自身が観客だった”ってことを意味します。
つまりこの『風立ちぬ』は宮崎駿自身に向けられたものだったんです。
そう思えば、可愛いマスコットキャラがでてこないことも、恋愛がピュアすぎるのも”宮崎駿自身が見たいシーン”だけで作ってるからだってわかるんです。
この『風立ちぬ』は黒澤明が晩年に『まあだだよ』作ったのと同じ、ようは巨匠の晩年の作品にありがちな”娯楽性より作家性を重視した”作品だったんです。
もう一つ指摘しておくと今作のタイトルに”の”が入っていませんよね。ジブリ作品のジンクスで作品タイトルに”の”を入れるとヒットするというものがあるんですが、今作にはそれがありません。つまり宮崎駿自身この映画がヒットしなくたっていいと思っている節があるということなんです。
あたりまえですよね。だって自分自身に向けた映画なんですから、他の誰にもわかってくれなくても、楽しんでくれなくてもよかったんです。
だからって駄作かって言うと、それは違うと思います。だってワタクシは結構のめり込んで見ていましたし、終盤では泣きそうになってましたから。
ここからは感想ですが、実際この作品は好きです。
淡々と語られる堀越二郎の人生。夢と現実が交差する演出。菜穂子との切なくも美しい純愛。圧倒的な風の描写。どれをとってもワタクシ好みでしたね。
特に『千と千尋の神隠し』や『崖の上のポニョ』で感じた”死の臭い(死への恐怖感?)”みたいなものが感じられないどころか、この映画ではそれを乗り越えた”生きることへの決意(死ぬまで一生懸命生きてやる)”という意思表明を感じられた気がしました。
ここ最近、宮崎映画に全面的に楽しめなくなって心も離れて行きつつあったんですが、もう一度ワタクシの心掴んでしまったように思います。宮崎駿はもうこの路線でいいんじゃないでしょうか?もう歳も歳だし”作家性重視で観客置いてけぼりな作品”をどんどん作ったらいいと思います。
まぁでもまだまだ儲けたい鈴木さんがよしとするかはわかりませんが・・・。
ああ、それから庵野秀明の件ですが、意外にもよかったですよ。はっきり言って下手ですが、30分も見てると庵野以外にないと思えてくるから不思議。これは駿マジック?それとも庵野マジック?
庵野以外のキャスティングもクレソン好きの外国人役の人以外はよかったですよ。特に西島秀俊と西村雅彦。彼らは普通のアニメでも通用しますね。今後に期待。まぁ志田未来の声が幼すぎたのは賛否でそうですね~。
ひこうき雲 ~映画「風立ちぬ」より~
やたら歌詞と映画の内容が合ってるんだよなぁ~。まるでこの映画のために作った曲のようです。
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風立ちぬ サウンドトラック[共通特典CD付き] | |
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風立ちぬ スタジオジブリ絵コンテ全集19 | |
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